須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のしつらえ(1)~秋から冬へ・書家・丹羽名甫作品とともに

2020-12-09 06:52:09 | 日記
花月の玄関回りは私が最も好きな場所です。
須磨観光ハウス「花月」は、「春の桜」、「秋の名月」をウリにする料理旅館(ホテル)ですが、冬のしつらえもステキです。

秋、少し前にはシックな書と紅葉やドングリを飾りつけてありましたのでご紹介しましょう。中央には素晴らしい書の作品、作品名は『月明かりに』。



この作品は英国王立美術協会の名誉会員 、書家で芸術家の丹羽名甫さんの作品でした。ここに「書」を飾ると、お茶室の床の間のような空間が現われて眼を引きます。この異空間、作品も凛として立つものが必要ですが、独特の空間にふさわしい個性的な書が飾らました。

そして12月に入ったので、新たに冬らしいしつらえに変わりました。一刀彫の仏像のような「サンタクロース」が珍しい!でもこれ、木ではありません。よくできています。



また「書」の作品も変わりました。
流れるような書だなと思っていたら、なんと作品名は『「流れて」─ 赤に寄せて ─』!!秋の作品はモノトーン主体のシックなものでしたが、冬の作品はクリスマスシーズンらしく赤・金・黒を使ったものに変わりました。



ご自身のブログで「私としてはもう少し赤の部分が少ない方が好みでしたが…」とおっしゃっていらっしゃいますが、色味のバランスも華やかですね。この作品は高評価を博し、パリのグループ展に出展なさった作品だそうです。

丹羽名甫の作品には、書の領域に留まらない本物の色気があります。アブストラクトでもなく書と称するだけでもない・・・絵でもなく字でもない・・・色濃い感覚が線と面になる、字を超越して溢れ出る。そんな作品です。

近くにアトリエがあるらしいので、一度取材に行ってみたいな~。




【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura


花月のお料理(42)~なんきん葛餅のお椀

2020-12-08 07:28:29 | 花月のお料理
関西と関東で葛餅が違うのはご存知ですか。

関西の葛餅は透明、いわゆる水饅頭ですね。関東の葛餅は白くてういろうのようなものです。私は関西人ですから関西水饅頭の方が好きですが、以前、川崎大師の近くで「名物・久寿餅 」をいただいたことがあります。

久寿餅はちょっと固めで、それ自体はあんまり味がありません。なので、黄な粉や黒蜜をかけていただきます。久寿餅は関西人にはなじみのない食感のお菓子ですが、「和菓子で唯一の発酵食品」だそうで優れた和菓子なんですね。

今回は「なんきん葛餅とほうじ茶麩」のお椀です。なんきんを吉野葛で固めたものです。「吉野葛」は万葉時代から吉野に自生し、安土桃山時代からお菓子として登場、江戸時代には宇陀のあたりの特産品となったようです。つまり吉野葛はぷるぷる界の大御所なんです。



冬はやはり南瓜ですね。ちょっぴり甘いなんきん葛餅、口の中で優しく広がる幸せ、つるりとした喉越し、うーん、いいですね!
このお椀をご覧ください。冬らしい落葉柄のお椀です。ホクホクとつるりのコラボ、あ~、素晴らしい!!!
また「吉野仕立て」と呼ばれる料理法とは汁物などに葛粉でとろみをつける調理法のこと をいうそうです。今度はこのお椀でとろみの吸い地をいただきたいものです。




【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura


花月のお料理(41)~胡麻豆腐・秋の果物仕立て・ランプフィッシュの卵

2020-12-07 06:53:44 | 花月のお料理
籠に盛った胡麻豆腐が出ました。
わ~い、かわいい~、キュートなしつらえです。



トッピングが「ざくろ」と「ブドウ」に見えませんか? 
若女将が「考えすぎ、かな?」とオチャメに答えてくれたので、考えすぎかもしれませんね(笑)そもそも和服と和食は季節先取りだと思うので、12月に入って秋の果物もないかな??

とはいえ、オレンジのいくらはブドウ房に、赤い中の粒々はザクロの実に見えなくもありません。

この粒々、「ランプフィッシュ」の卵だそうです。キャビアと似ていますが、ま、まず値段が全然違います。他のブログで見たのですが、食感の違いは「キャビアをいくら」とすると、「ランプフィッシュの卵は数の子」みたい・・・そうですね、プチプチしました。

キャビアのチョウザメは淡水魚(川で育つものと海で育ち遡上するものとがある)ですが、ランプフィッシュは海水魚ですので卵は塩味です。

最近の料理長の和食はキュートなものが多いです。女子受けやインスタ映え間違いなし!



【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura

猫梳き・好き・好き?

