昨日の夕食のおかずはサンマの塩焼きだった。
もちろん今シーズン初めて。わが家の"初サンマ"。
体長30㎝にも届かず、やせっぽちで見た目にはそれほどおいしそうなサンマではなかった。
しかし、幸いなことにガスレンジの魚焼き器の底には"大量"の脂がしたたり落ちていて、見た目の貧弱さとは裏腹に脂がたっぷりのったサンマだと、山の神は少し驚いたようだった。
実際、口に運んでみると、確かに脂がのっていて身がしっとりとした感じで"ディス イズ サンマ!"とでも叫びたくなるくらいおいしい。
徳島の友人が送ってくれた特産のスダチを大根おろしに垂らし、魚体にもスダチを絞りかけて食べたので、サンマの味はいっそう引き立ったようである。
…ということで、それなりの満足感は得られたものの、サンマにより深い"良い思い出"を持つボクは「それにしてもなぁ…」と、深いため息を漏らすのである。
毎年やせたサンマを食べるたびに思い出す。
もう、数年前のことになってしまったが、急にサンマが獲れなくなる以前、岩手の友人が大船渡の網元から直送してくれたトロ箱いっぱいの特大サイズのサンマのことである。
ぎっしりと詰められた氷の中に40㎝は超えようかという特大サイズの丸々太った、見るからに脂ののったおいしそうなサンマが20尾ほど入っているのを送ってくれていた。
その頃のサンマは特大サイズでも浜値は知れていて、恐縮するボクに「なんの、あんな猫またぎ」といって涼しい顔をして送り続けてくれたのだった。
それが、パタッと音沙汰が途絶え、街の魚屋やスーパーの店頭から姿を消して何年が経つだろう。
ようやく少し獲れだしたようだが、やせっぽちばかり。
友人もブツが手に入らないのだから送れるわけもなく、獲れだしたといってもやせっぽちを送れるわけもなく、今に至っている。
あの当時、我が家だけでは生サンマを20尾新鮮なうちに食べきるのは不可能で、娘のところやご近所にもおすそ分けしつつ、トロ箱の中に入っていたチラシから「三陸漁師おすすめ」というサンマを生で食べる方法があることを知り、これにはまってしまい、一人で一度に特大サンマを3尾食べてもまだ物足りないくらいのおいしさに大感激したものだった。
香味野菜のみじん切りをたっぷり敷いた上にサンマの刺身を乗せ、さらに上から同じ野菜のみじん切りを雪のように降らせ、冷蔵庫で冷やした後、日本酒やしょうゆなどで作った特製のタレかけまわして食べるだけだが、あれはホントにおいしかった♪
あの再現はいつになったら可能なりや…
ベランダのスーパートレニアの花にホシホウジャクがやってきて盛んに蜜を吸っていた
ガの仲間のくせに昼行性で真昼間に活動するが、ガのようには嫌われない
飛び方はチョウのようにヒラヒラではなく直線的
その飛翔力には目を見張るものがある
蜜を吸うにも止まることはない
ホバリングしながら口先の吸蜜管を鼻の奥まで伸ばして蜜を吸っている
おいしかったけどやせっぽちな今年の"初サンマ"