「はい、お弁当」
ぶっきらぼうに言い放ち、明日香はガチャンと乱暴にテーブルに置いた。
「おう、サンキュー」
明日香の方を振り返りもせず、テレビを見続けながら真一は答える。
「か、勘違いしないでよね! おばさんに頼まれたから仕方なく作ってやったんだから!」
努めて冷静に明日香は言う。
「そんなの分かってるよ。何で今更、わざわざ言うんだ?」
ここで初めて、真一は振り替えった。
腕組みして仁王立ちしてる明日香を、座敷に座ってる真一が見上げる形となる。
「な、何でって……」
思わず口ごもる明日香。我知らず、顔がカーッと熱くなる。
「お前、顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃないのか?」
不意の優しい言葉に明日香の頭は混乱する。同時に怒りがこみ上げてきた。
「……かん……」
「え? 何だって?」
「この、鈍感男って言ったのよ!」
言葉と同時に足が出た。しかし、真一を狙ったキックは見事に空を切り……。
ドスン。
勢い余ってバランスを崩し、見事に尻餅をつく。スカートがめくれ……。
「ごくり」
真一が唾を飲み込む音がやけに生々しく響いた。
「ば、ばか! どこ見てんのよ!」
自分の状態に気付き、慌てて明日香はスカートを元に戻す。
「ゴ、ゴメン。それより、結構デカイ音したけど大丈夫か?」
「大丈……痛っ!」
起き上がろうとする明日香は苦痛に顔をゆがめる。
「無理するなよ。俺が連れてってやるから」
言って真一は、軽々と明日香を抱え上げる。
「あ、ありがとう」
明日香は声はボソボソと小さい声で言って、ぎゅっと真一にしがみついた。
ぶっきらぼうに言い放ち、明日香はガチャンと乱暴にテーブルに置いた。
「おう、サンキュー」
明日香の方を振り返りもせず、テレビを見続けながら真一は答える。
「か、勘違いしないでよね! おばさんに頼まれたから仕方なく作ってやったんだから!」
努めて冷静に明日香は言う。
「そんなの分かってるよ。何で今更、わざわざ言うんだ?」
ここで初めて、真一は振り替えった。
腕組みして仁王立ちしてる明日香を、座敷に座ってる真一が見上げる形となる。
「な、何でって……」
思わず口ごもる明日香。我知らず、顔がカーッと熱くなる。
「お前、顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃないのか?」
不意の優しい言葉に明日香の頭は混乱する。同時に怒りがこみ上げてきた。
「……かん……」
「え? 何だって?」
「この、鈍感男って言ったのよ!」
言葉と同時に足が出た。しかし、真一を狙ったキックは見事に空を切り……。
ドスン。
勢い余ってバランスを崩し、見事に尻餅をつく。スカートがめくれ……。
「ごくり」
真一が唾を飲み込む音がやけに生々しく響いた。
「ば、ばか! どこ見てんのよ!」
自分の状態に気付き、慌てて明日香はスカートを元に戻す。
「ゴ、ゴメン。それより、結構デカイ音したけど大丈夫か?」
「大丈……痛っ!」
起き上がろうとする明日香は苦痛に顔をゆがめる。
「無理するなよ。俺が連れてってやるから」
言って真一は、軽々と明日香を抱え上げる。
「あ、ありがとう」
明日香は声はボソボソと小さい声で言って、ぎゅっと真一にしがみついた。