
ケアネットの『輸液大盤解説(全8回)』の公開もいよいよ後半になりました。ちょうど来週公開される症例の最終チェックが終わったタイミングで,次回公開のケースと同じような患者さんが入院しました。
昨日の夕方のことでした。たまたま直接の指導医が不在で当直が外勤の先生の日だし,研修医(優秀なPGY2)からどうしましょうと相談を受けました。もちろん研修医一人に責任を持たせる訳にはいきません。「どこかにお願いした方がいいでしょうか・・」なんて言うものだから「アホなこと言うな!そんな恥ずかしいこと!一緒に診るから・・」と,目処がつくまで一晩付き合うことにしました。
まずはいつものDKA flowsheetをB4サイズの紙に印刷します。そして1時間毎の採血予定を立ててしまいます。その上で,輸液の指示(もちろんバイタルを見ながら),インスリン持続投与,そして血清K値が上限になったらK補充を開始することなどを,確認しながら指示させます。幸いバイタルも安定しており尿も十分出ています。その後は順調に血糖も低下してきて,アシドーシスも改善してきました。
午前2時の段階で,もう大丈夫。目処はついたしあとは2時間おきのチェックでいいね。
(じゃ後はよろしく,心配なら電話してね。iPhoneは枕元に置いとくから)と私は帰宅して仮眠です。若い人はちゃんと朝まで見ること!でもオジサンにはもう貫徹は無理です。翌日が使い物になりません(笑)
もちろん今朝の状態はもうばっちりの状態でした。
ケアネットの『輸液大盤解説(全8回)』もお陰様で多くの方にご覧いただいているようです。今回の症例のまとめのスライドで,
・DKAと診断したら「覚悟を決めて1時間毎の採血指示を入れて一晩朝までつきあう」
と言っちゃいましたが,今の時代それは”働き方改革”でイケナイんですかね? でも若いうちはこんな経験,買ってでもやっといた方がいいと思いますがね〜。少なくとも,この一晩の経験でウチの研修医くんも輸液の自信が少しついたことでしょう。とてもいい経験になったはずです。