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平方録

ボクは日本酒を顔に塗りたくることにした !?

思いがけない展開になったものだ。
山の神と散歩に出た帰り道、ドラッグストアに立ち寄った時のこと。
手足を目いっぱい露出させて自転車を漕いだり、太陽の光を浴びる時間が長いものだから、これからの季節、日焼け止めで効果の高いものはないかと物色していたのだ。
様々な日焼け止めが並んだ棚の先に男性化粧品が並んでいて、普段はそんなもの見向きもしないのだが、興味本位にどんなものが並んでいるのかとしげしげ眺めてみると…

「日本酒保湿化粧水」「菊正宗」と真っ白な容器に墨痕鮮やかに記された品に目が止まる。


ん? 菊正宗ってあの灘の生一本のキクマサか?
「菊正宗」と言えば、蕎麦屋などに入ってお酒を注文するとき、そそられる銘柄がなくてがっかりするような時、この菊正宗辛口とか、菊正宗樽酒などという名前を品書きに見つけると「オッ、キクマサがあるならそれでいいや」と仲の良い旧知に出会ったようなホッとした気持ちになれる酒なのである。  
そんな老舗の酒屋が化粧品とは、またどういう風の吹き回しなのか…

件のボトルを手に取って裏側に書かれた能書きを呼んでさらにびっくりさせられる。
曰く「純米吟醸酒と酒粕エキスを保湿成分として配合した乳液タイプのすっきり化粧水。肌に潤いを与え、乾燥を防ぎながら肌のコンディションを整えます。
化粧水、乳液を基本とするスキンケアがこれ1本で完了します。ベタつきが少ないので顔はもちろん全身にもご使用いただけます。」
なんだよ、日本酒そのもので出来てるんじゃん!
挙句にこんなことまで書かれている。
「本品は食品ではありませんので飲めません」

山の神が近寄って来たので「こんなものがあるぞ」と見せると「買ってあげるわよ。お腹の中からきれいにしているんだから、外側も磨いたら」なんぞとぬかしやがる。
そうか、この際外見も磨いて妙齢女性がボクにすっかり酔いしれるようにしてみるかという気になる。
今朝、このブログを書くにあたって封を切り、手のひらに一滴垂らしてみると、乳液らしく白い液体が出てきた。
匂いはなく、頬に塗り付けてみるが、なるほどベタつきもない。
これなら抵抗なく使えそうである。

かくしてボクは、生まれて初めての化粧水とやらを顔に塗りたくることになった。
ジジイの春の目覚め…であります。
それにしても、あの馴染みの銘柄を作り出している老舗の酒屋が化粧品づくりに乗り出しているなどということは思いもよらなかった。
わが認識の至らざるを恥じ入ると同時に、世の中の進み具合に瞠目させられる思いである。
大袈裟かなぁ…



卯の花が咲き出した。ウツギとも呼ぶが、卯の花の方がよっぽど好ましい。
ブロ友さんの女流画家さんは直近のブログで森を歩いて「いよいよ初夏の白い花が咲き始めました」と記していた。卯の花もまさに初夏の白い花の一つ。


卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来鳴きて 忍び音もらす 夏は来ぬ…♪
この歌、大好きなんだ。これでホトトギスが鳴き始めると初夏だね。早く初音を聞きたい。

コメント一覧

平方録
グランマさん おはようございます。

えぇ、磨きますとも、ピッカピカに♪
女性用の化粧品もあるんだそうですよ。機会があればお試しあれ。
グランマ
男のスキンケア
https://blog.goo.ne.jp/gurandma-su-2013
平方録さん

菊政宗の化粧品 初めて知りました
男を磨いてください
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