「青空の社会学」

小選挙区制はトリックの選挙制度です。
比例代表制が民意を鏡のように反映させます。

☆暴走する安部政権(9)! アベノミクスの崩壊!その3 異次元の金融緩和(第1の矢)の正体!

2014年08月31日 | 政治
☆「青空の社会学」 目録(リンク)

★「異次元(無制限)の金融緩和」の正体! 〈第1の矢〉






★「異次元(無制限)の金融緩和」正体! 〈第1の矢〉

安部晋三(現)首相は2012年暮れの総選挙の中で次のように語っています。
「日銀と政策アコードを結び、(建設)国債を全部かってもらう」(熊本市)、「3%(物価目標)を達成するまでは基本的に無制限に金融緩和していただく」(山口市)

安倍首相は政府と日銀の協定を締結し、政府の方針に沿った日銀人事に替えるとまで言い、受け入れない場合には日銀法を改正するとまで言明しました。

  

これは実際には日銀法改正や日銀総裁人事を¨人質¨にとって、日銀を恫喝し、無理にでも(「日銀の独立性の尊重」を犯して)無制限に金融緩和をやらせようということです。

安倍首相の思惑通り日銀総裁は白川総裁から黒田東彦総裁に変えられました。



1、「無制限の金融緩和」の目的。
(低下する「自民党支持の歯止め」と「大資本への資金供給」)


2012年12月の総選挙では、自民党が勝ったとはいえそれは「小選挙区制」の効果(水増し議席)によるものです。自民党の実際の支持率は歴史上最低を記録しています。(15、9%)
「小選挙区制」により、たった15、9%の支持率で自民党は3倍以上の議席を維持しているのが実態です。従って政権はとても国民の民意を反映している政権とは言えません。



(政権維持のため「株価操作」と「巨額公共事業のばらまき」)


安倍自民党政権は支持率を確保するためには従来にも増した巨額の「公共事業のバラマキ」と景気回復の指標としての(数字上だけの)株価の上昇が必要です。(株価の指標は内閣の支持率に直接反映します)

そのために政府は巨額の資金(国債=借金)を必要とし、日銀を利用し、買い取らせたのです。

★未曾有の「国土強靱化計画」(10年間で200兆円) ⇒ 〈第2の矢〉

日銀はこれまでも「金融緩和」政策を取り続けてきましたが、安倍政権になってさらに異次元の(無制限の)「金融緩和」に突入しました。
日銀が国債やETF(株価指数連動型上場投資信託)、Jリート(不動産投資信託)を大量に買い入れたために投機筋は買い入れを増やし、株価は値上がりました。

☆増え続ける日銀の保有資産!(日本政府からの借金肩代わり)



しかし安部政権によるこうした「株価操作」で儲けたのは一握りの富裕層だけです。
株は一時的に跳ね上がっても、実体経済が伴わないため、見せかけの(数字上の)景気回復に過ぎません。
そのため現在は物価が上がり(燃料、材料費など)、実質賃金が下落しているために国民の生活は窮乏が進んでいます。



2、〈異次元緩和から1年半〉
(「実体経済の一層の空洞化」!)


日銀の異次元緩和から1年半が過ぎましたが、株価は値上がりし、安倍政権はこれまで50%前後の支持率を確保してきました。
これはひとえに政府の巨額の公共事業のバラマキと、日銀による無制限の国債買い入れなど(株価操作)のためです。
しかし日本経済は回復したわけではなく、空洞化は一層進んでいます。



実質賃金は上がらず、4月には「消費税の増税」が行われたために、この8月にはGDPは大幅に下落し、「個人消費」は最悪を記録しています。(内閣府公表)
景気を示す指標は全てが下落しています。



結局「株価の値上がり」は(意図的に作りだされた)見せかけの「景気回復」に過ぎず、実態は「大不況」の様を呈しています。
結局「異次元(無制限)の金融緩和」は一時的な(痛みを和らげる)モルヒネにすぎず、日本経済の空洞化を進めるだけで、恩恵を受けるのは大富裕層だけです。



3、〈異次元緩和(モルヒネ)からの出口が見えず〉


「日本の財政」はこれまでも「赤字(借金)財政」が進んできました。既に一般会計予算のおよそ半分を国債(借金)の返済に充てています。
安倍政権の「異次元(無制限)の金融緩和」はこの国債(借金)を減らそうとするどころか、無制限にまで広げていこうとする危険極まりない行為です。

〈モルヒネ〉


しかも日銀による「国債の(直接の)無制限の購入」は財政法第5条で固く禁止されているものです。こうしたやり方は間違いなく、今でさえ破綻している日本の財政秩序は取り返しがつかなくなります。