2020-12-06 11:16:53 | 猫の物語
花月猫ちゃん達、外飼いですからワイルドでなければ生きていけません。
しかし花月の招き猫でもあるので、身だしなみにはちょっと気をつけてほしいかな?と思いたち、「猫梳(す)き」をしてみることにしました。

まずは西エリア、ちゃんと我慢できれば高級カリカリをあげるというコンセプトで始めたのですが、そううまくはいきません。思った通りにいくわけない。

元飼い猫疑惑のあるウニ太郎は梳かれるのがとても好きでした。
太った背中を見せて「もっと梳け」と要求します。
順番があるので、高級カリカリをあげて次へ・・・行けません(泣)ウニ太郎が付きまとって背中を見せてきます。
ちょっと離れてくれたので「今だ!」と一生懸命他の子を梳いていると、後ろで高級カリカリの袋を噛んでいる音がガサゴソします。
ウニ太郎は高級カリカリの味に未練があるらしく、袋だけ噛んでいました。本当に食べると危ないので取り上げました。




最近、顔を見ると「撫でてくれ」と走ってきていたブラック、梳かれるのは大嫌いみたいです。
「それは何やねん?なんで背中スースーするねん?」といわんばかり。飛びあがって逃げていきます。私が櫛やブラシを持つと、振り向いて逃げ、もう甘えてきません。残念ですが、かなり嫌われ始めました。
高級カリカリもあげると食べますがあんまり欲がなく、それより櫛が嫌いなようです。気持ちよさそうに梳かれている他の子や、「梳いてくれ」としつこいウニ太郎を、遠目から不思議そうに眺めています。

ウニ太郎、モフ、春ちゃん、小春、東エリアから来ていたクマちゃん、ブラック、その他まだ名前を覚えていない子等々、西エリアは一通り終わりました。
中央エリアは誰もいません。いても、マリオなどは人見知りが激しいので難しいでしょう。東エリアへと移動します。

チロ&バンも長毛なので頭の後ろなどが汚れやすく、すぐに毛玉ができます。前からとても気になっていました。毛玉を櫛でとらないといけません。
チロはいませんでしたが、バンちゃんはすぐに見つかりました。この兄弟、最近あまり仲が良くないそうです。バンちゃん、脚は短いのですが、おデブ・顔デカの長毛なので、かなり梳きがいがあります。ロロちゃんはやんちゃでじっとしていないのですが、押さえて何とか梳きました。

そこにウニ太郎登場!? 高級カリカリと梳き櫛を追って、珍しく西エリアから遠征してきたのです!当然、バンちゃんと一発触発の危機が!動画をごらんください。目を逸らし、クチャクチャ言っているウニ太郎が負け???喧嘩して怪我をしてほしくなかったので、総料理長手作りの猫じゃらしを使って、割って入りました。




その後、ウニ太郎は更にちょっと梳いてもらって、もう一度少しだけ高級カリカリを食べると出張ってこなくなりました。チャンス!!バンちゃんを徹底的に梳きます。

バンちゃん、ツヤツヤ・フワフワになりました。毛梳きが大好きなようで、お腹も梳かせてくれました。
夕方、寒くなって来たので、若女将が様子を見に来てくださいました。喜んでブンブン尻尾を振りまわし、扇のように風を起こすバンちゃん!若女将は「バン、寒い寒い」と言ってました。バンちゃんは梳き好きですね、

ブラック・・・どうにかなるかなぁ???


【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura

花月のお料理(40)~うずら卵の石垣細工

2020-12-06 10:31:17 | 花月のお料理
会席料理には「あしらい」というものがあるようですね。
器に盛りつけた料理を、引き立てる目的で添える「野菜類や花」などの総称だそうです。

うずら卵は細工料理に向いている食材で、果物や花、おめでたい鶴などに細工され、メイン料理のあしらいとして使われるようですが、手間暇を考えてみると、あしらいとはいえ、かなり贅沢なお料理だと思います。

(「日本料理、会席・懐石案内所」より)

ところで「うずら卵の石垣」はどうやって作るの?
少し残念に思いながらバラしていくと、結構考えて組み合わされています。ルービックキューブみたいです。仲居さんが料理長に作り方を聞いてくださいました。



押し寿司の型にきっちり入れてつくるそうです。それを真ん中から切るんだなと思いました。それで石垣のように見えるか? それは入れ方次第なんでしょう。そこが料理長のセンスなんですね。



卵は細工がしやすい高たんぱく食材ですので、お弁当を可愛らしく引き立てる一品として家庭で応用されるのもいいのでは!

石垣に見えるか、亀の甲に見えるか?タコの吸盤に見えるか?作る人のセンスによって、素人でも工夫できる一品かも知れません。

オマケ!!花ちゃんのへそ天しゃしんです!




【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura