見出し画像

Not goto debu

撮影/画像処理備忘録

以前も書きましたが、
これまでgoto debuはdob goto12での
10秒露光×多枚とか、ミザール、ミルトルでの
20から40分の露光しかやってきませんでした。
今回M31で初めてきちんと手順に沿って撮影した
ので、備忘録として記録しておきたいと思います。

ベテランの皆さんにはなにをいまさらという自明な内容かもしれませんが、
備忘録ということで。

①撮影
 望遠鏡:ケンコー MILTOL  400ED
 フラットナー:BORG マルチフラットナー1.08
 赤道儀:タカハシ 90S(K-Astec  90S用AMD-2N 2軸駆動仕様)
 カメラ:ASI294MC PRO  GAIN  150  冷却-10℃
     (オフセットは弄ってません、というかASI Airって設定できる?)
    撮影時間180秒×32枚 総露光時間96分
 ガイド鏡:ZWO  30mmF4 露光設定2秒
 ガイドカメラ:ASI120MM mini
 ガイド装置、ソフト:ASI Air PRO、ディザリングあり
 ダーク:上記と同条件で180秒×40枚撮影
 フラット:なし

撮影中のASI Air PROの画面



②マスターダーク作成
 ・Steraimage8の「バッチ」-「コンポジット」でダークイメージを
  ベイヤー配列のまま位置合わせ無しコンポジット

マスターダーク画像(レベル調整してあります)
 なぜかブログ表示だと階調がおかしいですが・・・



③ダーク適用
 ・Steraimage8の「バッチ」-「共通ダーク-フラット補正」で
  ベイヤー配列のライト画像にマスターダークを適用。
 (RGB変換する前のベイヤー配列でやらないとダメみたいです)

 DOBの10秒とか15秒露光は露光時間短いせいか、アンプグローも全く出ないし、
 ホット/クールピクセルも全然気にならない上に、視野回転ディザリングで
 筋状のノイズもお目にかかったことがなかったので、これまでダークは
 当てたことがありませんでした。


④RGB変換
 ・1枚FITS画像を読み込み、
 ・Steraimage8の「設定」-「ワークフロー」で記録開始
 ・以下内容を実施して記録
   「画像」-「ベイヤー・RGB変換」
   「階調」-「レベル補正」 
 ・「記録終了」後「バッチ実行」でライト画像全部にバッチ処理を実施

RGB変換、レベル補正後の1枚画像



⑤コンポジット
 今回はSteraimage8のコンポジットパネルの自動処理で実施しました。
 ・処理:コンポジット
 ・ホット/クールピクセル除去:どちらも0.9
 ・階調調整:レベル調整、色調整にチェック
 ・方式:加算平均、自動位置合わせにチェック

32枚コンポジット後の画像



⑥レベル調整、デジタル現像
 ・Steraimage8の「階調」-「レベル補正」でヒストグラムのRGBの山が
  重なるように色味調整、最小値、最大値をヒストグラムに寄せる
 ・「デジタル現像」で、中心核が飛ばない程度に調整

調整後の画像



⑦StarNetで星消し
 ・STRIDE設定:16

処理後画像

M32の周りがちょっとリング状になってしまっていますね。
これは元画像と部分選択で比較明合成すればよく、前回ブログに上げた
画像はその処理をしていますが、今回はそのまま処理します。


⑧星雲マスク作成、適用
 ・星消し画像をコピーしてモノクロ化、ガウスぼかし、
 ・Steraimage8の画像調整パネルでシャドウ、中間調を調整して
  マスクを作成
   通常星が写っている画像の場合は、「画像」-「ソフトピニング」と、
  「フィルター」-「ミニマム/マキシマム」で星消し後に同じことをしますが、
   今回はStarNetで星を消してあるのでガウスぼかしと明るさ調整のみです
 ・「範囲選択」-「選択マスク設定」で作成したマスクを元画像に適用

マスク画像



⑨階調、明るさ調整
 ・Steraimage8のレベル調整、画像調整パネルでシャドウ、中間調、
  白飛びを調整
 ・「フィルター」の「ノイズ低減」でノイズ処理
 この後のシャープ処理で飛んでしまう場合があるので若干暗めにしておくのがミソ

処理後画像



⑩マルチバンドシャープ処理
 ・Steraimage8の「フィルター」-「マルチバンドシャープ」で処理
  設定:半径8は3前後,半径16は4前後 , 半径32は5前後で設定
     半径1,2,4は0設定です
    マスクがかかっていると、マスク無しより弱めにかかります。
     これをいつもついついやりすぎてギンギンにしてしまうんですよね、
     ほどほどを見極めるのが難しいです。

処理後画像



⑪マルチバンドウエーブレット処理
 あまりDSO対象にウエーブレット処理をする人はいないと思いますが、
 goto debuはいつもウエーブレットをかけてます。
 ただ、設定によっては画像が破綻するので注意が必要です。
 特に星あり画像の場合は明るい星の周囲が破綻しやすいです。
 なのでStarNetの星消しはとても助かります。

 ・Steraimage8の「フィルター」-「マルチバンドウエーブレット」処理
  設定 種類:ドベシィ(N=10)
       最低解像度成分を削除のチェックはなし
       深さ-3は150前後 、深さ-4は130前後 深さ-5は120前後
                  (深さ-1,2は0設定)
       深さ3は今回146にしていますが、この値は画像を見ながら
        結構動かしてます。
        深さ-4、深さ-5はだいたいいつもこのくらいの値ですが、
        深さ-5を4より若干小さめにした方が良いようです。
   
処理後画像
 ブログではわかりにくいですがうまくはまると精細感がぐっと上がります。


⑫バックグラウンドのレベル調整
 ・Steraimage8の「範囲選択」-「選択マスクを反転」でマスクを反転
 ・「明るさ/コントラスト」の明るさでバックグラウンドのレベル調整
 ・「ノイズ低減」でバックグラウンドのノイズ低減処理を実施
  これもいつもやりすぎて、背景を真っ黒にしてしまいます・・・。
  ニュートラルグレーが基本ですよね。今回は少し気を付けました。
  ただ、最終的に星あり画像と比較明合成するので、そっちの方が明るいと
  そっちのバックグラウンドになります。そっちも調整が必要です。

処理後画像



⑫色調、トーンカーブ調整もろもろ
 あとは色調、トーンカーブ調整したり、画像調整パネルで中間調、
 シャドウを微調整したりします。
 ここはお好みで。

処理後画像



⑬星あり画像と比較明合成
 マスクをはずしてから、元の星あり画像をレベル調整したものと
 比較明合成して完成です。
 星の色が出るように元画像の調整がうまくできれば良いのですが、
 なかなか難しいです。 
 元画像から星なし画像を減算した星だけ画像と比較明合成する手もありますが、
 イマイチ不自然になることが多いので、元画像を調整して比較明合成してます。

合成画面


完成画像

ということでこの1年Steraimageの取説やネットで参考にさせて
もらった情報をもとにした処理を今回のM31に全部つぎ込んでみました。
我流でアレンジしているので間違っているところもあるかもしれません。
DOBで撮影した画像もダーク処理以外は、ほとんど同じことをやって
います。

でも、まだフラット処理等全然やっていない内容も
あるので、まだまだ勉強が必要ですね。
今後さらにチャレンジしていきたいと思います。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「天体写真」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事