しかも日銀によって、一度大量に市場に投入された国債等は、引き上げようとすると、国債は支えを失い暴落します。こうなれば暴落する国債には投資家は見向きもせず、国債の価格は下落します。

「異次元(無制限)の金融緩和」はいったん始めたら止めることができないモルヒネで、滅びるまでに出口はありません。



4、大手金融機関止まりの貸出!(瀕死の状態の中小企業)

「異次元(無制限)の金融緩和」は「金融機関によって貸出が増え、経済活動が活発になる」というふれこみでしたが
実際には貸出は殆ど増えていません。

日銀がいくらマネタリーベース(市場に供給するお金の量)を増やしても、実際は大手金融機関で止つているからです。
三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大銀行の中小企業向けの貸出は、金額、比率共に減っています。

日本企業の99%は中小企業です。日銀が供給したお金は結局大手金融機関のもとに溜まって、中小企業には回ってこないのです。



それどころか安倍政権は「成長戦略」の名のもとで中小企業の淘汰に乗りだそうとしています。
結局潤うことができるのは、大手金融機関とグローバル企業だけで、中小企業は瀕死の状態が続いています。

結果「日本経済の空洞化」と「実体経済の空洞化」は進むのみです。雇用は不安定になり、「国民生活」の窮乏はさらに続きます。



☆暴走する安倍政権!(8) 〈特報版〉明らかになった安倍外遊の中味!

2014年08月30日 | 政治
☆「青空の社会学」 目録(リンク)

☆安倍首相外遊!=武器、原発売り込みが中心!
 
(「経団連」榊原会長を筆頭に、のべ445社、1245人が同行)



1、安倍外遊の正体!(軍需、原発メーカーがずらりと同行!)
  (世界にまき散らす「原発」と「軍需兵器」!)


安部晋三首相は2012年12月の就任以来23回の外遊で、のべ54ヵ国を訪問し、その多くで財界人を引き連れて「トップセールス」を展開してきました。中心的な商品は「原発」と「軍需兵器」です。

こうした安倍首相の外遊の(最も大事な)中味については、NHKを初めとしたマスコミはあまり報道しませんでした。
しかし日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の調べでは、安倍首相の外遊に同行した大企業関係者は、445社、1245人にも上っています。



外遊に同行した企業には、三菱重工、東芝、日立制作所、川崎重工、日本電気、IHIなどの原発、軍需メーカーや大成建設、鹿島建設、大林組などの大手ゼネコンがずらりと名を連ねています。



福島原発の事故を受けて、日本国内の原発新増設が見込めなくなる中で、原子炉メーカーは海外に活路を開こうとしています。
そのトップセールスの先頭に立ったのは安倍首相の外遊でした。



2、「防衛」と「安全保障」交流を名目にした「武器売り込み」!
  (「武器輸出三原則」を安倍首相自らが解禁!)


安倍政権は4月1日、「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」を閣議決定をしました。
これまでの「武器輸出三原則」は、日本の武器や軍事技術が海外の戦場で使われないように輸出を禁止した、憲法と共に日本の平和主義を象徴するものでした。

しかし安倍政権のこの閣議決定で、軍需産業の輸出に風穴が開けられ、日本の軍需兵器の輸出が可能になりました。



自らが閣議決定した「武器輸出」が解禁されるや、安倍首相はさっそく軍需メーカーを引き連れてトップセールスを展開してきました。
原発や軍需産業は巨額な利権が動き、儲かるためです。

こうした売り込み活動には日本のODE(政府開発援助)など日本国民の税金が利用されています。
しかし利潤を得ることのできるのは、一握りの原発や軍需メーカーとその利権者だけです。

1%の(軍需)利権のために世界中の人々が甚大な被害を受けます。多くの人々の命が流されます。
またそうした戦争や紛争に、日本国民が利用されたことになります。


☆「死の商人」の行為

日本政府(首相自ら)が原発や軍需産業のトップセールスに走るのは、世界中に「核」や「軍需兵器」をばらまく行為であり、「死の商人」の行為です。
まさにカネさえ儲かれば何でもやるという「死の商人」の行為です。



☆暴走する安部政権(7)! アベノミクスの崩壊!その2 最初から外れている矢!

2014年08月28日 | 政治
☆「青空の社会学」 目録(リンク)

☆最初から外れている「アベノミクスの矢」!

「平和外交」

1、最初から的が外れているアベノミクス!(アベコベの矢)
 (不況の原因は、実態経済の空洞化!大企業の多国籍化!)


