半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『青菜』の季節

2009年05月11日 12時20分51秒 | ★ 落語(・・・のようなもの含む) ★
こんにちは、半次郎です。

目に青葉、山ホトトギス、初鰹…初夏ですね。
この季節になると、決まって『青菜』と言う落語を聞きたくなります。

この噺のCDはたくさん出ていますが、半次郎は春風亭柳橋さんのものが大好きです。
その昔、NHKラジオで一世を風靡した『トンチ教室』でお馴染みの、先々代の六代目柳橋師匠です。
独特の語り口で、なんとも言えない味わいがありました。

とにかく若くして売れに売れ、長い間、落語芸術協会の会長を務めた方です。

落語に詳しくない方のために補足しておきますと…。
東京には落語家の団体が4つあります。
その内、都内の寄席に出演できるのは、この落語芸術協会(現会長は桂歌丸さん)と落語協会(現会長は鈴々舎馬風さん)の二つで、この二つが老舗の団体になります。
後の二つは、様々な確執から落語協会を飛び出した三遊亭圓楽一門の大日本すみれ党と、半次郎の敬愛する立川談志率いる立川流です。
この二つは寄席ではなく主にホール落語などで活動しています。

話を戻しますが、この青菜をはじめ柳橋さんの落語は総じてほのぼのとした味わいがあって、半次郎は大好きなのです。

で、この噺、あるお屋敷の庭で仕事をしていた植木屋さんに、その家の主人が酒(直し=柳影)をご馳走する話です。
縁側を挟んで植木屋さんと会話を交わす冒頭から、日なたで作業をしていた植木屋さんの姿が目に浮かぶようです。

もう少し噺を進めると…。
鯉の洗いを肴に飲ませていたその家の主人が、植木屋さんの酒が進んできた頃を見計らって青菜のお浸しを勧めるのですが、奥さんに注文した青菜はあいにく食べてしまっていてありません。
客人の前で頼んだものがないと言うのは失礼だからと奥様が隠語で、『鞍馬から牛若丸が出でまして、その名(菜)を九郎(喰う)判官。』
そこでこの主人が、止しとけと言うのを洒落て『義経にしておきなさい。』と言って返事をします。

このやり取りを目にして感激した植木屋さんが、自宅の長家に戻り友人相手に真似をして失敗すると言う他愛のない噺なんですが、 この時期の暑さと心地良さそうそうに飲む酒の旨さが伝わってきて大好きな噺です。

まだ聴いたことがない方は、是非、聴いてみて下さい。
きっと、飲みたくなるか、真似をしたくなりますから…。

from 半次郎


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