装丁や題名を手掛かりに、手当たり次第ページを繰って、普段気になっていることや、心に響いてくる言葉や挿絵などと出会えるまで、何冊でも探していく方法で見たいもの読みたいものを選んでいることが多いです。
今回の作品に共通する多彩な表現と読みやすい訳文は原作が優れているからでしょうね。
子供たちだけに読ませておくには勿体ないくらい作者の品格が感じられ、スリリングで面白かった2冊です。
1949年にデビューしたジョアンはスペインを代表する児童文学者。スペインでは子供だけでなく大人にまで読まれている実力派作家。
謎解きや仕掛けに富んだ独創的なファンタジーや冒険小説を数多く発表しているそうです。
イスカンダル~ 1999年12月31日初版発行
アドリア海~ 1995年5月31日初版発行
徳間書店 ジョアン・マヌエル・ジズベルト作 宇野和美訳
(1)イスカンダルと伝説の庭園
短編ファンタジー。
アラビアの王が栄華を誇っていた時代の物語。
世継ぎに恵まれなかった王が当代随一の建築士イスカンダルに依頼した仕事は世界一美しい庭園を造ること。
盲目の占い師ソスの謎かけのような言葉をイスカンダルは気にも止めず庭園造りに没頭していた。
わくわく感というより、深い呼吸にも似た溜め息とぞくぞくする感じ、言葉・・文章が詩が宝石のよう、でした。
(2)アドリア海の奇跡
短編ファンタジー。
みなしごの少年とヨーロッパ一の錬金術師との出会い。物語はハンガリーに統一されていた頃の15世紀末のクロアチアから始まります。
秘密の使いと結末。この本を読み終えたら錬金術師のイメージが変わっているかもしれませんね。
この作品は、地理が苦手な方はヨーロッパの地図を用意しておいてもいいと思いますよ。もちろん地図がなくてもわくわくします。
んん・・わたしの手元にある聖書は・・多分3回目のもの。
手離しても手離しても、何処からか誰からかいただいてしまう縁。
であれば、1冊は手元に置いておくしかありませんよね。
他人には聞いたことないけど、こういうことって普通によくあることなんでしょうか、ね。