バジルのポット苗を買ってきてプランターに植えていたら葉が勢いよく茂り、挙句に花まで咲き出してしまった。
バジルの花を見るのは初めてで、葉そのものもそれほど大きくはないからだろうが、とても控えめな花なのだ。
派手な花を咲かせる食用植物、つまり野菜の類は押しなべて地味なものが多いように思えるし、実際きれいで派手な花をつけるものなど見たことはないから、それはそれで野菜界におけるスタンダードなことなんだろうと思うが、それにしても…という印象である。
花があまりに小さいのでスマホで撮っても良く見えない。で、100円ショップで売っている接写レンズをつけて撮ってみたのだがピント合わせに苦労した。
結局ピンボケしか撮れず、それでも何とかましなものをこうして掲げてみると、立派なメシベとそれに対比するかのようなオシベが目立つ花だということが分かる。
実や茎、根っこを口にする野菜と違って葉を食べるのが目的だからどんな実や根っこが出来ようと一向にかまわないが、「種」の保存に特化した実用本位の花を咲かせる道を選んだということのようである。
瑞々しい葉があまりにもたくさん茂るので妻はこれを何とかせんと葉を集めてソースに仕上げた。
このバジルソースをパスタに絡めてジェノベーゼにして食べたのだが、ボクはこういうシンプルなパスタが好きで、ペペロンチーノの次に好きなパスタだと言ってもよい。
しかも手作りというのがまた一味も二味もプラスの味わいをもたらすものなのだ。
カツオの刺身もバジルやシソ、ルッコラ、イタリアンパセリ、レタスの仲間などプランターで栽培している葉を使ってカルパッチョにしたらこれもとても満足のいく味になった。
プランター菜園も捨てたもんじゃないのである。
ただ、写真に写っているミニトマトはスーパーで買ったもので、わが家のプランターのミニトマトがまだ青くて間に合わなかったのがいささか画竜点睛を欠く結果となってしまった。
父親が海外出張で寂しいから遊びに来て、という誘いを受けていそいそと姫のところに出かけたのだが、ネックレスとイヤリングをねだられてびっくりした。
春休みのころにリップクリームに関心を持っていることが分かり、なるほど近頃の小学校4年生はそういうことであるのか、と認識を新たにしたばかりである。
それから大して月日が経ったわけではない。
母親の許しも出て、実際の品物選びも母親がアドバイスしてという風に、親公認とあらばそれはそれで納得するしかないのだ。
財布の担当は甘いジイジとバアバの役目なので買ってあげたのだが、もちろん貴金属といえるシロモノではないが、それでも姫は大喜びである。
家に帰るなり品物を取り出してネックレスをするところは見物させたくれたが、イヤリングをする段になると「ジイジは見ちゃダメ! 」と言われてしまった。
どうやらイヤリングは彼女にとっても大冒険らしく、似合うかどうかも分からないからまだ見てくれるなということなのか、はたまた身支度を男性には見せまいとする女性特有の本能なのかは知らないが、ともかく見られるのを嫌がったのが印象的であった。
そんな孫娘の姿を目の当たりにして、ん? これはもしかして巣立ちの季節を迎え、羽ばたこうとしている一人の女性がボクの目の前にいるってこと? ボクはそれを今まじまじと見ているってこと? などと結構複雑な思いをさせられたのである。
「たじろぐ」という表現はこういう時に使うものだということも再認識させられた。
妻に言うと「何言ってるのよ、ここは地方都市だから4年生だけど、東京のど真ん中だったらもっと早熟よ」と一蹴されてしまった。
ボクにも娘は2人いたがすれ違いばかりで、こんな姿は見せてもくれなかったし、気付きもしなかった。それだけにボクにとっては驚きの出来事だと言ってよい。
でも、この程度はまだ序の口に違いない。それなりの覚悟をを決めておいた方がよさそうである。
*写真はようやく開きかけてきたエキナセアの「グリーン・ジェル」
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