昨日は秋分の日だった。
秋分の日、春分の日と聞くと、まず頭に浮かぶのは昼の長さと夜の長さが同じ、ということ。
小学校でもそう習った。
ところがこの‶常識〟が実は厳密に言うと正しくないんだそうな。
そんな馬鹿な。
だとすると日本の文部科学省は日本の子どもたちにウソの知識を教え続けていることになる…
どういうことなのか。
昨日の日の出は東京地方の場合、午前5時30分。日の入りは午後5時38分だった。
一目瞭然、昼間の方が8分長いことが分かる。
でも太陽が真東から上って真西に沈む日を秋分の日、春分の日って言うんじゃなかったっけ?
そう、それはそれで正しい。
じゃァ、どうして昼と夜の時間が違うの ? どういうことなのさ。
日の出時刻と日の入り時刻の定義に秘密がある。
日の出は太陽の上の縁が地平線に触れた瞬間を指し、日の入りの場合は太陽の上の縁が地平線の下に完全に沈んだ瞬間のことを指す、とそれぞれ定義されているんだそうな。
地平線から現れた瞬間を日の出と言うなら、地平線に触れた瞬間を日の入りとしてもいいように思うが、実際は定義の通りなのだから、この太陽の直径分だけ、つまり太陽1個分だけ昼間の方が長いという訳なのだ。
かくして齢ウン十歳にして真実を聞かされたワタクシめは「へぇ~」「ほぉ~」と感心させられることしきりであります。
これじゃ石川五右衛門じゃぁないけれど ♫ 浜の真砂は尽きるとも、世に‶ヘーホーロク〟の種は尽きまじ…じゃないのサ。
小学生の時に一緒にこうした事実も教えてくれていれば、今更「えっ! そうだったの」と驚くことも無かったのに…
それほど小難しい理屈じゃないし、知識として耳に入れてくれていたらよかったのに。
さて「へぇ~」「ほぉ~」ついでに、もう一つ昼の方が長くなる理由があるそうな。
大気の屈折が関係しているとか。
「地平線付近にある太陽からの光線は、大気中を通過する際に屈折して私たちに届く」そうで、「実際には地平線の下にある太陽が見かけ上、地平線の上に浮き上がって見える。この浮き上がりの事を『大気差』と言い、太陽1個分の差がある」のだという。
つまり、われわれが地上で秋分の日と春分の日を日の出から日の入りまでを目撃したとして、それを時間に換算すると昼夜の時間は同じではなく、太陽2個分、つまり昼間の方が16分も長いということになるんだそうな。
ここら辺までくるといささか七面倒くさいことになるから、「大気差」はこの際脇に置くとして、昼間の長さと夜の長さが等しくなるのは、秋分の日の場合は3日後の26日。
26日こそ仲良く昼と夜が12時間ずつってことになるんだろうな。
まっ、こういうことは天下の大勢とは関係ないことだけど、だんだん日が短くなっていくってのが何より寂しい…
(見出し写真はナンテンハギ? 近所の神社の土手に咲いていた)
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