花日和 Hana-biyori

モンゴル出身の絵本作家ご夫妻

先日、文教大学での図書ボランティア講座で、モンゴル出身の絵本作家、バーサンスレン・ボロルマーさん(妻)、イチンノロブ・ガンバートルさん(夫) ご夫妻のお話を聞くことが出来ました。

最初に「スーホの白い馬」にも出てくる「馬頭琴」のプロ奏者の男性が演奏してくれて、とても素晴らしい音色とにこやかなお顔立ちにすぐに引き込まれました。シルクっぽい艶のある生地の真っ青な民族衣装が美しかったです。

 * * *

絵本作家ご夫妻のお二人は、埼玉の文教大学に留学しているときに絵本の研究や制作に携わるようになったそうです。お二人ともがっしりした体つきでとってもにこやかで、すごく素敵な方たちでした。なぜ日本に来たのかや、留学生時代のこと、モンゴルの歴史を描いた「モンゴル大草原800年」(福音館書店)の制作裏話などを教えてくださいました。




いいな、と思ったのが、ご夫妻で絵本のことばかり話し合っていて、趣味であり仕事なので幸せというようなお話です。フリーのアーティストなので休みはないが、たまに電車に乗って出版社に打ち合わせに行くのが休みと言えば休みで、その時でも絵本の話に夢中になっていて電車を乗り過ごしたことも何度かあるとか。

絵本は、「ゴナンとかいぶつ」(ゴナンはモンゴル版桃太郎のような存在)、「センジのあたらしいいえ」、「トヤのひっこし」など多数紹介されていました。学生時代に日本の昔を舞台にした絵本を作っていて、畑仕事に下駄をはかせた絵を描いてしまった(草履がいいと周囲にアドバイスされたそう)ことなど興味深かったです。他国の人が描く絵本はそういう細かい考証が必要なんだなあと。




馬頭琴奏者の方も、このご夫妻もとても朗らかな魅力的な方たちで、この日でモンゴルが大好きになりました。


■馬頭琴とホーミー(民謡)の説明メモ

馬頭琴は木製でした。必ず先端に馬の彫刻が施され、弓も弦も馬のしっぽの毛を数百本束ねて作られているそうです。中国っぽい曲調から明るいカラっとした雰囲気の曲、馬の走る様子を活写したような曲など3曲を演奏。高音の口笛のような音と重低音を同時に発声する独特の唄、ホーミー(フォミーとも聞こえた)を聴かせてくれました。

ホーミーは、喉を通常の何十倍も強く締めながら長くきれいに強い低音が出せるまで練習し、その後舌を使って口の中の空気を調整し高い音を出すとのこと。重低音と風が吹き抜けるような涼やかな高音が同時に響き、馬頭琴の音色と共にとんでもない神業を目撃している感激に包まれましたよ。

コメント一覧

スウ
風太さんこんばんは~。絵本読んで頂けたんですね!嬉しいっ。

本当に素敵なご夫妻でした。馬頭琴の音色も素晴らしかったです。この絵本の企画を福音館に持ち掛けられた時、歴史に詳しくないからできないと断ったそうですが、「先祖のお話」と思って書いてくださいと乞われて、家族の話と思って書いたそうです。

家族をとても大切にされているし、大切にされて育った方だなあと端々で分かるお話をされていてそれがまた魅力的でした。

ところで、「スーホの白い馬」では、馬頭琴はスーホの骨も皮も使って作ったようなことが書いてあったような気がするのですが、私が見たものは完全に木製でほっとしました(笑)
風太
スウさん、こんばんは。
モンゴルの絵本作家のご夫婦、二人で絵本のことばかり話しているなんて、とても素敵なご夫婦ですね。
それと本物の馬頭琴の音色が聴けたなんて、うらやましいです。
「スーホの白い馬」を思い出しました。
スウさんの紹介された「モンゴル大草原800年』わたしも読みたくなって図書館で借りてきました。可愛い絵柄でとても細かく描いてあって、隅々まで楽しめモンゴルの歴史もわかる、素敵な絵本でした。
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