アベノミクスは最初から的が外れています。それは不況の原因は、「デフレ」だとしたことです。アベノミクスは「デフレからの脱出」に的を絞ったのです。

確かにこの20年の間デフレ状況が続いてきました。しかし
この「デフレ不況」は構造改革、緊縮財政策により日本政府自らが作りだしてきたものです。(日本政府の「新自由主義政策」)

☆「グローバル企業支援」⇒「日本(実態)経済の空洞化」!
 (「成長戦略」は「国民生活破壊」の政策)


日本政府の
「新自由主義政策」(「グローバル企業の成長戦略」)により大企業の海外進出は後を絶ちません。その結果日本国内の産業は空洞化し、実体経済は破壊されました。
実体経済の破壊により、多くの労働者はリストラされ、非正規雇用が拡大し、国内の需要はどん底に陥りました。

「新自由主義政策」(「成長戦略」、「国際競争力の強化」)からの脱却を!
(「国内経済(実体経済)の復活」が大不況から脱出できる!)

さらに大企業(グローバル企業)の優遇支援政策(「国際競争力の強化」)を進める一方で、その肩代わりとして、追い打ち的に、「消費税」を初めとする国民の増税政策を取り続けてきました。



この不況の原因は政府自らが作りだした「新自由主義政策」(「グローバル企業の成長戦略」、「グローバル企業の競争力の強化」にあります。またそのために犠牲にされた
「国内経済の空洞化」こそが大不況の原因です。

したがって
安倍首相がいう「デフレからの脱出」ではこの大不況からは脱出できないのです。逆に
アベノミクスは(アベコベに)この大不況を推進しているのです。

安倍首相が新自由主義政策である「アベノミクス」(大企業本位の「成長戦略」、「国際競争力の強化」)を続ける限り日本は大不況が続きます。



2、アベノミクスに隠された第4の矢と第5の矢!
(日本経済の崩壊へ追い打ちをかける、第4の矢と第5の矢!)

アベノミクスに公開されたのは「3本の矢」です。
しかし実はアベノミクスには公開した3本の矢以外にも、隠された2本の矢があります。
これは2012年6月に民主党、自民党、公明党が取り交わした「3党合意」を着実に実行するとした取り決めです。



3本の矢の次には、つまり
「第4の矢として社会保障制度の見直し(改悪)」、そして「第5の矢として消費税増税」、この隠された2本の矢が既定の路線として予定されているのです。

この第4の矢と第5の矢は、民主党政権時代にあまりにも国民負担を押しつけたので、(参議院選挙などのために)安倍政権は隠し続けてきたのです。



民主党政権時代に推し進められた国民大負担政策すなわち、「税と社会保障の一体改革」(税と社会保障の両面改悪)と「消費税の増税」を安部政権はさらに強力に押し進めていくという矢です。

この隠された2本の矢は、安倍政権の異常な財政出動(国家戦略、国家強靱法)や財界のための法人税の切り下げの「財源(代替)確保」のためにも強行しなければなりません。

安倍政権は民主党が決めた「消費税増税」を4月に(8%に)実行しましたが、来年10月にはさらに10%にまで上げる予定です。



逆にグローバル化した大企業のためには(既に様々優遇支援策を取りながら)、法人税をさらに切り下げ、25%程度(10%の切り下げ)まで下げて行く方針です。

グローバル企業支援の国家戦略は、1%の財界のために、99%の国民を不幸にする国家戦略です。
隠された2本の矢は日本経済を破壊し、大不況を招くことは必然です。

次回はアベノミクスの「3本の矢の正体」を検証していきたいと思います。



☆暴走する安部政権(6)!アベノミクスの崩壊!その1 「個人消費の下落」最悪!

2014年08月27日 | 政治
☆「青空の社会学」 目録(リンク)  ☆半田さんのフェスブック

☆「アベノミクス」の崩壊!その1 「個人消費の下落」最悪!





1、「GDP」大幅減!個人消費の下落最悪!
(2014/4~6月期)

  
(4月の「消費税増税」が国民の暮らしと日本経済を破壊!)

