今や渋谷は訪日旅行者にとって東京で一番魅力のある街みたいです。私も体感的にそう感じています。
私が日々通訳ガイドとして乗っている定期観光バスの都内ツアーには渋谷は含まれていません。でも皆「渋谷に行きたい!」「何で渋谷へ行かないんだ?」と口々に言います。
渋谷は若者の街として有名ですが外国人旅行者の間では若い人は勿論のこと年配の方も皆「渋谷」「渋谷」です。そして彼らにとって渋谷での一番のattractionはなんといってもスクランブル交差点です。
「あんな人混みの雑踏の何かいいの?」とお思いになるかもしれませんが(私も同じおもいでした)彼らにとっては何百人、時に千人以上の群衆が信号が青に変わった途端一斉にevery directionよりワ〜〜っと湧き出て皆が速足で歩き出し、お互いぶつかりもせずにスムーズに交差していく様子は相当amazingな光景なんだそうです。「秩序のとれたカオス」とでも言うんでしょうかね。実際渋谷の交差点にはいつ行っても多数の外国人の方がカメラやスマホを片手に撮影しながら(交差点を)渡っている光景を目にします。
私は通訳案内士の資格を取るための二次試験に一度落ちています。当時(2015年度)の二次試験では面接官の前で読み上げられた日本語を英訳する「逐次通訳」と与えられた3つのトピックの中より一つを選んで2分間話す「プレゼンテーション」、そして選んだプレゼンテーションのトピックに沿った質疑応答が英語で行われました。
私が落ちた時の3つのトピックは「のれん」「家元制度」そして「渋谷スクランブル交差点」でした。私はこの渋谷スクランブル交差点を選んであえなく撃沈したのです。
試験中は緊張し過ぎて冷静にトピックを選べる余裕がありませんでした。「渋谷」の文字が目に留まり、自分にとって以前馴染の深かった渋谷を選んだのに過ぎず、その後のスクランブル交差点の重要性など全く考えていませんでした。
前述した通り、試験を受けた当時は渋谷スクランブル交差点が訪日旅行者の人気スポットであるということなど全く知らなかったのでプレゼンの内容は交差点については人混みの凄さ位しか説明することが出来ず後は渋谷の街についてしどろもどろになって喋るのがやっとでした。
その後の質疑応答も今思うと随分とトンチンカンなことを答えていたと思います。そして結果は不合格。期待はしていなかったもののショックと言えばショックでしたね。
そう言うわけで渋谷のスクランブル交差点は私にとっては深く思い入れのある場所でもあるのです。
年明けに生まれ変わった銀座線渋谷駅。私はとても使い易くなったと感じています。まだ完成途中なので今後進化し続けていくのでしょう。
年末に開業したスクランブルスクエアや新生パルコなどなど、渋谷の街は訪れる度にどんどん変わっていきます。昔(そんなに昔でもない)を知る人間にとっては寂しさもありますが今後渋谷がどんな風に変貌していくのか考えるとワクワクさも感じます。そして、歳はとってもこういう感覚はずっと自分の中に残っていてくれて欲しいと今日渋谷の街を歩きながら思いました。