山形の友人からクール宅急便が届いた。
ズシリと重い小箱である。
開けてみるとやや大ぶりの熟柿が九つ、ギザギザの銀紙の座布団に座り、お行儀よく並んでいる。
なるほど、菓子などと違ってずしりとした重たさを感じるわけである。
実家の庭のカキの実の中から熟柿だけを選んでもぎ取り、すぐに箱詰めして送ってくれたそうだ。
成っている写真も送ってくれたのだが、熟しているものは「日に照らされると透き通って見えるから一目瞭然で分かる。何よりうっとりするくらいきれい」なのだという。
おかげで鳥たちも狙っていて、何個かは突っつかれてしまったそうである。
届いたカキで驚いたのは、九つすべて表面にひび割れができ、中のトロリと熟した果肉が覗いていたことだった。
友人に聞くと「熟柿だから確かに表皮はとても薄かった。しかし、箱に詰めた段階では破れていない」と言っていた。
「多分、配送途中でも熟成が進み、皮の薄い部分が裂けたのではないか。まさかそんな姿になるなんて…すごいものだな」と感心しきりである。
友人がカキを摘み取って箱詰めし、すぐに宅急便屋に託したのが前日の夕方。翌日の午前中に届いたが生憎不在で受け取れず、実際に受け取ったのは夕方だから、丸24時間経っている。
この間にドラマチックなことが起きたのだ、たぶん。
いずれにしても、送る方も、受け取る側もこうした形で熟柿をやり取りするということは初めてのことで、何から何まで「へぇ~」「ほぉ~」の連続なのだ。
そして何より友人が驚いていたのは「熟柿というのは枝に取り残された赤い実が雪化粧する頃になって初めて目にするもので、こんなに早い時期から枝にブラ下がったままの熟柿を見るなんて生れて始めてだ」という点だった。
「まだ半分以上の実は色づき始めたばかりなんだから…」と「信じられない!」を連発する。
肝心の味だが、これがもう完全に熟しきってトロトロで、スプーンですくって食べるほどだったが、その甘いこと♪
友人宅のカキは渋柿で、毎年、アルコールで渋抜き処理したものを送ってくれているのだが、その味は絶品で、ボクはそのうちの数個を冷凍保存して「今わの際」用に保存している。
人生の最期が来たら一口食べてから旅立とうと思っているほどおいしいカキなのである。
その逸品よりも数段美味しい♪…というのがボクの感想で、アルコールで強制的に甘くしたものに比べ、自の熟成によって甘くなったものは「まろやかさがあり、さらに言えば雑味のない純粋で自然な甘さ」という印象である。
「想像を絶するおいしさ」と言ってもいいくらい。これが自然の奥深さというものなのだろう。
これはもう驚き以外の何物でもなく「へぇ~」「ほぉ~」を連発するしかなかった。
自然界がプレゼントしてくれるものの何と素晴らしいことか……もう大満足♪
こういう具合に表皮が自然に避けるほどjy区政が進み…
裂け目から中のみずみずしい果肉が覗く…
表皮が裂けてしまっているので、これ以上空気にさらすのを防ぐため一つ一つをラップで包み、冷蔵庫に入れた