H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

日本心臓病学会@名古屋

2019-09-14 | 臨床研修

 

完全アウェイの学会での発表です。みどり病院の室生卓先生からお声をかけていただき,何と日本心臓病学会で教育委員会企画として「Physical Examinationを学ぶ」というセッションでお話する機会をいただきました。

「エキスパートのPhysical Examination」と第して「手からの診察-爪でここまでわかる」というタイトルです。そこまでエキスパートでもないんですが,20分間で手から診察を初めて,爪の所見でも全身性疾患の手がかりになることがあるという内容でお話しました。

それにしてもプロ中のプロの中に入って話をするのは緊張です。耳原総合病院の藤本卓司先生,適々斎塾の板金広先生,心音のプロ 山崎直仁先生,頚静脈のみかたの神様 山本正治先生など,他の先生方のお話はほんとに勉強になりました。何度聞いても新鮮な発見があります。

 

以下,抄録を記録として。

 

<手からの診察 - 爪でここまでわかる ->

「手当て」という言葉から連想されるように,医師が患者の手を取ることは診察の第一歩である。手から診察を始めることにより,病歴聴取から自然な流れで身体診察に移行することができる。注意深い手の観察によって,それだけでも多くの全身性疾患の手がかりをみつけることができる。なかでも爪の変化は多彩で,色調や形状の変化,爪にみられる線条や出血斑など,多くの所見がある種の疾患に関連することが知られている。一見見逃されそうな所見を拾い上げることで,無駄な検査を介さずに効率的な診断診断につながることもある。小さな爪の所見から思いかけず診断につながることは臨床の醍醐味といえる。そのために必要なことは「知識と観察力」である。すなわち「あらかじめ知っていて,それを認識できる」ということである。
 今回は爪を中心に以下のような手の所見について,症例の簡単な病歴とともに画像を提示しつつ紹介する予定である。臨床の面白さを再認識するきっかけとなれば幸いである。


・爪の蒼白(貧血)
・匙状爪(鉄欠乏性貧血)
・Terry 爪(肝硬変,心不全,慢性腎不全)
・Lindsay爪 (慢性腎不全)
・爪下点状出血,Osler結節(感染性心内膜炎)
・ばち指(COPD, 先天性心疾患,心不全)
・Beau's line,Mees' line (心筋梗塞,重症感染症,化学療法など)
・Quincke徴候(大動脈弁閉鎖不全)
・Muehrcke's line (低アルブミン血症)
・拳骨徴候(先端巨大症)
・甲状腺機能亢進症の所見(発汗,振戦,爪の変化 onycholysis)
・Asterixis (肝性脳症,心不全,腎不全,呼吸不全)
・レイノー現象 ・・・など。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 静岡赤十字病院 | トップ | 甲状腺機能低下症でのmoundin... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

臨床研修」カテゴリの最新記事