平方録

いつもと違う夏

立秋を目前にしたこの時期は6月や7月と違って午前4時は十分に暗い。
今朝はトイレから戻っても辺りが暗いので朝だとは気づかず、何となく時計を見たら4:08だったので、ああ、そうなんだ、という思いで起き上がったのだ。

試しに調べてみたら今日の暦は日の出4:54、日の入り18:40、太陽が昇っている時間13時間45分である。
これに対して6月21日の夏至の暦は日の出4:28、日の入り18:58、太陽が昇っている時間14時間29分とだから日の出で26分遅くなり日の入りで18分早くなっている。
したがって太陽が昇っている、いわゆる昼間の時間は44分も短くなったわけで、これは宇宙が規則通り動いていることの証明なのだが、夏という季節を好み、昼の時間が長いことを嬉しく思っている身にしてみれば、それが自然の摂理だと分かってはいても、悲しい兆しなのである。

この時期はまだ暗い4:20を過ぎるとヒグラシのセミしぐれが聞こえてくる。
これは雨でも降らない限り、暗かろうが明るくなりかけていようが変らない。
次いで4:30になるとパソコンが置いてある部屋の前のカツラの木のてっぺん付近から甲高く澄んだ鳥の鳴き声が響き始める。
パソコン画面とは目と鼻の先のような距離関係だから、結構大きな音量である。

最初はガビチョウかなと思ったのだが、どうもちらっと見えた姿はスズメくらいの大きさに見えたので、違うようだ。
だとすると何の鳥なのか、鳥音痴の身には皆目見当がつかないが、強いて言えばシジュウカラに近い気もするが、ちょっと甲高過ぎるし、ツツピーツツピーという鳴き方とは明らかに異なるのである。

案外敏感なヤツで、姿を探そうとベランダのガラス戸に近づいただけで気配を察して暗い空の中に消え去ってしまう。
この鳥が去ると間もなく、ミンミンゼミが鼻にかかるような鳴き声で鳴き始め、やがてアブラゼミがそこに割って入るようになると、東の空はすっかり白んできて、様々な鳥の鳴き声も混じって騒々しくも活発な朝がやってくるのだ。

ただ今夏は皮肉にも気象庁が梅雨明けを宣言した翌日辺りから本格的な梅雨が始まったかのように、雨が降り、降らなくてもうっとおしい曇り空の連続で、この状態は8月に入っても変らない。
姫たちが遊びにやってきても、青空が広がるようなこともなく、太陽が顔をのぞかせたのも、ほんのわずかな時間しかない。
内陸の町からせっかく海辺の町ちにやってきたのだから、せめて真っ青な空に入道雲が威勢よく立ち上る下で過ごしたいではないか。
海の水を全身に浴び潮風を体いっぱいに受けることで、これからやってくる冬も元気に乗り切れるというものである。

それができないまま、姫たちは予定を切り上げて今日帰っていく……。
イレギュラーな今夏を象徴するような事態になってしまった。







今朝のアサガオとニチニチソウの黒い花
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