須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

近代建築見て歩き(2)~「黒い海峡」とジャスミン突進乱入事件

2021-03-09 00:00:43 | 日記
NHK講座「近代建築見て歩き」(講師:京都工芸繊維大学大学院助教 笠原一人先生) の続きです。
笠原先生に教えていただいたのですが、石原裕次郎主演の「黒い海峡」という映画が、須磨観光ハウスで撮影されたようです。1階の元々のレストランは今の半分ほどの広さで、その外側にはテラスがありました。瀟洒なテラスでは時々映画も撮影されたようですね。テラスを室内化する前の様子も映画ではよく分かります。

以下の画像は同DVDから。ちなみに観光ハウスは敵のヤクザの親分の邸宅という設定です。




石原裕次郎シアター DVDコレクション 12号 『黒い海峡』より

ところで皆さんご存知ですか?
石原裕次郎さんやお兄さんの慎太郎さんは東京でなく、神戸市須磨区生まれなんですよ。お二人のお父様は商船三井のご勤務でしたので、裕次郎さんは海を親しみ、ヨットマンとしても活躍されました。

ヤクザ映画「黒い海峡」でも海の景色が眺められます。愛新覚羅溥傑が詩を詠み、藤田男爵が風流を愛でた景色と、全く同じ景色でもあるのが何とも言えませんね。

先の見て歩き、受講生の皆さまは好奇心旺盛で、中川一政や安東聖空の作品等もご覧になったり、関西空港までの景色も楽しまれました。そして、お風呂もご覧になりました。花月のお風呂は温泉ですよ!

ここのお風呂の造りは少し変わっていて、家族風呂としても楽しめるように、外からの入り口もあります。受講生の方で外に回って入ってみたい方がいらっしゃったのでしょうね。その時、多分、入口近くにいただろうジャスミンが急に開いた扉と人数に慌てふためき、水にハマってびちゃびちゃになりながら、生れて初めてお風呂の階段を駆け上がったようです。

「想像するとちょっと笑える」と若女将の弁(笑)・・・しかし、当のジャスミンは必死で本館へ駆け抜け、下に降りずに2階へ駆け上がり、ロープウェイと桜が望める牡丹の間へと突進乱入!!!!!
折しも笠原先生のご説明の真っただ中、集団のど真ん中に乱入し、座卓の下にダイブ!!!お尻だけ見せて潜っているジャスミンに皆さんは大喜び!!水も滴るいい女!!



観光ハウス「花月」でお泊りいただけるお部屋は6つのみ、隠れ屋的な存在なので、以前には故・森繁久彌さんら芸能人も時々お忍びで来られたそうです。そして座敷童伝説の「竹の間」にはよく泊まられたそうです。もしかしたら芸能人の皆さんにも、幸運が来たのかも知れませんね。

座敷童さまには何度でもお出ましいただきたいものですが、ジャスミンは一度でこりごりだと思ったかな?この時ばかりは捕まえた後、ストーブの近くに行ってタオルで身体をよく拭きました。

座敷童さまならぬ、招き猫のお出ましに、コロナ禍終了後の「千客万来」を願いたいものです!
ね、お願いね、ジャスミン!!



【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura


花月のお料理(54)~千鳥(ちどり)

2021-03-07 12:01:39 | 花月のお料理
おまかせ和定食「千鳥(ちどり)」(税別3,000円)はランチコースではありません。昼夜共にお楽しみいただけます。



ワンプレートで量も多すぎず、値段もリーズナブル。洒落たお昼ご飯にも、ちょっとした夕食にも幅広くお求めいただけます。
小鉢2品・造里・煮物・焼物・椀物・御飯・香の物・デザート・・・和の粋をふんだんに盛り込みながらも、手軽に楽しめる和定食です。デザートは女性に嬉しいですね!



この日はジュレ風の貝に桜餅を合わせた早春のお椀が、春を季節を先取りする仕立てでした。ヌタも若葉色に鮮やかで、さっぱりと美味しくいただきました。春よ来い!早く来い~。食材の季節感を大事に、色や変化を楽しみ、美しく仕上げる料理長の技はさすが!です。



ご飯の上、アサリの佃煮に注目!自家製ですが、これから売り出すかも。甘くもなく塩辛くもない、けれどもご飯の最高のおともです。
花月でもコロナ後のあり方を模索する日々が続きます。



最後にアップで千鳥のお料理をお楽しみください!!








