こんにちは、半次郎です。
今日は、金曜日です。
新しく社会人になられた方は、アッと言う間に過ぎた一週間ではないでしょうか?
新しい環境に喜んだり、戸惑ったり。
この時の初々しい気持ちを、いつまでも忘れないでいてほしいものです。
さて、お馴染みの半次郎と源七が、今日は“貧乏神”の容姿について語っています。ちょっと覗いてみましょう。
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「おォ、源七っつぁん、いるけェ。」
「おや、おや、半次郎さんじゃないか。どうしたィ?」
「いたねェ。きまりが悪くってどこにも出られないと見た!」
「よせやい。あ、そうか。・・・この間は済まねェ。いやぁ、少~し呑み過ぎた。」
「あっちの野郎が悪いんだョ。みんな知ってるよ。しかし、長ェ付き合いだけど、衰えてないね、その喧嘩っぱやさ! 見事だ。」
「よせやい。」
「また、逃げ足の速いの速くないのって・・・。まるでドーピングが発覚する前のベン・ジョンソンだ。」
「古いね、どうも。しかし、お前の前だけど、あの野郎、今度会ったらタダおかねェ。俺を見て『貧乏神みてェなツラしてる』なんて言いおって!」
「あはは、そりゃお前さん、喜ばなきゃいけないよ!」
「なんで? そんなこと言われて喜べる訳ねェだろう。」
「世間では“貧乏神”は貧相で弱々しくて、ボロをまとってるように言われているがな、本当は違うんだよ。」
「そんなこたぁねェよ。どの本を見たって、みんな貧相に描いてあるぜ。昔っからそうだ。」
「そう思うだろ? ところがさにあらずだ。」
「違うのかい?」
「あぁ、違うねェ。」
「じゃあ、一体どんなふうなんだい?」
「あのな、みんな貧乏神というものを勘違いしてるが、“貧乏神”は貧乏人組合の組合長じゃぁねえんだ。」
「なんだよ、貧乏人組合って。」
「“貧乏神”は、人を貧乏にすることを仕事にしている“神”なんだ。分かるだろ?」
「ふんふん。なんとなく分かる。」
「町中に貧乏人をこしらえて生計を立てているんだ。」
「そんなもんかねェ。」
「そうなんだよ。バブルが崩壊して、もう十数年経つだろ? その間、失業者も増え、ホームレスも増えた。」
「そのとおりだ。こないだ、隣の親父が会社をリストラされたって、泣いてたよ。」
「町内で景気の良い話を聞かないだろ?」
「ここ数年、聞かねェなぁ。」
「昔はこの町内でも、結婚式やら七五三やら、派手にやったじゃねェか。」
「そうだなぁ。祭りだとかいろんな行事にも金をかけて、よその町内からウラヤマシがられてたからなぁ。」
「なんでこうなったか知ってるか?」
「政治が悪いんだろ?」
「・・・“貧乏神”の仕業だ!」
「そうかぁ?」
「そうなんだよ。と、いうことは、“貧乏神”の仕事は繁盛してるってことだろ?」
「そうなるなぁ。」
「“貧乏神”はな、世間を貧乏にすることで自分が裕福になるんだ。」
「うんうん。」
「ここ十数年で奴らは相当儲けたに違いない。」
「そうだ、間違いない!」
「だからなぁ、奴らはデップリと肥えて、宝石や装飾品をいっぱい身につけて、にこにこ笑ってるに違いないんだ!」
「そうだったのか!」
「だから、お前ェは喜ばなきゃいけないんだよ。」
「そうか。おれは裕福な貧乏神だ!」
「そうだよ、うらやましいぞ! よッ、貧乏神ィ!」
「よせやい、そんなに誉めるなよ。」
「じゃあな、また来らぁ。」
「・・・う~ん、やっぱり嬉しくない。」
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貧乏神 他人の不幸で 飯を喰い
from 半次郎
今日は、金曜日です。
新しく社会人になられた方は、アッと言う間に過ぎた一週間ではないでしょうか?
