弱い降りなので、雨に体をさらしてもびしょぬれになるほどではないが、身体を包む夜明け前の空気に在りし日々の親しみは感じられない。
夏が去ってしまって以降、秋晴れの日はどれくらいあっただろうか。
9月は長雨の季節だから雨が多いのも致し方ないとして、10月はもう3週目に入るというのに「天高く馬肥ゆる秋」という表現は死語になってしまったかとも思う。
今週の関東地方の天気予報も曇りのマークばかりで、お日様マークはどこにも見当たらない。
部屋の温度はかろうじて20度を示してはいるが、パソコンの前に坐ってキーボードたたいていると足元から冷たい空気が忍び寄ってきて、暖房器具が恋しくなる。
20度もあるじゃないかと、デジタル表示を見やってその考えを打ち消しては見るが、気休めにもう1枚なにか羽織らなければと席を立つ。
……フリースを引っ張り出し、足元には少し厚手の靴下をはいてベッドの脇に放り出していたスリッパを引っかけると、ようやくさっきまでの冷たさから逃れることが出来た。
10月って、こんな感じの季節だったっけ?
先月30日から今月1日の未明にかけて吹き荒れた台風24号の猛烈な風にあおられて、2階ベランダの壁際に寄せていた鉢植えのバラの「空蝉」が倒されて鉢が破損してしまった。
この鉢はリタイアの記念にと大枚10万円超を払って買い求めたイギリス・ウィッチフォード製だった。
破損したのは全体の3分の1に当たる上辺部分で、根が張っている部分はどうにか破損を免れていたので新しい鉢が見つかるまではとそのままにしておいたのだが、時間が経ち過ぎた。
仕方なく後継に選んだのは手近なホームセンターに山積みされていた、それでもイタリア製と称する鉢で、値段はなんと1380円!
ウィッチフォードの80分の1である。
もっとも鉢を楽しむのではなく、花を楽しむのだから鉢は二の次と割り切った。
間もなくすれば冬支度も整えなければならないし、新たに気に入った鉢が見つかるまでの仮の宿として妥協したのだ。
新しい鉢には乾燥を避けるためと防寒の意味合いも兼ねて内壁に沿ってビニール袋を割いたものを張り付け、腐葉土と牛糞、赤玉土でブレンドしてホカホカになった用土をたっぷり入れた。
鉢底に近い所にはぼかし肥料も施しておいたから、これでもう万全のはずである。
時期が来たら寒肥をやり、日当たりの良い2階ベランダで冬を越せば、塩で痛んだ株も全く何事も無かったように初夏を迎えることだろう。
植物の強さというのは想像以上で、塩害でやられて散ってしまった葉の代わりに、もう新しい葉が芽吹いてきている。
バラだけではなく、カツラやナンキンハゼの枝にも季節外れの新芽が目立つようになってきて、植物のたくましさには本当に驚かされる。
今回の塩害のひどさはひとしおで、大船にあるフラワーセンター内のバラ園は秋バラシーズンの公開をあきらめざるを得ないほどだという。
でも心配はないだろう。
植物が秘めている自然治癒力には侮れないものがあり、ちょっと安めば必ず復活してくるに違いない。
そういう意味でも、次の春は一層楽しみで、待ち遠しい ♪
ちょっと気が早すぎるか。
上辺部分が欠けてしまった「空蝉」の鉢の交換作業開始
去る10月1日あ午前4時過ぎのベランダ
ウィッチフォードの鉢に比べると如何にもダサい感じがするが、やむを得ない
塩もみにされてダメになった葉の後にもう新葉が展張し始めた「空蝉」
こちらの「セント・オブ・ヨコハマ」にも新しい葉が
一時、成長が危ぶまれたパンジーの苗も落ち着いてきて、みるみる元気を取り戻してきている
異変を感じたのだろう、「みやび」の株がまだ小さいにもかかわらず蕾をつけている。このまま咲かせてしまうと成長が
止まってしまうので、可愛そうだがつぼみは摘まんでしまわなければならない
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heihoroku
ひろ
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