定数26に37人が立候補していた。投票率は46.33%で前回の44,99%は上回ったとは言うものの、戦後19回の市議選では2番目の低投票率だったそうである。
で、大して関心はなかったのだが、投票には行ってきた。
前の晩に選挙公報を見て吟味してみたが、ろくな候補はいないなぁ、というのが正直な感想で正直がっかりしたのだが、まぁ白紙にするくらいならと思い直した候補が1人いて、そいつに投票してきた。
翌日の朝刊に載った開票結果を見てびっくりした。何とボクが投票した候補がトップ当選していたんである。
しかも2位に倍以上の差をつける6198票。
ちなみに調べてみた前回選挙のトップ当選者の得票数は3012票だから、軽々と2倍も上回っている。
これは明らかに何かがあったとしか思えない。
議会ウオッチャーでもないし、新聞は何も触れていないから何が起きたのか全く分からないが、市議選で一気に6000票超を集めるとは、これまでの記録かもしれない。
3期目の当選となったこの議員のことは知らないとはいえ、通勤途中の朝、駅で時々見かけたものだ。
議会報告のビラを配っていたんである。
時々受け取ってはみたが、字が小さくてびっしり書かれているし、中身だって面白いはずがないから途中で投げ出していたが、地道にやっていたことは確かなようである。
他にはこういう議員を見かけなかったから、一味違っているのかもしれない。
どうやら鎌倉市観光協会の「雇い止め疑惑」を追及した張本人の一人らしい。
この疑惑がもとで花火大会が一時中止になるなど市民の不興を買ったのだが、後で知ったことだが、彼は「花火大会そのものの補助金は新年度予算から削っていないのだから、市の職員が肩代わりして開催すればいいじゃないか。市には1300人も職員がいる。二重行政のようなところがおかしなことをやっているのをただすのが筋だ」とホームページで反論していた。
結果はその通りになって、市の職員が肩代わりして予定通り7月19日に開催されることが選挙運動期間中に決まったのである。
これが大量得票に結びついたのかどうかは分からないが、選挙公報には「我人に媚びず 富貴を望まず」とか、わざわざ「完全無所属」などと書き込んでいる候補である。
前回選挙でも2960票を集めて2番目で当選している。今時珍しい一途な議員なのかもしれない。
まぁこのトップ当選を「異変」と呼ぶのなら、もう一つ異変があったというべきだろう。
2位が2803票で7回目の当選を決めた共産党の女性候補であり、何と4位も5位も共産党候補だったんである。
おまけに議席を一つ増やし、現職も得票数を伸ばしているんである。
共産大躍進なのだ。
地方議会に国政の勢力分布を持ち込んでもほとんど意味はないが、この結果、自公共が3議席づつで並び、ネット2、民進1、無所属14となる。
関心がないようでいても、実際に投票所に足を運ぶ有権者は既成政党やその政治に厳しい目を向けているということだろうか。
東京・美濃部、神奈川・長洲、横浜・飛鳥田、川崎・伊藤と、次々に首都圏の大都市の首長が革新系に代わり、「革新メガロポリス」と呼ばれた1960年代後半からの一時代の先駆けとして、鎌倉は当時の社会党と共産党の公認候補を当選させた街である。そういう伝統が今でも生き残っているんだろうか。
いずれにしても、世界中で既存の権威や既成政治が民意を掬えなくなってしまっている中で、日本だけは例外的な存在でいることがおかしいのだ。
有権者はアベなんちゃらのやることにもろ手を挙げて歓迎しているわけではないのだ。受け皿さえあれば一気に流動化するということを、とるに取らない古びた街の議員選挙が示しているのだと思う。
う~、押しつぶされるぅ~! 横浜イングリッシュガーデンのオオデマリ
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