【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura

近代建築見て歩き(1)~座敷童さま

2021-03-07 11:08:50 | 日記
2月19日金曜日、須磨観光ハウスは、NHK講座「近代建築見て歩き」(講師:京都工芸繊維大学大学院助教 笠原一人先生)の見学で受講生の皆さま約30名のご来訪を受けました。

《講座の説明》NHK文化センター神戸教室HPより
一言で近代の建築といっても様々な意匠のものがあります。様式的なもの、アールデコ風のもの、装飾を持たないモダンなもの。
この講座では、関西に現存する近代建築の中から様々な意匠の作品を選んで訪ねます。近代建築を見ることで、建てられた時代、使われた時代を知り、携わった建築家の息吹きや建物の多様さを感じ取ります。

講師の笠原先生はこの道の第一人者で、youtubeでも近代建築の説明をご提供なさっています。興味のある方はお探しになってみるのも楽しいかと思います。

さて、お天気も良かった2月19日です。まずはお庭から外観に注目。それからご入館いただき、ロビーや階段、お部屋の内装や調度品などをご覧いただいたあと、ケーキセットでおくつろぎいただきました。





今まで「昭和レトロホテルの代表格」「須磨浦公園(1)~昭和の歴史」「『花月』70年を越える歴史」「須磨観光ハウス80年を越える歴史」「昭和12年の須磨観光ハウスメニュー」等、須磨観光ハウス「花月」の魅力を私なりに紹介して来たので、再度そちらをご覧いただくと、この建物に素晴らしい価値があることを、きっとお分かりいただけるはずです。



今回、知ったことは以下の3つです。
1 階段左手すり下に焼夷弾の跡がある
2 梅の間の作りつけ下駄箱は「網代あみの下駄箱」で珍しい
3 竹の間のガラスのデザインが秀逸

一番奥の竹の間は、文字通り竹を使った落ち着いたしつらえのお部屋ですが、なんと!「座敷童伝説」もあります。この部屋には私も何か不思議な力を感じたことがあります。
マネちゃん曰く、「だから観光ハウスは80年以上、花月は70年以上続いて来たんだ、守ってくれるものがあるからだ」とのこと。座敷童さま、どうぞこれからも須磨観光ハウス花月をお守りください。
そうか・・・マネちゃんはこの家で育った、この家の子供でしたね。座敷童さまは旧来の友人としてずっと懐かしく見守ってくださるのかもしれません。





【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura


猫と漢方薬

2021-03-04 20:16:43 | 猫の物語
春が近づいていますが、西エリアの花月猫ちゃん達の間で風邪が流行り始めました。元々体の弱いジャスミンやモフはお医者さんで注射をしてもらいました。その他の子には獣医さんからいただいた抗生剤を薄くを混ぜた餌をやったり、目やにがひどいので後ろからサッと軟膏をぬったり、そして!私のお薦めの「補中益気湯」をご飯に混ぜたりしています。早く治れ~、モフの咳がひどいので結構心配です・・・。

ここで!私にとって大切なホームドクターのお一人を紹介します。

阪神西宮駅近く、内科・漢方内科・アレルギー科 「松川医院」を構える松川義純先生です。元々お会いしたのはすでに20年以上前、兵庫県立尼崎病院東洋医学科の部長さんでしたが、少し早目に退職され「松川医院」を開業されました。 

松川医院
内科・漢方内科・アレルギー科 
西宮市馬場町1-2-103  電話 0798-22-0070 
休診 土曜日午後、水曜日、日曜日、祝日

『漢方の基礎はコミュニケーションである』が持論の先生を、私は心から尊敬しています。ご出身は消化器内科で、西洋医学の知識も兼ね備えた方です。

漢方治療では、問診に加え、脈診、舌の色、お腹の触診、血圧の測定や聴診などが主ですが、松川先生は東洋・西洋両側の視点から患者の特性を理解し、最適な漢方薬を調合してくださいます。体調とは日々刻々と変化するもの、だから最低月一回は顔を合わせて診療した方がいい、その意味でも「治療とはコミュニケーションそのもの」という先生の持論が光ります。

また歳を重ねてくると周りに弱音を吐きにくくなるので、最近では松川先生に、よく精神的なサポートもしていただいているのです。体調が崩れる時には心、精神、気力等も大きく関係します。ストレス、辛い出来事などが引き金となって体調不良を起こすこともままあります。松川先生は我慢強く、患者の本音を聞いてくださり、「心のバランス」もアドバイスしてくださいます。

