信二は僕に気さくに話しかけてきた。
僕は誰とも関わりたくないので、無視を決め込んでいた。
人間と関わってもろくなことがない、そう思っている僕は本に集中する振りをした。
「お前、いつも小説読んでんな、俺にオススメの小説紹介してくれよ」
そう言われてもだんまりを決め込んだ。
「そういやあお前、昨日帰りに本屋寄ったろう。なに買ったんだ」
こいつ空気読むとか出来ないのか?
こんな奴は初めてだ。
「まあ話しかけて来なくてもいいから独り言を聞いてくれ」
勝手に話し始めたそれは何故か?気になった
「俺さあこんな性格じゃん、人と接するのとか、上手くないんだよね。だから誰にも相手にされなくてさあ、いつも一人ボッチなんだ、一人は楽だけどさあやっぱり繋がりは大事だと思うんだよね。裏切りや虐め色々ある、でもさあ勇気ってだすと一人ボッチより、仲間といる方がいいなってなると思うんだよね、じゃあ行くわ」
そう言って信二は去ろうとした
「東野圭吾の著作の手紙がオススメ」
僕は勇気を出していった例え騙されているのだとしても。
「そうか、買ってみるよ」
これが僕たちの初めての会話だった