10連休中の埼玉への帰省は、甲州街道をひた走って行こうと思い、自宅から国道20号線を上って行ったのですが、高尾や八王子周辺での渋滞が予想されたので、上野原から甲武トンネルを抜けて檜原村経由で実家の飯能までとコースを計画しておりました。
甲武トンネルは、学生の頃にツーリングと檜原村の森林浴を楽しんだコースで、奥多摩周遊道路なども、奥多摩ダムを眼下に見ながら走れるので、結構好きなコースでした。
ちょうど棡原の小菅方面と檜原方面へ別れる交差点を過ぎ、幅員が狭くなりブラインドの右カーブだったので、左に寄りつつ減速して進入し、カーブの先が見えた辺りの時、坂を下ってくる対向車が目に入ったのですが、かなりの勢いでこっちに突っ込んできて、カーブで曲がる様子もなく一直線でこっちに…
「マズい!」と思った瞬間には、自分の車の正面ちょい右に対向車が。
衝突寸前は、動きがスローモーションになったので、何とか受身を取って衝撃に備え。
真正面で衝突したら、エアバッグが作動して自分も顔面強打等をする危険があったでしょうが、幸いオフセットで当たったため、エアバッグが作動せずに済みました。
それにしても、対向車はぶつかった時既にエアバッグが作動してますね。凄い速さで作動するものなんですね。
ガラスに頭をぶつけてから作動するんじゃ何の意味もないので、当然といえば当然ですが。
マッハGoGoGoのように空を飛ぶ仕様は無い愛車なので、逃げきれない状況であったものの、当たり所が良かったのは不幸中の幸いだったと思います。
もう少し後ろのキャビン脇腹から突っ込まれたら、自分も重度な脳震盪等を起こしてかつ閉じ込められたりと、ヤバかったでしょう。
衝突直後に直ちにギアをPレンジに入れて電源ボタンを切り、ドアも固いながら開いたので車外に出て怒鳴りつけてやろうと思ったのですが、対向車の運転手は左目から血を流し、ハンドルに顔をぶつけて呻いている様子。
急いで119番をして救急車を要請しました。
事故発生から救急隊への通報まで1分以内に行っていたのは、我ながら関心です。
この時、消防署の人から「この電話はすぐ繋がるようにしてください」と確かに言われていましたが、対向車が道を塞いでいたので、ふと110番に通報して警察官を呼んでしまい、その間にも消防署から何件か着信があり、消防署の方から注意を受けてしまいました。
この場合、110番は近くにいた目撃者や周囲の人などにお願いすれば良かったと反省するところです。
ひとまずは人命…救急隊との連絡を最優先すべきでしたね。
対向車の18歳の運転手は目から流血があり、膝の皿も露出しているなど、怪我の程度が酷かったので、まずは聞けるだけ名前や年齢などの個人情報や痛いところ等を聞き出して、怪我の箇所には気が行かないようにし、あとは意識が飛ばないようにとにかく話しかけて救急隊の到着を待っておりました。
人間は骨が露出しているなど、自分の重度な怪我の状態を見ただけでもショック死する場合があると、かつて教育隊の教官から聞いたことがあります。
だからこそ、精神力を徹底的に鍛えた日本の兵士は日露戦争や大東亜戦争の際に強かったのですね。
少ししたら救急車が来て、対向車の運転手は収容、搬送されて行き、自分はお巡りさんへの説明や撮影をして、レッカー屋さんが来るのを待ってました。
その間に保険会社や対向車の運転手の親御さんと話をしました。
自分の車を積載してもらったら、八王子方面に行くということで、途中の武蔵五日市駅までレッカー車に乗せて行ってもらい、武蔵五日市駅には父親が迎えに来てくれたので、青梅の整形外科医に診てもらい、診断書を書いて頂きました。
腰椎捻挫と頚椎捻挫…つまりむち打ちで、全治2週間ということでした。
実際には3ヶ月や半年…場合によっては5年などと完治するまでかかるようですが、むち打ちは便宜上全治2週間なんだそうな。
事故直後は何とも無かったですが、やはり話で聞く通り、少し時間が経つにつれて首の後ろや腰が痛くなってきましたし、翌日起きた時に、首と肩と腰が寝違えた時の数倍痛いし動かない…。
買い物へ行っても、学生の頃に徹夜してレポートを書いて、一睡もせずに大学へ行く時のような、目は醒めているけど、頭がボーッとするような嫌な感じがしました。
また、衝突した瞬間に後頭部を天井にぶつけていたようですが、病院の待合室の待ち時間でくつろいでいる時に痛みを感じるまで、事故直後から気付いておりませんでしたし、レントゲンでは分かりませんでしたが、右の肋骨にヒビが入ったようなジリジリ来るような嫌な痛みがあるのですが、それも待合室で待機している時まで、全く気付きませんでした。
