オーディオブックの源氏物語(寂聴版)はまだ途中(半分くらい)です。いま「明石より」が終わって「薄雲より」に入ったところです。
光源氏が、朧月夜の君との密会がばれて立場が悪くなり、自ら島流し的に明石に行ったあとのところ。もう都に帰ってきて、明石の君との間に生まれた姫を引き取るあたりです。それにしても、どこに行ってもやることはやる男じゃのう。
ところでこのオーディオブック、全編ではなく、あらすじだけ説明して飛ばしている部分が多いようです。
ただ、私は誰の訳であれ文章で全部読んだことがないので、色々とそうだったんだーと気付くこともありました。
若い頃の源氏の君が、病床の乳母を励ます優しさをみせる場面では、女好きなだけじゃないんだね〜と思ったり。
明石の君は思っていたよりずっと頑なで、身分違いにこだわるキャラクターがはっきりしている人だったんだなとか。
それと、この物語は三人称で「源氏の君は〜とお思いになって…」と客観的に語り部が語る形です。なので、作者の考えがチラッと出てくることがあるのも発見でした。
例えば、歌の会なんかで源氏の君を(詠んだ歌も含め)それはそれは褒めちぎったあと、他の人が詠んだ下手くそな歌は時間の無駄なので省略しましょう的なことを言ったり(言い方は違ううろ覚え)。
女の身で政治のことを語るのは控えておきます的なことも、ちらっと言っていたような。これは完全に作者が作中に顔を出していますよね。
ほう、と興味深く思いました。