”地上の天体望遠鏡と宇宙望遠鏡の場合”
以前の”未来の天体観測・観望”のブログで、その将来の天体観測の一形態として、世界に点在する天体望遠鏡を遠隔で操作し、その電子データによる電子観望が雨の日でも日中でも可能になる、と記した。
そのシェアリングモデルをビジネスとして考えた場合に、その価格は市場性があるものかどうか、非常に簡単なBaseモデルで、①地上からの天体望遠鏡の場合と、②宇宙衛星からの天体望遠鏡の場合について考えてみた。
① 地上天体望遠鏡の場合
初期投資は、望遠鏡、電子カメラ、処理用PC。他の天文マニアがアクセスしたいと思う機材という意味で、計80万円。
これを10年の減価償却費として月額で計算(表中の数字単位は千円)。
月間ランニングコストとしては、多少の管理に伴う人件費と通信費。それにGoogleAdwordsのように、その星空サブスク・サービスを知らしめるための若干の広告露出費用。
最後は稼働率計算で、晴天(快晴)率、稼働率%などをパラメータとして、実質稼働率のもと、月額費用を回収するための、1時間当たりの必要課金額を計算。
本条件のもとでは、1時間あたり4.6千円と多少高額だが、日本から南国の空、アンデスの空へアクセスできるとしたらターゲットレンジ内ではある。
次にパラメータを変え、例えば快晴率が50%にも達するエリアで実質稼働率が75%まで持ち上げられる場合は、1時間当たり1.5千円と十分リーゾナブルな価格を提示できる。
【結論】
これを独立したビジネスと考える場合には、かなり利益は薄そうだが、個人が採算レンジに乗せるだけならそう難しくはない。他のシェアリング事業と同等に1時間当たり1000円~2000円台には落とし込めそうである。
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②宇宙天体望遠鏡の場合
次に人工衛星に搭載した望遠鏡に関してのサブスク事業もシュミレーションしてみる。
この場合人工衛星への搭載費用で、10億円程を仮定。単独の打ち上げ費用であればその数十倍から100倍程度は必要と考えられるが、望遠鏡の複数搭載を考え、1台あたりは10億円とする。
その他初期投資、運用費用も桁が上がり、時間当たりのサブスク費用も桁違いに大きくなると思いきや、晴天率や一日の稼働時間が100%見込めることで、意外にも時間当たりのコストは、3万円弱程度に収まる。
この金額であれば一度は宇宙からの望遠鏡による電子観望も経験してみたくなる。
【結論】
民間企業のロケットに搭載した宇宙望遠鏡からのサブスク料金でも想像以上に低価格で実現できそうで驚いた。
機材の償却期間を10年と仮定したが、現実的には5年ほどか。しかしながら稼働率50%は、サービススタート時にはほぼ100%と予想され。1時間当たり3万円の値付けは十分可能と考える。ただし事業となった場合は提供価格は3倍か。