新しい環境に喜んだり、戸惑ったり。
この時の初々しい気持ちを、いつまでも忘れないでいてほしいものです。
さて、お馴染みの半次郎と源七が、今日は“貧乏神”の容姿について語っています。ちょっと覗いてみましょう。
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「おォ、源七っつぁん、いるけェ。」
「おや、おや、半次郎さんじゃないか。どうしたィ?」
「いたねェ。きまりが悪くってどこにも出られないと見た!」
「よせやい。あ、そうか。・・・この間は済まねェ。いやぁ、少~し呑み過ぎた。」
「あっちの野郎が悪いんだョ。みんな知ってるよ。しかし、長ェ付き合いだけど、衰えてないね、その喧嘩っぱやさ! 見事だ。」
「よせやい。」
「また、逃げ足の速いの速くないのって・・・。まるでドーピングが発覚する前のベン・ジョンソンだ。」
「古いね、どうも。しかし、お前の前だけど、あの野郎、今度会ったらタダおかねェ。俺を見て『貧乏神みてェなツラしてる』なんて言いおって!」
「あはは、そりゃお前さん、喜ばなきゃいけないよ!」
「なんで? そんなこと言われて喜べる訳ねェだろう。」
「世間では“貧乏神”は貧相で弱々しくて、ボロをまとってるように言われているがな、本当は違うんだよ。」
「そんなこたぁねェよ。どの本を見たって、みんな貧相に描いてあるぜ。昔っからそうだ。」
「そう思うだろ? ところがさにあらずだ。」
「違うのかい?」
「あぁ、違うねェ。」
「じゃあ、一体どんなふうなんだい?」
「あのな、みんな貧乏神というものを勘違いしてるが、“貧乏神”は貧乏人組合の組合長じゃぁねえんだ。」
「なんだよ、貧乏人組合って。」
「“貧乏神”は、人を貧乏にすることを仕事にしている“神”なんだ。分かるだろ?」
「ふんふん。なんとなく分かる。」
「町中に貧乏人をこしらえて生計を立てているんだ。」
「そんなもんかねェ。」
「そうなんだよ。バブルが崩壊して、もう十数年経つだろ? その間、失業者も増え、ホームレスも増えた。」
「そのとおりだ。こないだ、隣の親父が会社をリストラされたって、泣いてたよ。」
「町内で景気の良い話を聞かないだろ?」
「ここ数年、聞かねェなぁ。」
「昔はこの町内でも、結婚式やら七五三やら、派手にやったじゃねェか。」
「そうだなぁ。祭りだとかいろんな行事にも金をかけて、よその町内からウラヤマシがられてたからなぁ。」
「なんでこうなったか知ってるか?」
「政治が悪いんだろ?」
「・・・“貧乏神”の仕業だ!」
「そうかぁ?」
「そうなんだよ。と、いうことは、“貧乏神”の仕事は繁盛してるってことだろ?」
「そうなるなぁ。」
「“貧乏神”はな、世間を貧乏にすることで自分が裕福になるんだ。」
「うんうん。」
「ここ十数年で奴らは相当儲けたに違いない。」
「そうだ、間違いない!」
「だからなぁ、奴らはデップリと肥えて、宝石や装飾品をいっぱい身につけて、にこにこ笑ってるに違いないんだ!」
「そうだったのか!」
「だから、お前ェは喜ばなきゃいけないんだよ。」
「そうか。おれは裕福な貧乏神だ!」
「そうだよ、うらやましいぞ! よッ、貧乏神ィ!」
「よせやい、そんなに誉めるなよ。」
「じゃあな、また来らぁ。」
「・・・う~ん、やっぱり嬉しくない。」
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貧乏神 他人の不幸で 飯を喰い
from 半次郎
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