花日和 Hana-biyori

たとえ明日、世界が滅びても 今日、僕はリンゴの木を植える

『たとえ明日、世界が滅びても 今日、僕はリンゴの木を植える』瀧森 古都



あらすじ>イベントでピエロのパフォーマーをしている修二と、インド人で移動カレー店を営むオムは、母親に捨てられたらしき少女と行動を共にすることになる。やがてこの少女と修二は意外な繋がりがあると判明し、修二は父や母の過去、自分の出自と向き合うことになる。親子の絆や消せない過去の傷、今をひたむきに生きることの大切さを描く物語。

 * * *

感動本とのことで友人が貸してくれたのですが、私は文章がだめでしたね。心理描写というより登場人物が全部思ったこと言ってますという感じで、秘密をじらすでもなく情感を醸すでもなく。主要登場人物数人の視点でストーリーが展開するのですが、それがあまり効果的とは思えない。

話の展開が乱暴すぎて、感動のセリフらしきものも、心が汚れている私にはちょっとあざとい感じがしてしまって、素直には受け入れがたい感じでした。

とはいえ、明るい未来が見えない今の時代、過去や未来を思って不安になってしまう人たちに、今を生きろと励ますような本なのだと思います。それは、以前読んだ「母がしんどい」の中での「今に集中する」という精神の落ち着け方とか、座禅の修養論みたいな部分に共通するものを思い出しました。だから、新鮮味もなくて、という感じですね。すいません…。
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