検証!原発!(30) | 検証!原発!part2(10) | 消費税の本質(16) | 財界の内部留保と法人税 |
政治とカネ (8) | 新自由主義とTPP(4) | 橋下「維新の会」の正体(10) | 書籍案内(50)選 |
サルでもわかる選挙制度(8) | 小沢一郎の罪(4) | 社会保障 |
1、「情報提供不足」の「最高裁判官」投票方式!
「裁判官の経歴情報」もなし、「投票方法説明」なしで投票実施!
昨年12月16日(日)、衆議院総選挙と同時に、最高裁裁判官10名の国民投票が行われました。結果は罷免裁判官の罷免率およそ8%前後で、全員罷免なしでした。
Q (これは喜ぶことなのだろうか? それとも悲しいでき事なのだろうか?)
◆国民審査の制度は最高裁判所によって骨抜き状態!(形骸化)
しかしこの「最高裁判官審査」投票は極めて重要な意味を持つにも関わらず、儀式的、形骸化して、「司法」の役割を軽んじているものとなっています。
その理由は、何よりも国民が審査しなければならない「裁判官の経歴」情報もなし、「投票用紙の記入の仕方」の説明も一切ないことです。
最高裁は市町村の選挙管理委員会を通じて「最高裁判官審査広報」を全有権者に事前に配布していると言いますが、60歳を越える私は今だに見たことがありません。(場所によってまばらな様です)
又ジャーナリストの江川紹子氏にして、そこに書かれている「最高裁において関与した主要な裁判」を読んでも、判決の意義や裁判官の判断について評価できるのは、法律の専門家くらいではないか。」といいます。
最高裁判所裁判官国民審査
最高裁の「国民審査」をどうする?(江川紹子)
■何も書かずに、白票で入れると「全員信任票」!説明なし
「最高裁判官国民投票」は罷免方式で、「何も書かない」投票を「信任」したものと擬制する仕組みです。
棄権したい者や、対象裁判官のことをほとんど知らない者、信任に値するか否か判断できない者も、「何も書かないで投票」した場合には、全て信任したものとみなされるのです。
信任の場合は「白票」、不信任の場合は「×」です。「○」は無効となります。
棄権する場合は、投票用紙を受け取らないこと。受け取った場合は返すか、投票箱に入れずに持って帰ること。
しかしろくな説明文も、選挙管理委員会の説明も全くありません。「審査広報」にも投票方法の説明は全く書いていません。
したがって大半の有権者は、実は「裁判官の情報」も「投票の仕方」もわかっていないで投票している(させられている)のです。
わからないからと言って、そのまま(白紙のまま)投票箱に入れる人は、それはそれで全て信任票になっているのです。
また選管の中には、有権者に国民審査の投票用紙を渡す際に「分からなかったら、そのまま何も書かずに(投票箱に)入れて下さい」と言い、何も事情を知らない有権者を故意に誘導して裁判官全員を“信任”させる職員がいるという報告が多数寄せられています。
「最高裁判官」国民審査の『重要性』と誰も教えてくれない『棄権の方法』
2、最高裁の「違憲状態」判決は重大!「一票の格差」
政府に放置され続け、昨年衆院選で「格差」はさらに拡大!
最高裁大法廷は2011年3月に「1票の格差」が最大2・30倍となった09年8月の衆院選は違憲状態と判断しました。
それにもかかわらず、立法府(国会)と行政府(政府)は放置し続けたために、昨年12月の衆院選で格差は最大2・43倍に拡大してしまいました。
2013年に入り、昨年12月の総選挙をめぐり、全国から16件の選挙無効訴訟が起こされました。
小選挙区の「1票の格差」が2・43倍だった昨年12月の総選挙は「法の下の平等」に反すると訴えられた裁判で、各地の高等裁判所で2件が「違憲で選挙は無効」、12件で「違憲だが選挙は有効」、2件で「違憲状態」と判決しました。
裁判は今後最高裁判所で審理される予定ですが、「違憲」に加え、選挙自体が「無効」と判決されたのは重大です。
政府は小手先の「定数是正」で誤魔化すのではなく、根源である小選挙区制を廃止し、比例代表制を中心に、抜本的な選挙制度改革に踏み出すべきです。
◆「無効」判決の重み
衆院の選挙制度のうち小選挙区制について、最高裁はすでに2011年3月、09年8月の総選挙に対して「違憲状態」と判決していました。
さらに2013年に入り、各地の高裁が相次いで「違憲」と判決したのは最高裁の「違憲状態」判決をさらに進めたものです。
これまでの選挙でも高裁が「違憲」と判決することはありましたが、その場合も混乱を避けるなどの理由で選挙が「無効」とされることはありませんでした。
今回二つの高裁が(選挙)「無効」と判決したのは、小選挙区制のもとでの「1票の格差」が一刻も放置できない段階にあることを示すものです。
3、最高裁、見直し迫る!格差を放置、開き直る政治!
◆「一票の格差」5倍は違憲状態!参議院
〈以下は2013年4月27日、日経新聞からです。〉
「1票の格差」が最大5.00倍だった2010年7月の参院選選挙区の定数配分は違憲として、弁護士らが各地の選挙管理委員会に選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は17日、「違憲状態」との判断を示した。
一方、定数配分の是正にかかる合理的期間は過ぎていないとして結論は違憲とせず、選挙のやり直しを求めた原告らの請求は退けた。
最高裁が参院選の定数配分を違憲状態と判断したのは、1992年参院選を巡る大法廷判決(96年9月)以来、2度目。2009年の前回衆院選についても違憲状態としており、両院とも違憲状態という異例の事態となっています。今夏の参院選に向け、国会は早急な選挙制度改革を迫られています。
なお大法廷は15人の裁判官で構成され、判決は多数意見となりました。
◆「憲法違反を続ける政治」!
司法府(最高裁)は役割を果せるのか?(真価が試される時代!)
「一票の格差」では最高裁は衆、参議院の両院とも揃って「違憲状態」との判決を下していました。
しかし最高裁の重なる警告にもかかわらず、昨年12月の総選挙でも、政府は開き直り続け(司法府を無視続け)、格差を放置し続けてきました。
これを受けて最高裁はどのように判決を下すのでしょうか?
既に2013年3月には上記のように、昨年12月の総選挙をめぐっては、全国から16件の選挙無効訴訟が起こされました。
各地の高等裁判所では2件で「違憲で選挙は無効」、12件で「違憲だが選挙は有効」、2件で「違憲状態」と判決されています。
「小選挙区制」の区割りにより放置し続けてきた「一票の格差」は誰が見ても「憲法違反」であり、大政党の党利党略と政治の怠慢です。
三権分立の民主主義として、独立した司法府として、「最高裁」は「憲法違反を続ける政治」を咎めることができるのでしょうか?真価が試される時代に入っています。
国民の大きな期待が寄せられています。