須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(22)~早松(さまつ)とゆばしんじょのお椀

2020-08-02 08:36:34 | 花月のお料理
今回の椀物(汁物)には「ゆばしんじょ」が入っていました。しんじょもすべて一律の食感の練物にするのではなく、時々コリッとした食感が味わえる仕立てでした。

練物も自分で作る料理長の技は素晴らしいですね。機械でない手造りだからこそ、練物にも陰影が生まれるんです。それが「技」というもんだと思います。

さて、早松(さまつ)。近年、マツタケが獲れなくなって絶滅危惧種2類に指定されるとか。今日のお椀には「早松茸」=「早松」が入っていました。とはいえサマツは松茸ではありません。モミタケというそうです。モミの木の林にできるようですね。松茸に似ているけど、全く違うものだそうです。香りもありません。料理長の技で樅茸も松茸風にに大化けです。


食材にランクをつけないで楽しみましょうね。
美味しければいいよね~。。。。。


花月のお料理(21)~小豆ごはん

2020-08-02 06:58:36 | 花月のお料理
8月1日の花月、実は愛猫の四十九日法要が済んだ後、忌明けの食事会でした。ブログを書き始めた当初は一緒にいてくれたのに、哀しみと寂しさは、なかなか癒えませんが、月日だけは早いものです。

たくさんの幸せをくれた愛猫に献杯、家族で思い出話をしました。折しも高く月が出てきました。愛猫の名前は「月」の意味でしたので、家族の会食につきあい、一緒に居てくれました。日々の暮らしで寂しさからか、自然現象のワンシーンに逝ってしまった愛猫たちの温もりを感じます。「虹」「雲」「雨」「月」などに、みんな違った個性を持っていた子供たちの魂が、いつも近くにいてくれるありがたさ感じます。



四十九日の忌明け、料理の締め、ご飯は「小豆ご飯」でした。マネちゃんの思いやりに涙が出そうになります。小豆はお彼岸に食べるもの。ぼた餅、お萩を食べますね。四十九日の忌明けにも食べられます。小豆は赤いお豆ですね。赤は厄除け、魔除けの意味を持つことが転じ、(先祖)供養に用いられるようになったらしいです。



マネちゃんは共感能力がとても高い人です。全てのお客様に対し、いつも一生懸命で、時々のイベントや想いに寄り添った「おもてなし」を考えてくださいます。
「花月」の大きな魅力は「おもてなし」、コロナ後のこれから、失われていくかも知れないもの、目には見えないけど、だからこそ、人にとって最も大切で尊い「温かな思いやり」です。



花月の器(2)~花月オリジナル・再び

2020-08-02 06:18:42 | 日記
先般、「花月オリジナルセット(ノリタケ)」をご紹介しましたが、無名であっても優れた発注品を二点ご紹介します。

まず、もう一枚しか残っていないお皿です。もちろん花月のシンボルマーク「源氏香・須磨」 入り、御所車に少し立体的な桜の花びらが舞う様が雅です。真ん中はお料理用に空いていますので、お料理を盛りつけて食べたいものです。御所車は帯の図案などでよく目にしますが、御所車=源氏車なのを初めて知りました。ここに「源氏」が隠れているとは粋なはからいですね。



花月の源氏は「光源氏」で、「源氏と平家」の源氏ではありません。源氏車とはそもそも源氏物語にゆかりがあるのでしょうが、東北地方を中心にした佐藤氏の家紋になっているようですね。関西、特に神戸は「平家」びいき。帯や着物の文様を「御所車」と言っても「源氏車」とは言わないのかもしれません。

また、ズバリ!シンボルマーク源氏香・須磨の「陶板焼き用品」。鉄?銅?真鍮?家族で色々な意見が出ましたが、みんなうとくて分かりません。誰か教えていただけませんか?



花月のお料理(20)~これな~んだ!?

2020-08-02 06:09:11 | 花月のお料理
花月のお造りに「?」と首をかしげるものが入っていました。食べるとコリッとして美味しいのです。こんにゃくでもないし、何でしょう?

答は「海苔」です!「スイゼンジノリ(水前寺海苔)」というそうで、熊本産の淡水海苔です。朝倉市の野生動物保全地区にある貴重な食材です。2006年に絶滅危惧種A1類に指定されたそうです。「川茸」とも呼ばれるようで、この川茸は地域の会社で生産販売されています。川茸と川茸がとれる黄金川を地域住民が守り、環境保全にも取り組んでいらっしゃるようです。


料理長がそんなに大切な「水前寺海苔」をあしらえてくださったとはいえ、あくまでメインはお造りなんですよ。付け合わせの小物にも、かなりの手間をかけてくださる・・・さすが!花月です。

朝倉市には行ったことがあります。「美奈宜の杜」に友人がいて、関西から団体で尋ねて行きました。皆で一緒に、城下町「秋月」へも行きました。風と空気と水がとても綺麗な町でした。秋月は緑深く、城跡が残り、小川には美しい緑の藻が揺らいでいました。まもなく友達は天国へ行きましたが、とてもいい思い出です。



花月のお料理(19)~夏の八寸

2020-08-02 05:48:19 | 花月のお料理
梅雨も開けましたね。

ガラスの器も爽やかに、夏の八寸をいただきました。以前も書きましたが、八寸は宝石のよう、夏の宝石がちりばめられ「どれを食べようかな」とワクワクします。



紹介したいのは「丸十(まるじゅう)」。丸十とはサツマイモのことです。薩摩の家紋が丸に十の字を書いたものなので、サツマイモのことを丸十と呼ぶそうです。今回、丸十はレモン仕立て、サツマイモの甘味とレモンの酸味が良く合って、さっぱりといただきました。

今回夏の八寸は、お酢を使ったものが多く、「キュウリとしまあじの砧巻(きぬたまき)」や昆布巻きなども爽やかでした。トマトの煮込みを「ほおずきの実」に見立てたしつらえも、酸味をやわらげた味付けで上品でした。