『東京心中』1~11巻 トウテムポール/茜新社
先週、1週間くらいかけて1巻から11巻完結まで読んだけれど、読み終わるのがもったいないくらいだった。
たいしたこだわりもなくテレビ制作会社に就職した宮坂と、映画を愛する先輩ディレクター矢野さんが、愛にシゴトに奮闘するBL漫画。
テレビ業界の裏側がちょっとかいま見えて面白い。と同時に映画(及び映像制作)を愛する青年たちに胸が熱くなるお仕事漫画でもある。矢野さんは見た目は女の子みたいに可愛らしいが、中身はめちゃくちゃクールで頼もしくて無愛想でかっこいい。
犬のように懐く宮坂を邪険にする場面はコメディ要素も強くて楽しかった。職場の先輩ユカさんやプロデューサーの詩さんら女性陣は、宮坂を叩き上げていく光景がテンポよく楽しく真剣味もあってよかった。
好きな矢野さんのセリフは色々あるけど、橘に映画に対する情熱と泥沼の話をするくだりが凄い好き。映画が好きだと表現するために、「たとえるなら、子供がヒーローにあこがれる感じで 将来 映画になりたかった ぐらい好きだ」と始まる。
その後の抽象的なたとえに矢野さんの葛藤や羨望や諸々混沌が滲み出ているが、最後は橘に「もっと苦しんで一緒に頑張ろうな」と微笑みかけるのだ。そりゃ矢野さんに惚れてまうやろ。しかし宮坂と矢野さんの同棲生活は生活感が滲み出ていて日常系の味わいもあり、それもけっこう好みだった。
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くら
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