〈日本政府の「新自由主義」政策による愚策〉

これまで非正規雇用の拡大などで日本経済と国民生活を破壊してきましたが、4月の「消費税増税」がさらに追い打ちをかけました。以下は内閣府が8月に入り公表した資料からです。

「GDP」は大幅に落ち込み、個人消費は歴史的な(最悪)記録を更新中です。「企業の設備投資」も「住宅投資」も「雇用者報酬」も減り続けています。



頼みの「輸出」も減っています。大企業の海外移転が進み、輸出で稼ぐ構造ではなくなってきているからです。
もはや「外需」に頼る経済構造ではなくなってきているのは明らかなのですが、安倍政権は「内需」優先の政策を取ることが出来ません。

またグローバル化した大企業は日本に払う税金を減らし、税金の極端に低い(進出先の)後進諸国に納めています。
多国籍化した日本の大企業は、日本国民の税金で成長しながら、稼いだ利潤は日本にはほとんど還元しません。

生産活動も海外で行い、税金も税率が極端に低い海外に納める多国籍企業はもう日本企業と呼ぶことができない状態です。
ただ日本政府の超特別支援政策があるため、
「日本企業」のネーミングを名のっているにすぎません。

 

アベノミクスは非正規雇用を拡大し続け、消費税を増税し、国民生活をぎりぎりまで締め付ける政策(愚策)を拡大し、日本経済の消費を曇らせて、大不況を呼び込んでいます。

しかし日本経済の空洞化、国民生活の窮乏とは逆に、成長戦略のために、大企業(財界)はグローバル化し、内部留保金は史上空前の規模を更新しています。

アベノミクスは1%の財界のために、99%の国民を不幸にしています。



2、「成長戦略」はグローバル企業(財界)至上主義!
(グローバル企業のために、日本経済(国内経済)を破壊!)


アベノミクスの「成長戦略」の策定のために設置されたのが、「産業競争力会議」です。(第3の矢)
この「産業競争力会議」には10人で構成され、学識経験者として竹中平蔵と橋本和仁氏が入り、他の8人は全て現役の経営者で、8人の全てが「グローバル展開」を目指す財界人ばかりです。



従ってこの「産業競争力会議」には初めから「日本国内の経済」などは眼中にありません。国民が現実に困っている雇用(失業)や中小企業や地域経済のことなどは初めから話題にもならないのです。
それどころか安倍政権は、グローバル企業の利潤のために、「日本国内の経済」と「国民生活」をこれまでと同じように、切り捨てていく方向です。

 

この会議の目的はただ一つ、グローバル企業が海外でいかにして利益をあげるか。そしてそのために税免除をはじめ財政、規制改革、金融政策などをいかにして日本政府に支援させていくか。です。

☆「日本経済の空洞化」、「国民生活の犠牲」の上に成り立つ「成長戦略」!


「成長戦略」とはグローバル企業(財界)の成長の事を言います。グローバル企業(財界)の成長は国民の犠牲の上でしか成り立ちません。

グローバル企業への莫大な税金の免除(優遇政策)は、その見返りに逆に消費税増税初め、社会保障の改悪、諸々の国民の税金の値上げなどの国民負担が強いられます。
グローバル企業優遇政策のために、リストラ、人減らしによる失業、雇用不安、
賃金の抑制が続き、特に新卒者の就職氷河期は深刻なままです。

アベノミクスは1%の財界のために、99%の国民を不幸にしています。









☆「憲法」の心とは何か?

2014年08月25日 | 政治
☆「青空の社会学」 目録(リンク)






1、「憲法」が不得手、無関心な日本人。
(「憲法」とは良く「共生」していくためのルール)


日本では(近代)憲法の導入が150年に満たないために「憲法とは何か?」、「民主主義とは何か?」という意識が西欧社会に比べて極めて遅れています。およそ生活の中で実感できないのではないでしょうか?

フランスの家庭では、政治の話、法の話、移民問題などを日常的に話し合っているので、その結果国民が政治や社会問題に高い関心を持っているそうです。
若い層の政治への関心も高く、大統領選挙の投票率もいつも80%前後以上とのことです。

☆政治不信と投票率の低下!(日本)

一方日本では友達同士や家庭の中で議論や意見を交わすのは少ないようです。
投票率も特に20~29歳の若者の投票率は30%台です。日本では特に若者を中心に無関心、政治不信、民主主義の崩壊が進んでいます。



又、
「小選挙区制」の導入以来(1994年)投票率は極端に低下(50%台まで低下)し、史上最低の投票率を記録中です。
「小選挙区制」の区割りは「1票の格差」が夥しいため
最高裁判決で「違憲判決状態」を下していますが、未だに大政党は政党の利益から正す姿勢が見られません。

