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「一票の格差」は衆院で最大2,524倍、参院の選挙区では5,126倍にも上っていることが総務省の試算で明らかになりました。これを受けて最高裁判所でも各地の裁判所でも「憲法違反の状態」と認める判決が相次いでいます。
1、得票が4割しかなくて、7割の議席を得ている民主党!
政権交代となった09年衆議院選挙では民主党は”4割台”の得票で”7割の議席”を得ています。民主党は小選挙区の得票率は47,4%で過半数に達していません。しかし議席占有率は73,7%にもなっているのです。こうした現象はすべて「小選挙区制」が原因になっています。
05年衆院選で自民党(小泉選挙)が得た296議席のうち219議席は小選挙区によるものです。小選挙区での自民党の得票率は47,8%でしたが議席占有率は73%にもはねあがっているのです
こうした一方的に偏った選挙制度は1990年代の財界の意向「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)により生まれたものです。財界は自分たちの利益以外は反映することのない2大政党(どちらも財界のご用伺い政党)を進め、2大政党だけに有利な選挙制度として、「小選挙区制」を導入したのです。
「小選挙区制」は財界を背景にした大政党しか当選することができない制度です。
逆に国民の声を反映しても、中小政党は全て切り捨てられ、議席には結びつくことができない制度になっているのです。
2、死票の山を生み出している「「小選挙区制」!
(目的は力の強いアメリカと財界の意向だけを反映するため)
「小選挙区制」では各選挙区内では最も力のある(金と権力のある)最大候補者1人しか当選できません。
そのためそれ以外の候補者の得票は全て無効になってしまいます。
たとえば、5人(5党が争う選挙区で最大得票が5万票、2位以下4人(4党)の得票が15万票となっても議席に結びつくのは5万票だけです。残りの15万票の声は切り捨てられることになります。 この場合有効投票数に対する「死に票」の割合は75%にもなります。 |
「小選挙区制」はたえず投票の半数を切り捨ててきたのです。この意味は力(権力)のあるアメリカと財界の影響下にある大政党だけが、極端に議席に結びつく制度となっていることです。
その結果中小政党の声(議席)は切り捨てられ、政治に全く反映することがありません。
大政党(財界ご用政党)は財界からたっぷりと政治献金を受けているため、財界の経済成長だけを最優先する政治になっているのです。
逆に国民の税金はアメリカと財界のために吸い上げられ、国民の生活を守るためには回ってこない(国民の声が反映しない)ということです。
3、日本の「小選挙区制」は財界の意向で作られた!
(国民の大多数の声を切り捨てる選挙システム)
もともと「小選挙区制」は財界(日本経団連、経済同友会)の意向で作られたものです。(1994年、財界主体の「民間政治臨調」が中心になって進められた)
日本ではそれまで中選挙区制であった選挙制度を財界の意向を受けて1994年に導入されました。日本国民の(税金)をアメリカと財界のためだけに貢ぐための選挙システム作りです。どちらにしても財界の声しか反映することのない、アメリカのような「2大政党作り」を目指したのです。
この2大政党のために、自民、民主党どちらにしても、国民の大多数が反対している(TPP、消費税値上げ、原発再稼働等)には耳を傾けず、なりふりかまわず、全てアメリカや財界の利益優先の政治を行っています。(注、自民も民主も政策は全く同じ=アメリカ追随、財界擁護)
このために国民の声(民意)は届かず、国民生活は犠牲にされているのです。
政治権力はまた国営放送(NHK)やマスコミにも規制や資金的な圧力をかけ、都合の悪いことは隠し、逆に政策(国策)を国民に浸透させるために利用しています。(情報操作)
しかし国民生活本位の政治を行うことが決してないために、国民の間には不人気で、総理大臣が毎年変わる現象が続いているのです。
4、「身を切る」(比例代表の削減)は、「民意」の国会反映の切り捨て!
(民主党の「身を切る」は党利党略の口実!)
今民主党は「身を切る」(比例定数の削減)と、自分たちがさも痛みを受けるかのように宣伝しています。しかし国費を浮かすことが目的ならば、たとえ民主党が言っている衆院比例を80削減をしても、節約できる額はたったの56億円にすぎません。
本当に節約するつもりなら、選挙の名目で何でも使える(接待=ゴルフ、キャバクラ、旅行、事務所費、マンガ本、下着ありありの)「政党助成金」(年320億円)を廃止するべきです。
比例代表制だけが「民意」を滞ることなく、正確に、直接に、反映することができます。日本の国でこれだけ国会に「民意」が反映しないのは「小選挙区制」の選挙制度に原因があります。昨今「歪んだ民意」が流行るのもこの「小選挙区制」が原因です。比例定数を削減するならばますます「民意」が反映しなくなることは一目瞭然です。
5、「比例代表制」が国民の声を滞りなく、正確に、直接に、伝えることができる!
(世界の大半の選挙制度は「比例代表制」!世界の流れは「比例代表制」へ!)
比例代表制はすべての投票が議席に結びつき、「死票」は生まれません。そのため西欧では8割が比例代表制を取っています。北欧5ヵ国は全部が比例代表制で世界の選挙制度は比例代表制へという流れです。
イタリアでは2005年に小選挙区制から「比例代表制」へ改革が行われました。ドイツでは小選挙区比例代表併用制ですが、日本の小選挙区比例代表制とは基本的に違い、ドイツの併用制は各政党への議席配分は比例によって決まり、基本的に比例制度になっています。
イギリスでも2011年5月の総選挙で与党の労働党が破れ、保守党も過半数を取れない結果となり2大政党制への不信が示されました。その結果、小選挙区制の見直しの動きが広まっています。
日本の国だけが、比例代表制の定数を削減し、小選挙区制を強めています。
(注)上図の各国下院は日本の衆院にあたる。