午前中、我が家の猫殿のトイレ掃除をしようと新聞紙を広げた時。
広げた紙面にオノ・ヨーコさんの連載コラムが目に飛び込んだ。
思わず読み始めて、この紙面を開いた偶然に驚いた。
◆オノ・ヨーコ◆
このコラムには30歳そこそこのヨーコさんが幼い娘を抱え、
ニューヨークで色んな仕事に就いて、
生活を支えていた時期の事が書いてあった。
その中で自分の表現である創作への意欲を持ち続け、
仕事場の昼休みの間は、自分の前衛アートを創り続けた。
その時、何が彼女の心の灯を消さなかったのかが書かれていた。
◆「誇り」という力◆
どんな大変な環境にいても、それをクリエイティブに変えるは
「誇り」という力。
人間、誇りを持たなかったらダメになる、惨めになる。
◆常識というものは。。◆
限られた人生の中で自分が何を選ぶか?
それは自分が面白いと思える事で、
エネルギーが湧いてくるか、どうかが大切です。
社会には頑なな基準があり、
人はそれに合わせて生きる程単純ではない。
気付いているのに常識に合わせて生きるのは、
自分の生涯を大切にしていないからではないでしょうか。
本当の基準は
「自分が美しいと思った全ては美しい」ということ。
根底にあるのは愛です。
世界中の人が何とも思わなくても、自分は愛してる。
それが非常に大事であり、その基準を活かして欲しい。
ワタシはこのコラムを読んで、また読んで、何度も読み返した。
上の部分は抜粋したものだが、
「誇り」と「本当の基準」はすごい力のある言葉で綴られていて、
オノ・ヨーコという人の信念の強さが分る。
普通こんな簡潔で、的を得た言葉では表現できないと思う。
まさに彼女はこの言葉を貫いて生きてきたのだろう。
俗っぽいけど、ジョン・レノンがオノ・ヨーコという女性に
魅かれ続けたのが分る気がした。
ワタシは深く熟成したこの言葉に共感したが、
一方では、ワタシ自身が貫く辛い苦しさに苦しめられている現実もある。
この現実にポツンと立っている時に出会ったコラムだった。
◆映画「アルバート氏の人生」◆
去年から封切になったら観ようと思っていた映画。
観に行き、意外な結末に「言いようのない切なさと惨めさ」だけが残った。
なんでこんな行き場のない映画を創ったのか?
観た後は観なきゃよかった…と思っていた。
でもオノ・ヨーコさんのコラムを読んで気付いた。
19世紀末の貧困にあえぐアイルランドで、
一人の女が死ぬまで一人の男として生きること。
そしてなんら楽しいことも夢も果たせぬまま死んでいった話。
だが、アルバートという男に成り切った女は
「男としての誇り」をもって立ち向かい死んだ事に気付いた。
残酷な現実の映画ではなく、
男として誇りをもって生き抜いた深い映画だった。
いやはや、まだまだ未熟な目しか持っておりませんねワタシは。。
主役アルバート氏を演じた女優グレン・クローズ65歳
この「アルバート氏の人生」脚本・主演・作詞を30年もやっている。
何故、この作品にこだわり続けたのか?
それは全て最後の「男としての誇り」のシーンのために創られたんだと。。
グレン・クローズは25年前の「危険な情事」の狂ったストーカー女で好演。
あの女性が帯表紙のアルバート氏を演じてるんです。
もし、気になったら観て下さい♪
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