舟を編む ☆舟を編む 三浦しをん 著 光文社 映画の予告編を見て知った作品。借りて読もうかと思ったけれど近隣の図書館は予約待ち。辞書好きの自分としては、まあ買ってしまえ!という勢いでネット購入してしまいました(^^ゞ 作品中にできあがる国語辞典「大渡海(だいとかい)」と同じ装丁で出来上がっている本なので、見た目もきれい、手触りもよし。第一印象から素敵な本でした。 文庫化を望む声もあるみたいだけど、この質感は文庫では出ないだろうから単行本をお勧めします♪ さて、内容は、辞書編纂に関わる人々の苦労と喜びが中心に描かれており、登場人物に血を通わせるため、ちょっとした恋愛も描かれています。 しかし、この恋愛模様が、硬派な内容を期待する方々からは「ライトノベルのようで残念」と言われてしまうようです。でも、私は、血の通った人物が真剣に辞書編纂に取り組むからこそ作品全体にリアル感が生まれると思うので、こういうエピソードも好きです。
おススメの言葉はたくさん出てきますが、「言葉」を大切にする言葉は編集者志望だった三浦しをんさんの心がいっぱい詰まっていると思います。 言葉の海を渡る舟になれるように、、、なんて素敵な願いのこもった辞書なんでしょう。荒木さんや松本先生の言葉の多くは一つ一つ宝物のように光っていて、何度も読みたくなります。 我が家にも「大渡海」のような辞書があります。(小学館「大辞泉」)今までも手元においてよく使う辞書ですが、多くの方の思いがこもった辞書なんだなあ、、、と改めて愛おしくなりました。 そして、一度も読んだことがなかったこの辞書の「序」を読んでみたら、本当に「舟を編む」のような世界が広がっていました。この辞書も企画から30年・・・。
今時ネット検索すればどんな言葉もポンと出てきますが、辞書をめくって調べる心の余裕、調べる言葉の隣近所の言葉を知る喜び、これはネットにはかないませんね。
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