9月13日にピートバンに蒔いたパンジーのタネ3種類の内の「モルフォ」という明るい青色と黄色のツートンの品種(見出し写真)につぼみが付いているなぁと思っていたら、ここ数日の暖かさが背中を押したと見えて初めて花を1輪咲かせた。
たったの9週間で花が咲くというのは、40年近く毎年欠かさずパンジーのタネを蒔いてきたボクにすれば「一体何が起こったのだろう?」と驚くしかない。
例年は8月の暑さの盛り、だいたい終戦記念日を目安にタネ蒔きをして、花が咲くのは師走に入ってからで、それも早いもので中旬頃から咲き出して正月を彩る感じだった。
つまりタネを蒔いてから4か月かかって花が咲くのがパンジーだったのだ。
ひと際顕著だったこの夏の猛暑の中で、いくら何でもここまで暑いと発芽は難しそうだと心配になり、ひと月ずらして蒔いたのだった。
そんなわけでひょっとしたら正月に間に合う花もあるかもしれないが、年明けに咲いてくれれば十分だと思っていたから驚きもひとしおである。
今年の南関東は9月の半ば過ぎから10月の半ばくらいまで秋の長雨にたたられ続け、ようやく晴れ間が戻ってきたと思ったら、今度は一気に季節が先に進んでしまったかのように気温の低い日が続いた。
そしてここ10日くらいは気温の高い日が続いて、一昨日などはあわや夏日到来かと思わせるほど気温も上がり、夏大好き人間のボクにとってはありがたいことだが、いくら何でも季節を逆戻りさせるような真似は不自然で無理があり、やり過ぎじゃないの…と呆れてもいるのだ。
そんな目まぐるしいイレギュラーとも思える気候変化の只中で、昨日咲いた1輪は仲間の中の異分子的な存在でもなんでもなく、他にも種類も違えていくつもの株が花芽を太陽に掲げて今や遅しと開くのを待っている。
それにしたってまだ9週間、しかもまだ11月だというのに…
例年、つるバラは秋には咲かないのだが、今年に限っては「伽羅奢」に何輪もの花が咲き、初夏の開花が散々だった「ローゼンドルフシュパリースホープ」にも忘れ物を届けに来たように4、5輪の花が咲いている。
地植えのブラッシングアイスバーグやバーガンディーアイスバーグなども季節をずらして今頃秋バラシーズン中である。
例年だと10月になれば咲き出していたから、いずれにしてもひと月遅れということになる。
そして鉢植えの自慢の「空蝉」も一時は暑さに傷んで葉を落としかけたが、ようやく復活して葉を茂らせ始めたと思ったら今度は株一杯につぼみをつけ、これまた今、遅ればせながら目を楽しませてくれている。
でも、正直言うと、どこか痛々しい感じを受ける。健気なだけにより一層そういう感じを受けるのだと思う。
それにしてもあちこち移動も出来ず、一旦座を占めると生涯その場所でじっとしていなければならない植物にとって気候の変化は大変なことだろう。
それだけに、自然治癒力というのか、自己回復力とでもいうのか、植物の生命力の強さはひときわ際立っている。
そしてつくづく思う。こいつらしたたかだなぁ…と。
猛暑で散々な目に遭った「空蝉」がようやく回復し、午後の柔らかな陽を浴びて香り立つ
見出し写真は、まだ発色は良くないが青と黄のツートンの花が人目を引き、春の陽気な気分を引き立てる「モルフォ」という品種の一番花