癌で亡くなった父の枕元には最期まで「補中益気湯」がありました。末期癌の父にとっても松川先生とお会いする時間が心の支えでした。父の残した最後の薬を桜の根元に撒きました。補中益気湯・・・医王薬といわれる薬、元気になる薬、亡くなるまで何度も父は癌検査の一貫で血液検査を受けましたが、NK細胞が最後まで高かったのは補中益気湯のおかげだと信じています。


今回の猫の漢方話は私の経験に基づくもので、薬効については個人の見解、責任を持てませんのでよろしくご理解ください。

さて、我が家の歴代の猫たちは、みんな保護猫です。タダほど高いものはない(笑)・・・それぞれ「慢性腎不全」「猫伝染性腹膜炎(猫コロナ)」「歯肉炎」「巨大結腸症とそれに伴う便秘」等になりました。

主なドクターはもちろん動物病院の先生で、長年親身になって治療してくださいました。また中期・末期腎臓病対応食や各種サプリ、妊婦さんが飲む食品成分の便秘シロップ等、調査研究も一生懸命してくださいました。腎臓病の子の最末期には自宅で日に2回皮下点滴注を自分でしていたのも懐かしい思い出です。

加えて「自己責任で・・・」という形で、松川先生にもよくアドバイスをいただきました。猫の漢方治療、エビデンスはないけど一定の効果があったと思っていますし、松川先生に報告すると喜んでくださいました。

まず、上述の『補中益気湯』
人間も猫も元気になる薬、軽い風邪ぐらいは飛んでいきます。合わせて飲むと薬効を高めるらしく、時々組み合わせてやっていました。

『六味丸』『八味丸』
慢性腎臓病のため。冬の寒い時期や末期には身体を温める八味丸に変えました。八味丸は夜中によく尿意が起こるため眠れない人にも処方されたりしますね。

『排膿散及湯』
猫の歯肉炎、歯の良しあしの個体差ってなんでこんなに違うのか・・・歯に関しては、人間も猫も個体差が大きいのは同じかもしれませんけどね。とはいえ猫はそもそも虫歯になりにくいので、歯の症状は主に歯肉炎です。ガーゼで拭いたり、歯磨きしたり努力しましたが、残念ながら体質に勝るものなしでした。しかし排膿散及湯で歯肉炎は多少治まる気がします。ただし、猫の血栓は歯肉炎からも飛ぶらしいので、あまり悪くなったら「歯を抜いてしまう方がよかったかも」と後悔している一面もあります。本当に難しい・・・何が正解か分かりません。

『六君子湯』
「猫伝染性腹膜炎(猫コロナ)で安楽死と言われてるんですぅ」と知人に言われ、その猫を引き取りました。ニャン生末期のお薬、食が細く吐き気がある時に。胃腸に効果がある薬でした。もっと早く会いたかったね。

『猪苓湯』
上記の子は1年7ケ月を過ごしたのですが、血尿・膀胱炎が治りませんでした。膀胱炎の薬です。

『麻子仁丸』
長年お世話になりました。巨大結腸症の子に最期まで使いました。けれど麻子仁丸だけではウンチは出なかったと思います。食べ物は「消化器サポート食」を主に、時々ほんの少し美味しいものを。可哀想だけど生きるためにはグルメは我慢です。薬やサプリは数え切れないほど様々なものを試してやってみました。命は11歳と少し・・・短かったけど良いニャン生でした。頑張ったね。


猫はみんな漢方薬を嫌がって飲みません。私は4号のカプセルに詰めて飲ませていました。猫と人間の体重を比較すると大体60キロ:3キロで、20分の一の分量が適当だと判断しました。4号だとそれぐらいになります。

小量なのでそんなにお金はかかりませんが、漢方薬は処方箋がないと売ってくれないところもあります。
繰り返しますが、以上は私の体験談であり、責任は持つことができませんので、くれぐれもよろしくお願いします。

今日も猫ちゃんの健康と幸せを祈りましょう!そして他の命を尊ぶためにも、まず自分の健康を守り続けていきたいと思っています。

ずっと松川先生に感謝!!日々の健康を見守っていただき、ありがとうございます。




【公式】神戸須磨の会席料理ランチ・ディナー │ 味と宿 花月
ホームページhttps://www.suma-kagetsu.com
Facebookhttps://www.facebook.com/suma.kagetsu.sakura