こんにちは、半次郎です。
今、最もチケットが取りにくい噺家、立川談春師を特集した番組『ソロモン流』を録画で観ました。
談春師がどの様に落語に向き合っているかが伺い知れて、非常に面白かったですね。
いや、それだけではなく、故談志師匠の遺伝子がどのように伝わっているのかにも興味がありましたから、その辺りも垣間見えて、久々に良い番組を観せて頂きました。
こういう番組が、もっともっと増えると良いのですがね。
確かに演芸番組ではないので一席の噺を聴ける訳ではありませんし、高座のシーンもそれほど多くはありませんでしたが、『妾馬』や『紺屋高尾』などナレーターによるストーリー解説を交え、雰囲気は伝わって来ました。
それよりも、ドキュメンタリーとして落語会の打合せや初めて訪れる地域での楽屋の様子に車中の様子、そしてプライベートや番組の為のインタビュー等々、非常に見応えがありました。
中で談春師の美学を垣間見る思いがしたのが、蕎麦屋でのインタビューと言うか飲食しているシーン。
玉子焼きや刺身を摘みながらインタビューに応じ、メインの蕎麦が出て来たら正座に座り直して食していました。
そしてそこで『うどん3本、そば6本』と言われたのです。
汁をたっぷりつけて食べるよりも、口に頬張れないほど箸で摘むのはもっと不粋だと…。
なる程、故談志師匠の弟子は上手い人が多いですが、その中でも群を抜く最高傑作の一人だけあって、美学が見事に伝わっています。
見ている我々を納得させ、共感させてくれるものがありました。
この辺りがセンスの良さですね。
最後に、半次郎が感心したシーンを一つ…。
談春師は自身の落語会で開場前に、最後列の席や隅っこの席からの見え方や音響を、細かくチェックしておられるシーンがありました。
後ろの席や隅っこの席のお客様も、同じお金を払って聴きに来てくれているお客様だと。
立川談春、東京の落語界は近い将来きっと、この噺家中心に動くに違いありません。
良い番組でした。
From 半次郎
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