愛知県一宮市、妙興寺と一宮市博物館へ。
一宮市が生誕の地と言われる日本画家、
川合玉堂展が5月16日まで開催中です。
まず博物館の企画展から見ました。
さて母は50歳で、水墨画を習い始めました。
始めたばかりの頃は、基礎を習得するため、
グループレッスンで絵の模写からスタート…。
よく川合玉堂の絵を模写していました。
模写とは知らず、母の描いた絵に驚きました。
「ママ、スゴイね~!水墨画、
始めたばかりなのに、上手いじゃん!」
「余白の取り方など、構図がプロみたい…!
墨の濃淡、グラデーションが絶妙だわぁ…!
初めてでこんなに上手に描けるものなの…?」
母が申し訳なさそうに、言いました。
「これ、川合玉堂の絵の模写だから…。」
そう…、母の絵がスゴイのではなく、
お手本の玉堂の絵がスゴイのだった…。
なんでも、玉堂の作品では墨で描いた線に、
淡い色彩を付けて描いている絵が多く、
”墨と色彩の調和”が素晴らしい…。
お手本にするとよいと先生に言われたとか…。
以後、川合玉堂の絵に興味を持つようになり
結構、いろいろな展覧会を見にいきました。
今回の企画展は、一宮市が収蔵する作品…。
”水の表現”と題した小規模なものです。
玉堂の写真もたくさん展示されています。
作品の生まれた画室の写真もありました。
玉堂は、画室に入って制作するとき、
正面に掲げた3人の師に挨拶してから
描き始めるのが日課だったそうです。
なるほど、昔堅気の人だったのかな~。
玉堂と言えば、山間の田舎家の風景…。
その傍らに水車、という構図を連想します。
母がよく模写していたのもこのパターン…!
その構図の最初の作品も展示されていました。
鵜飼を描いた作品も展示されていました。
玉堂は鵜飼をテーマに、よく描いています。
岐阜に住んでいた時期もあったからとのこと。
小さな画面に描かれた鵜飼の様子…。
画面から動きが溢れでるような感じです。
鵜飼の絵、心に残る作品でした。
”跳鯉”という作品も印象的でした。
文字通り、立派な鯉が飛び跳ねている
見るからに、おめでた~い絵です。
この作品は玉堂の没後、親族の方により、
木曽川町の護国神社に寄贈されました。
昭和42年、神社はこの絵を木曽川町に
寄贈しました。何かの記念でしょうか…。
その後、木曽川町と一宮市が合併になり、
この作品は、一宮市の所蔵となりました。
現在、一宮市の指定文化財になっています。
博物館を見た後は、お隣の妙興寺へ。
広大な面積、古い歴史を持つ禅寺です。
貴重な文化財もたくさん残されていて、
博物館の企画展で公開されています。
今の季節、境内の散策にいい時期です。
新緑の頃は、樹木の緑がみずみずしく、
木々を渡る風が爽やかに感じます。
このお寺は”俗世間から離れた修行の寺”の
イメージがあり、境内はひっそりしています。
文化財になっている風格ある勅使門…。
大きな仏殿は一般公開されています。
誰でも自由に中に入ってお参りできます。
南北朝時代の釈迦三尊像が祀られています。
天井画が独特です。日本でここだけ…!
油絵による龍の絵です。カラフルでカワイイ。
童話の世界に住む龍のような感じです。
釈迦三尊像は恐れ多くて撮影を控えましたが
カワイイ天井の龍の絵は、許可を得てから
写真を撮らせていただきました。
参拝記念に”ムクロジ”の実をいただきました。
妙興寺境内地で採集したものだそうです。
”ムクロジ”は無病息災を願うものだとか…。
これを持っていると、今の時代、
コロナ感染防止のお守りになるかも…!