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平方録

鎌倉の苔寺

鎌倉の寺院の中にもコケのきれいなところはいくつか存在する。

そうした寺々の中で、あえて「鎌倉の苔寺」と呼ばれているのが大町の妙法寺という日蓮宗の寺。
京都の西芳寺などとは比較にもならないが、仁王門の奥にあるうっそうとした木立の中を上へ上へと伸びている石段を覆っているコケは、あくまでも若い緑色をして輝いていて、人の目を引きつけている。
これから梅雨時を迎え、コケはさらに生き生きと緑の色合いを瑞々しくしていく。
この寺もコケ意外にたくさんの花を育てていて、季節ごとの花を楽しめる。
これからはヤマユリをはじめとした大輪のユリが境内のあちこちで揺れて芳香を振りまくことだろう。
そう言えば去年は紅いヤマユリが咲いているのを見た。今年も咲くだろうか…
 
 

本堂


ハナショウブ


白いアジサイ






本堂の脇を奥に進むと


仁王門が見えてくる


仁王門の奥に階段が見える




シャガやシダに両脇を埋められたコケの階段はまるで緑色のビロードを敷き詰めたよう
 

コケの階段は通行禁止で、脇に別の階段が作られている


階段の上から見た所
 
コケの階段の上にはトキワツユクサの群落になっていた
三角形の花の形をしたトキワツユクサは南アメリカ原産で園芸種として昭和初期に持ち込まれたが、今では野生化してしまっている


階段を登ったところに建つ法華堂
 
ここを訪れた日、「ドカン、ドカン」という大砲のような音が何度も境内に響いた。
さほど遠くないところを国道134号線が走り、ちょうど長いトンネルがあるので、そこから響いてくる音かと思って拝観料を取っていた女性に聞くと「私初めて聞きました。何でしょうね、気味が悪いです」と不安そうな顔をされた。
この日から一両日、わが家にいても夜と言わず昼と言わず、遠くからこの音が響いてくるのを耳にした。
夜、山の神の携帯電話に隣家のひとり暮らしの女性から「気味の悪い音がするけど何の音かしら?」とメールが届いて不安な様子を伝えてもきた。
新聞にもネットにも、この件は話題になっていなかったから、結局何の音かはわからずじまいだが、以前にも同様の音を聞いているので、多分、何か自然現象の偶然が重なって出た音が、何かのはずみで遠くまで伝わるうちに音量まで増して伝わって来たのではないかと推測している。
自然の悪戯だろう。


本堂の前で枝を大きくくねらせている紅葉の大木が目を引く


盛りは過ぎていたが、刈り込まれた大きなテイカカズラから強い香りが漂っている
 
 
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