かつての鎌倉郡玉縄村の名前から命名されたサクラがある。
1969年に誕生した品種で、鎌倉市大船にある県立大船フラワーセンターでソメイヨシノとオオカンザクラの自然交配によって生まれ、その後、接ぎ木用の台木を作るためにタネを蒔いたところ、偶然早く芽が出るものがあり、それを選別することでソメイヨシノの早咲き種として確立された。
「タマナワ」はフラワーセンターの所在地がかつての玉縄村であることに由来する。
早咲きのサクラは花弁の色が濃くなるのが一般的だそうだが、タマナワザクラの花弁はソメイヨシノ同様、薄いピンク色をしているので、ソメイヨシノが咲いているのかと見まごうばかりと言っていい。
ソメイヨシノの早咲き種なのだから当然だが、開花時期が2月下旬から3月下旬までと長いから、ソメイヨシノが2月から咲き続けているのと何ら変わらないことになる。
そのタマナワザクラが今年も散歩道の途中の家の庭で咲き始めた。
昨日一昨日の暖かさで咲き出したらしく、まだチラホラとしか咲いていないが、青い空を背景にした薄いピンクの花びらを見つけた時は「おぉ♪」と思わず声が出た。
サクラの世界ではカワヅザクラが春の戸口をノックし、今まさに真っ盛り。次いでタマナワザクラがバトンを受けて力走を開始し、ソメイヨシノへとつないでいく豪華リレーこそ"黄金のサクラリレー"と呼ぶにふさわしいのではないか♪
産声を上げてから今年はちょうど55年。生まれ故郷の大船フラワーセンターには何本も植わっていてこれから見頃を迎えるが、このほか、大船駅のすぐ脇の小高い丘の上にある大船観音の境内や大船駅前繁華街のはずれにある砂押川プロムナードなどでもまとまって咲く姿が見られるそうだ。
気温の上下動の激しさには呆れさせられるが、タマナワザクラも咲き出して、今年の春の足取りそのものは順調である。
タマナワザクラが咲き始めた♪
ソメイさん家のヨシノちゃんに瓜二つ
それもそのはず、ソメイヨシノの早咲き個体だけを選抜して産み出された品種なのだ
昨日の鎌倉の最高気温は21.7℃
今日は一転最高気温の予想は10℃に届かず、しかも1日中雨の予報
この先の予報も気温は低く、雨か曇り予報ばかり…
午前中、2時間ほど毎年ウグイスの鳴き声が降って来る山道や緑の深い公園などを歩いたが、ウグイス以外の鳥のさえずりは賑やかに聞こえても、ウグイスだけはうんともすんとも声を立てなかった
きっと今日からしばらくの間、再び冬に逆戻りすることを察知しているからに違いない
毎年楽しませてくれる散歩道のタマナワザクラ
富士山はぼんやりとした雲間に紛れて見えない
(ただし画面中央やや左、中央から左下に流れる裾野付近の稜線の一部が見えている)