コレについても、一つ反省…ある程度事故が片付いた辺りで、救急車の第二出動の依頼をした方が良かったかもしれないですね。
お巡りさんにも救急車を呼ぶか聞かれておりましたが。
今回は今のところ痛いという程度ですが、万が一内臓とか脳等に実は問題が生じていた場合、特に連休中ということもあって休診の病院が多く、途中で倒れたとか激痛が走ったとなってからでは遅かったですからね。
やはり事故の場合は、擦り傷など無い状態でも救急で行った方が良かったかもしれません。
相手方の運転手は免許取立ての未成年だったので、車に乗るのが楽しくて仕方がなく、若気の至り…ということも、分からなくは無いのですが、やはりやってしまったことの重大さは猛省してもらいたいです。
普通自動車第一種運転免許は、今の時代誰でも持っている資格です。スピードを出すだけだったら赤ん坊や猿でも出来ますが、安全に配慮した運転をするための知識や技術があると国が認めたから貰えた資格です。
その信認を反故にすることは当然許されることではないですし、一歩間違えば自分の生命のみならず、他者を死傷させたり財産を壊す凶器、兵器になるものですから、その自覚を加害者には再度認識してもらいたいです。
違反点数や免許停止等の行政処分のほか、今回のような人身事故になってしまった場合、自動車運転過失致傷罪などの刑事処分が課される等の責任を負うことも自覚しないといけないですね。
今回潰されてしまった自分の愛車も…今のホワイト企業に再就職できたことと、ブラック企業と裁判をして勝てたことを記念して新車を買おうと思い、購入したものです。
交通事故を経験した仲間のアドバイスもあって、安全性が高く、釣りや居合道の遠征などでも不便無く愉しく乗れるスバルのフォレスターにしようと決めました。
仕事から帰ってから毎日カタログと睨めっこをして自分の好きなカラーや装備を選び、水平対向エンジン40周年記念として設定された特別仕様車だったので、シートもアルカンターラで長時間座っていても蒸れず、凄く気に入っていました。
予算を相当オーバーして、もちろんキャッシュでは買えないのでローンを組みましたが、昨年他界してしまった祖母が、生前に「車買う足しにしな」とくれたお金を頭金にもしました。
初の鉄工や設備の仕事でしたが、愛車のために頑張ろうとか、今度はどこへ行こうかと、仕事の張り合いにもなっていました。
ちょうど今回埼玉へ帰省して帰れば4万キロになるだろうと思っていましたが、2年2ヶ月の間に、河津桜を見に行ったことを皮切りに、新潟や富山、東京の大会、飛騨高山や山形県での地区講習会、茨城県での全日本大会など、疲れ知らずで乗ってて愉しい車でした。
今回の帰省でも、ちょうど元号が変わるから、実家に車を置いて学生の時以来久しぶりに会う仲間と皇居へ行ってみようかとか、秩父で釣りをしたり、鉱物採集をしようか等と思っていましたが、予定は何も出来ず…
単にガソリンを使ったうえで車を潰され、埼玉での予定は何も出来ず、長野県へ帰ってきてからも、天気が良いのに首、肩、腰、右肋が痛いうえにボーッとするし、時に船酔いみたいな揺れがあるしで、せっかくの超大型連休も最初の3日しか楽しめませんでした。
さらに、うちの道場の稽古も休みにさせてもらい、お弟子さん達に迷惑もかかりましたし、来週の稽古会や来月の学生居合道大会新人戦の審判も不可能になってしまいました。
今日と明日に新潟で行われる、東北日本居合道大会には参加を断念せざるを得ず、来月の石川県での居合道地区講習会も参加出来るか分からないです。
7月の長野県大会を昨年に引き続き今年も頑張って優勝できれば、高知県で開催される全日本居合道大会の県代表として出られると思っていましたが、如何せん日常生活でも恥ずかしい程に具合が悪いので、ひとまず居合道は置いておいて、完治に努めないとですね。
むち打ちの怖さは、話では聞いていましたが、今まで他人事だったので大袈裟のように思っていましたが、いざ自分がなると聞いた話の通りでしたね。
そりゃ鉄の塊が時速数十キロで衝突するのですから、人間なんてマトモではいられないですよね。
一瞬の気の緩みや魔が差し、スピードを出したり、ながらスマホで運転したり、近年問題になっている煽り運転をして他人を巻き込んだ場合、当然相手にも相手自身の体、愛車、家族、財産、予定、仕事などのかけがえのないものに大損害を与えてしまうのです。
相手方の車のタイヤを見たら、普通路面では滑りやすいスタッドレスタイヤでしたし、溝が消えていたので、ハンドルが効くはずも無いですよね。
