季節季節の節目の中で「春分の日」という存在感は特別なものがある。
特に野遊び大好き、家でじっとしているより暗くなるまで外で遊んでいたい種類の人種にとっては、この日を境に昼間の時間の方が長くなるという一事をもってしても赤飯を焚いて喜びたい気分で、灼熱の恋が実るように人生がパッと明るくなってウキウキしてくる。
この特別な日をどう過ごすかは案外重要で、今年は墓参りを早く済ませておいたので、そのために時間を割く必要はなかったが、例年どおり彼岸の中日の天気はぐずつき気味なのが玉に瑕である。
正岡子規のお母さんの口癖は「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」だったそうで、子規はその口調をちゃっかりそのまま句にしてしまったが、幸いなことに今年の彼岸は今のところ暖かい日が続いていて「暑さ寒さも彼岸まで」の言い伝えどおりなのが嬉しい。
風がちっとも冷たくないというのは大特典のようなもので、午後から庭の草取りをすることにした。
何度か書いていることだが、地面にはいつくばって雑草を引いているとそのことだけに集中でき、長い時間やってもへっちゃらなのが不思議なくらいである。
坐禅をしている時、自分でも呆れるくらいに次から次へと雑念が湧いてくるのとは大違いで、草むしりを続けているといつかは悟りが開けるんじゃないかとさえ思う。
昨日は草取りを始めると青空が広がり始め、風がない所に持ってきて柔らかな日差しが降り注ぐものだから、うららかな気分での草むしりになってしまった。
これは思いがけないことで、草取りがはかどっただけでなく、こぼれダネであちこちに芽を出していたクロタネソウの苗の植え替え作業まではかどったのは嬉しい誤算というべきか。
夜半から大雨になるという予報が出ていたので、移植苗が活着するのに必要な水分は十分補給されると算段したのだ。
カツラの根元にタチツボスミレの株も何株か移植したので、タネが周りにとび散って、うまくいけば来年以降タチツボスミレの群落が出現するかもしれない ♪
バラの生育は順調で、数日前に散布した黒点病とうどんこ病の予防に効果があるという植物由来の予防液を散布したせいか、葉の勢いや1枚1枚の照りがとても素晴らしく、気分を浮き立たせるのに一役も二役も買っている。
かくして、コロ公の近寄れないわが庭でカレル・チャペックを気取りつつ、春分の日を寿いだのでアリマシタ。
蛇足だけれど…春分の日は既に昼の時間が12時間6分と、夜の時間より6分も昼の時間が長くなっている。
何時から逆転していたのか調べてみると16日が11時間59分だったのに対して翌17日は昼が12時間1分と、たった1分だがそこが分水嶺になっていた。
今日は昨日より4分も延びて12時間10分だってさ。ぐんぐん伸びていくのが小気味いいね ♪
マンサクと言いタンポポと言い、早春は黄色で染まり始めるようだ
北鎌倉・浄智寺のサンシュユ
こちらも浄智寺のサンシュユ
同じく浄智寺のサンシュユ
お隣の東慶寺のサンシュユ
北鎌倉・円覚寺黄梅院のミツマタも黄色
見出し写真も黄梅院のサンシュユ