本来は8組16人が集うはずだったが、そこはそれ、齢を重ねると自分の意思でだけでは制御しきれない諸事情というものも加わってドタキャンが出たり、結局、偶数であるべきところも奇数の11人となった。
十数年前に某業界の“江戸家老”を務めた連中で、ツレアイも含めた年に1度の集いが続いている。
去年はそのうちの仲間1人を病気で奪われ、中止してしまったので2年ぶりの開催である。
今まで現役時代は手形御免でありとあらゆるところに顔を出し、飛び回ってきた連中だから、年がら年中じっとしているなんてことはおよそ不可能で、窒息しないように、それぞれ工夫もしているのだがそれとは別に年に一度の旧交を温める機会というのは貴重なのだ。
みんなニコニコ顔で集まってきた。
目の前の浜辺に降りて波打ち際まで行ったのだが、「海までは100キロある」という連中がほとんどで、喜んでいるのが印象的である。
彼らには非日常の景色だったんである。
逝ってしまった仲間への献杯で始めた宴会でも流石に酒量は若干減ったし、早寝早起きが身について夜更かしもなく、というか夜更かしなんか出来ない状態になっていて、10時過ぎには船を漕ぎだす健康老人もいて、何となくお開きになる健全ぶりである。
要するに他愛の無い老人になりつつあるようなのだ。
ということで、特筆する事柄も特にないのでこの辺でおしまい。
今日はこれから北鎌倉で宝物の風入れを見、ミシュラン一つ星の日本料理店で精進料理を味わう予定である。
それぞれに歩行の速度も違ってきているし、人混みに紛れちゃわないかどうかやや不安が覗くが、その時はその時だ。
広々した場所に出ても何故か一か所に固まるのだ
群れない者もいるにはいるが…
東京湾を満月に近い96%の月が照らす
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