相手運転手が事故直後に「ブレーキをかけたけど間に合わなかった」「ハンドルを切ったけど曲がらなかった」「あまりスピードは出していない」と言い訳しておりましたが、近所に住む目撃者や通りすがりの方達も「カーブは遅いのに直線ではスピードを出す直線番長だった」とか「あの小僧だったらいつかやると思ってた」と話してくれましたが、今回の事故は起こるべくして起こったものですし、そんな運転手に当てられたこっちは、本当にたまったものじゃないですよね。
あの感じだったら、またいつかやるだろうと思いますし、今度こそ人をはねたり、本人が死亡するような大事故になってしまうと懸念しております。
車に興味が無い人であっても業者に頼むなどして、ちゃんと定期的に点検し、走行や安全性に支障がないようにもすべきですね。
とりあえずは、対向車の運転手は、何より失明などを心配していましたが、視力には異常がないと親御さんから連絡があり、一安心です。
とはいえ、今回自分は現場をあと10秒通過時間が前後していたか、国道20号線で渋滞に巻き込まれていれば、自分と愛車に被害はなく、相手運転手の単独事故で済んだことでありましたが、レッカー待ちの時に現場周辺を見てたり、家で写真やドラレコ、Googleマップなどを見て検証していたら、加害者の兄ちゃんの単独事故だった場合、カーブ外側の谷に落ちるか、前の民家に突入して家の人を巻き込むか、その手前の電柱と低い樹木に突撃してクワガタ…いずれも最悪の状況になっていたことが容易に想像つく大事故になっていたので、まだ自分の車と衝突して良かったですね。
そして、お巡りさんやレスキュー隊、レッカー屋さんも、現場をみて「よくこれだけの事故で死亡事故にならずに済んだね!」とか、「スバルの車がこれだけ損傷しているって相当な勢いで突っ込んで来たんだね!」と、驚いていましたが、「スバルの特にフォレスターは強いんですよね。」と交通鑑識のお巡りさんが話しており、やはりこの車を選んで良かったと思いました。
このような事故を経験すると、やはり軽自動車の危険性はよく分かりましたし、次に乗る車もスバルのフォレスターにしようと感じました。
といいますか、仕事で軽トラに乗る時はたまにあるので、一層注意して乗りたいところですが、この事故写真を見ると、軽自動車はもはや「走る棺桶」ですね。
プライベートでは絶対に乗りたくないです。
そして、逆に自分が加害者になり、もっと最悪な事故になる場合も有り得るのが交通事故ですから、今回は完全に被害者でしたが、もちろん他人事ではなく、今回の事故を自身の教訓として、より安全、安心な車選び、運転の知識や技術を考え、実践したいと改めて思うところです。
ちなみに、今回の事故については過失割合が10:0ということで、こちらには一切過失が発生しませんでした。
どんなに非がない事故であっても、動いていれば理不尽に過失割合が発生すると聞いていたので、9:1や8:2だと思っておりましたが、反対車線に飛び出て衝突した時や今回のように、センターラインが無くても反対側へ出て衝突した場合は10:0になるそうです。
また、他に動いている時であっても、信号がある交差点で青信号を直進中、赤信号を無視して横から車が突っ込んできたという場合も10:0になるそうです。
かつて学生の時に原付を運転中、巻き込み確認とウインカーを出すことを怠った左折車に巻き込まれたことがあり、その時は保険会社に事故状況を紙へ書いて説明し…と、とても面倒でしたが、今回はドライブレコーダーの映像を相手の保険会社へメールで送り、翌日には過失割合について連絡が来たので、動かぬ証拠になることのほか、手間を省けたこともあり、本当にドラレコを装備して良かったです。
転ばぬ先の杖、論より証拠と言いますから。
ここ中信地区では穂高神社が交通安全のご利益があるということで、納車した後も毎年穂高神社御札を受けて取り付けておりますが、それでも事故に巻き込まれ…不幸中の幸いで済んだのも穂高神社のご利益だとプラスに考えましょう。
重いものが持てず仕事にも支障が出て、連休はもちろん、土日にはどこへも行けず、本当にいい迷惑です。
しかも釣りや山菜採りの一番楽しい時期にこのザマ。
事故調書の時には「厳罰を望みもしないですが、処罰をしないということも、本人のためにならないので、お巡りさんの方針に任せます」と話しましたが、ここまで生活に支障が出ると「厳罰を望みます」と言えば良かったかなと思う時もあります。
いわゆる「被害者の被害感情および処罰感情は峻烈」というやつですね。
兎にも角にも、完治できるように努めたいと思います。