「1票の格差」は「小選挙区制」を止め、「比例制」にすればすっきりと解決するのですが、大政党の党利(水増し議席)のために、「比例制」にすることができないでいます。

(注) 「小選挙区制」は平成8年から実施


「小選挙区制」は当選者が一人だけのため、大方が最初から当選者が決まっています。そのために支持率が低いにもかかわらず、一人だけが当選になります。



従って(投票所に行っても)当選者以外の候補に投票した全ての票は切り捨てられることになります。大方の票が切り捨てられて、(大勢の)民意を反映することができません。

投票に行く(有権者の)意欲も減退しています。そのため急速に政治不信、民主主義の崩壊が進んでいます。



2、「日本国憲法」の心(精神)とは何か? その一。
(侵略戦争の反省=「国家権力の暴走」から生まれてきたもの)


憲法とは、権力の組織や権限、統治の根本規範(法)となる基本原理・原則を定めた法規範をいいます(「法的意味の憲法」)。
「憲法」は時代や統治機構によって異なります。

「日本国憲法」は第二次世界大戦の終結の中から生まれてきたため、とりわけ「平和主義」の色彩を強く打ち出しています。



また大日本国憲法下での君主(天皇を中心にした「国家権力」)による戦争への暴走を深く反省しています。
そのため「国家権力」の歯止めとして、国民主権を強く打ち出し、国民が国家権力へ義務を課す「立憲憲法」となっています。

そして「国民主権」の理念として、(「国家権力」)は国民の基本的人権を永遠に侵すことの出来ないものとして明記しています。

日本国憲法はまさに、夥しい命(2000万人のアジア人の命と310万人の日本人)を奪った戦争の深い反省の中から生まれてきたものです。



3、「日本国憲法」の精神(心)とは何か? その二。
(多様な人々が良く「共生」していくためのルール)
「日本国憲法」はまた人間同士が共存(共生)していくために、人権という価値を認め合って、お互いに尊重しあうことを強調しています。
それは「人間には誰にでも生きる権利がある。それを正当な理由をなくして奪ってはならない」というルールです。

例えば子供や女性、お年寄りなどは社会的弱者ですが、それぞれに生きる意味があり、そのかけがいのない価値を認め合いより良く共生していくためのルールです。

こうしたルールがなくては「人間社会」は力の強い者が勝つジャングルと同じ世界になってしまうからです。



☆「違う人と共に(より良く)生きる!」

(「憲法」は協調性と友好、対話、議論を求めている!)


日本国憲法の基本原理は「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」です。そしてこの基本的原理を支えているものは「個人の尊重」です。
「個人の尊重」は「個人の尊厳」(人間の尊厳)ともいわれ、日本国憲法の根源的な部分です。

多様な人々が共生(共存)していくために、伊藤真氏は
「人はみな同じ」、「人はみな違う」と言う説明をしています。
「平和外交」
☆「人はみな同じ」、「人はみな違う」
(「より良く生きるための知恵」)


豊かな人も貧しい人も、健康な人も傷害のある人も、大人も子供も、人種や性別も、また異なる宗教や考え方でも、一切が関係なく、誰もが個人(人間)として尊重されるべきだとしているのです。その意味で「人はみな同じ」ということです。

「人はみな違う」とは例えば子供の世界を見ても、かけっこの遅い子、早い子、勉強のできない子、できる子、体育や音楽の得て不得手な子、どの子供をみてもそれぞれの二つとない個性があり、それを認めるということです。

同様に人間には人種や肌の色、文化や風習、言葉や宗教などありとあらゆるそれぞれの個性があります。それらを認め合い協調して(時には議論し合い)より良く共生していくことを願っているのです。



☆「同質性だけ」の排除と、「少数派」の尊重。

例えば「同質性」だけを目指すようになると、「男性だけで集まりましょう。女性は別です」 「健常者だけで集まりましょう。障害を持った人は別です」 「金持ちだけで集まりましょう。貧乏人は別です」
「日本人だけで集まりましょう。外国の人は別です」というような恐れがあります。

「同質性」だけの排除

そしてこうしたことで社会の中にどんどん壁が作られていき、分断され、差別や排除の引き金になっていくことを心配しているのです。

「少数派」の尊重とは、あらゆるところに「多数派」と「少数派」が存在しますが、より良く共生していくためには多数決で決定しますが、「少数派」もかけがいのない価値を持っており、十分に尊重(反映)することが大切だと言っています。

「少数派」の尊重

ましてや「多数派」であることをもって「少数派」を侵害する(「多数派」による専制)ようなことは決してあってはならないと言っています。

〈最後に〉
「憲法」の心とは、自分(達)の権益だけに囚われず、他者や少数者、社会的弱者にも思いやり、配慮をくばり、協調性を持って「共生」していく心です。


又別の言葉で言えば、老若男女、宗教や考え方の違う人達、利権の違う人達も、様々な人々が「共生」して生きていく心です。
それは仏や神の広い心にも通じているかもしれません。




元気一番!!