<息子(8歳)に読み聞かせ>
羽が生えた猫という設定で、もう「おもしろそう!」とかなり食いつき、最初の章を読んだときは「なんで羽が生えてるんだろう…夢でみたのが遺伝するって不思議じゃない?」と面白そうに言っていました。
あとウケていたのは、ハリエットと人間の兄妹たちが緊張のご対面をしている近くで「牛がもぐもぐ草を食べていました」というところ。そして最後の、猫たちが兄妹の所に飛んで行って、羽のついた背中を優しくなでたという場面を読んだときは、優しく頭を撫であいっこしましたよ。
猫に翼が生えていて…という完全なファンタジーですが、愉快に終わるつくり話ではなく、猫に羽が生えて生まれてきたとしたら…というもしも話がとてもよく出来ていて、母親と別れるくだりや兄弟と出会う場面など、細やかな感情が描かれていて素敵です。絵は細密でリアルだしすべての描写がわかりやすく丁寧で、読み聞かせしやすかったです。この作者は猫の事をよほどよく観察していて愛しているんだろうなと思わせます。
<あらすじ>
自分の四匹の仔猫たちにどうして翼が生えているのか、ジェーン・タビーお母さんにはさっぱりわけが分かりませんでした。というところから話が始まります。
近所の猫は、「父親が飛び回って遊んでばかりいるような人だったから」と言うし、お母さんは子供がお腹にいるとき、空を飛んでこの町から出ていく夢をみたからだわ、等と考えますが、都会の野良猫として日々の暮らしの困難さゆえにそんなことを考え込んでいる余裕もありません。
ある日、一番小さいハリエットが、犬に追い詰められて羽を広げて飛び立ち逃げることが出来ました。それを見ていたお母さんは、四匹の子供たちはここから巣立って行くためにその翼があるのだとわかり、四匹にここから飛び去ってゆくよう言い渡します。
四匹は、悲しくもあり誇らしくも感じながら母と別れ、慣れない長時間飛行をなんとかやり遂げてある森にたどり着きます。美しい自然のなかでのびのびと暮らせるかというとそんなに甘くは無く、もといた動物たちに煙たがられたり、フクロウの母親に攻撃されたりと現実的な困難が次々と彼らを襲います。
そんな折、大けがをした兄弟をかかえ、餌をとるのも苦労するし、疲れ切った仔猫たちの前に人間の子供たちが現れました。
森のはずれの切株に、8歳の妹と12歳の兄が用意した美味しいごちそうが置いてあり、仔猫たちはそれを食べ、「きみたちを捕まえて閉じ込めたりしないよ」という兄妹たちに次第になつき、人間の手の優しさを初めて知るのでした。
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