2006年、”大人の科学”でニュートン式反射望遠鏡のレプリカが発売された。
迷うことなく飛びついて購入した。
プラスチックの鏡面を使用したその見え味は残念ながら言わずものだが、紙製ではあるがその醸し出す雰囲気は何とも言えず可愛げがあり、今も廊下の突き当りの窓枠にちょこんと置いてある。
1,プラネタリウムの思い出(社会人編)
それに比するくらいの好企画が2005年の大平貴之氏との共同作業によるプラネタリウム。原版にはびっしりと星像が印刷され、豆電球から照らされた星空は家族と一緒にみても楽しめる優れモノで、日周運動まで再現してくれる。
昔から雑誌付録は大好きで、大人の科学自体好きな企画である。そんな中、ガリレオ式天体望遠鏡は未購入だった。理由は忘れたが、おそらく鏡筒だけのシンプルさに加え、レンズ2つを組み合わせても、その見え味も容易に想像できたからだと思う。
2,プラネタリウムの思い出(小学生~高校生)
昔、青少年科学館なる施設の屋上に五藤プラネタリウムがあり、当時50円程度で入場できた。中型程の機材だと思うが、何回みたか覚えていない程通ったものだ。中央に鎮座するプラネタリウムの球体に取り付けられたおびただしいレンズ群により、決まっていつも日没から演出が始まる。心地よいナレーションも今も記憶にある。
その人工の夜空を満喫してまぶしい外にでると、道路を挟んだ向かい側に高校があり、その屋上には鈍い銀色の立派なドームがあった。後で知ることになったが五藤光学の15cmF15の屈折赤道儀があるという。
それ以来そのドームにあこがれ、無事この高校に入学できたことで、ドームへの入場を許された。天頂に向かってそそり立つような望遠鏡は威厳に満ちていた。
その後何度か通っていくうちにだんだんと望遠鏡は何か近しい存在へと変化していった。そしてこの巨大な屈折赤道儀の様々な複雑な付属品の意味が分かってきた。鏡筒部に沿った長い微動用ハンドル、接眼部に取り付けられたバランスウェイト、ガイド用の複数の屈折望遠鏡。
残念だったことはプロミネンス観察用アダプターまであったのだが、一部破損による故障で使用できなかったことだ。天文クラブの部員数もすくなく、部の予算を十分確保できずそのまま放置されていた。
3,プラネタリウムの思い出(小学生)
当時学研社より”科学”と”学習”の2雑誌が毎月発売されていて、両方定期購読させてもらっていた(両親に感謝)。この科学の付録だった星図とペンライトセットが私の天文歴をスタートさせるきっかけとなった。
後の企画で水レンズを使った望遠鏡も覚えている。確かに見えはしたが、プラスチック容器に水を充填したレンズゆえにコントラストは悪く、原理的に望遠鏡として機能することだけを実証したもので、それ以上でも以下でもなかった。
それともう一つ、”学習”の付録として、自作地球儀セットがあった。丸いプラスチック球の上から世界地図シールを張り付けて完成させるものだ。
しばらくは机に置いたままになっていたが、ある日天文ガイドでプラネタリウム自作記事を読んだのではないかと思う。
早速シールをはがし、プラ球の上からマジックで星座をプロットした。そしてその個々のマジックの点跡を熱した縫い針で、一等星は深くまで穴をあけ、2等星、3等星は軽めに。時間をかけ、不正確な星座群ではあるが、主要星座を完成させた。
球の中央部に豆電球を設置し、部屋を暗くして電源スイッチを入れる。
すると部屋の周囲4面と天井には見事自作プラネタリウムによる星々が。
残念ながら針孔ゆえに星像は大きく、全天1等星、2等星ばかりの世界だが、きちんとプラネタリウムとして稼働したことに感激した。
小学生で使えるお金は限られていたが、有り余る時間と興味と熱意、今でも懐かしいあの頃の思い出だ。