庭の夏ミカンを収穫し終えたばかりなのに、気が付くともう枝という枝に白い花が咲き、辺りに柑橘独特の甘い香りを放っている。
何だか最後の実がもがれて離れていくのを待ちかねていたようでもあり、手回しの良いことである。
まぁ、ボクにすればそんな夏ミカンの事情はどうでもよいことで、花が終わればまた沢山の実をつけてくれさえすれば十分に満足なのだ。
今年は全部で17個だったから、次は倍の34個は期待したいね ♪
花を写そうとしていたら、いきなりスマホの画面に飛び込んでくるものがあって、ん?と思ったらお腹に黄色の花粉団子をくっつけた黒くてずんぐりしたハチだった。
見ていたら、実にせわしなく花の上を動き回り、オシベにのしかかって蜜を吸っている。
あれじゃ花粉団子も大きくなるわけだ。
わが家には、この夏ミカン以外に鉢植えにしたレモンがあり、こちらも今花盛りを迎えていて、やはり甘い香りを漂わせている。
レモンは玄関の脇に置いてあるから出入りの度に近くの夏ミカンの香りとともに香りの協奏曲を奏でている。
それでふと ♫花たちばなも匂うなり 軒のあやめも薫るなり ♫ という歌詞を思い出した。
前後がどうなっているのか、何の歌詞なのかさっぱり見当がつかなかったので、ネットで検索してみたら雅楽の名曲の「越天楽」に歌詞を付けた古い歌謡で「越天楽今様」(慈鎮和尚作詞)の歌詞の一部だったことが分かった。
YouTubuで聞いてみると、なるほど雅な雰囲気にあふれていて、ボクは「これいいなぁ!」と大いに気に入ったのでアリマシタ。
歌詞は四季に分かれていて、夏の候では花たちばなと軒のあやめの2小節に続いて ♫ 夕暮れさまのさみだれに 山ほととぎす名乗るなり…と続く。
‶夕暮れさま〟って表現にははじめてお目にかかった。
敢えて「さま」を付けるところに古の人々の闇や夕暮れに対する畏怖の念が込められている気がしますな。
ここでも欠かせないのはホトトギスで、ボクも今日か明日かと初音の名乗りを待ちわびている。
もひとつ得た新しい知識では、古語の「たちばな」は食用柑橘類の総称を指す言葉でもあるというから、わが家に漂う心地よい香りはまさに「たちばな」の香りなのだ。
今、ボクの家の玄関先は ♫ 花たちばなも匂うなり ♫ なのである ♪
夏ミカン
こちらはレモンでアリが訪問中
たちばなの香りに加えてバラの香りも愛でようと庭に回ったら、カツラの木の下にこんなものが落ちているのに気付いた
直径10cmかそれに満たないくらい小さな鳥の巣 !?
冬の間に葉の落ちたこずえに2つの小さな巣があるのは確認していたが、そのうちの一つだろうか
巣の内側の底が何となく古びているように見えたから、既に使われなくなった巣が連日の強風のせいで落ちて来たのならまだいいが、これが新しいもので、もしかしたらタマゴでも入っていたり、ヒナでも居たりしたらしたら…
となると、他の鳥に攻撃されて落ち、既に卵もヒナも…と思うと恐ろしい
バーガンディ・アイスバーグ
ブラッシング・アイスバーグ
両花ともそろそろ真っ盛りを迎えるほどに咲きそろい始めて来た ♪
この2つの種類はほのかで上品な香りの持ち主で、朝早い頃などに庭に出るとかぐわしい香りが辺りに漂って、思わず「!♪」と足が止まる