ウグイスの初音は遅ればせながら届いたし、もう初音を求めて尾根道や森の中をほっつき歩く必要もなくなった。
幸いなことに、良く晴れていたし、午後は気温も上がりそうな雰囲気である。
この晴れ間と暖かさはこの日限りで、翌日から4日間も雨や曇りでしかも冬の寒さに戻るという予報が出ていたので、久しぶりに自転車を漕いでパトロールに出る気になった。
実に2月14日以来!ということになる。
出来ることならブログに使える写真も撮りためておきたい…
そんな裏事情もあって、まずは長谷の光則寺へ。
この寺は花の寺として聞こえ、しかし、長谷観音と長谷大仏に挟まれているというのに、観光客は近寄ってこない静けさがウリの"超穴場"なのだ。
残念ながらこの時期は端境期らしく、咲いている花と言えば残りウメとミツマタくらい。
セツブンソウも終わっていて、葉っぱしかなかった。
そういう庭だったが、谷戸の奥は風よけになってポカポカと暖かく、のんびり境内を散策していると、ウグイスが鳴いている。
前日に正真正銘の初音を聞いたばかりだったので、「そうか、長谷でも鳴き出したか♪」と同じ尾根続きの位置関係なのだから当たり前だが、嬉しくなる。
隣町の「庭先の四季」さんから「こちらでも初音を聞いた」とコメントが届いて、そうかそうかとうなずく。
今年の初音は遅れたが、いよいよ春の足音は確かになってきたというべきで、もうあちこちで鳴き出していることだろう。
かくしてウグイスに送られ、海辺の道へ出たのだが、想定外の風の強さである。
家を出る時には「今日はほぼ無風だな」という認識だったのだが、いざ東に進路を取って走り始めると、そこそこの向かい風が思った以上に鬱陶しい。
急に吹き始めたらしい。
そして海辺の国道に出ると南西の風がもろに正面から吹き付けてきて、前進するのに難儀させられるほど。
まったく昨今の天気予報ってやつは…
よっぽど引き返そうかと思ったが、風の抵抗をそらすために前傾姿勢を深め、稲村ケ崎から小動岬までの七里ヶ浜を息せき切って何とか漕ぎ切った。
ときどき突風のような風が吹き付けてきて、その度にハンドルがふらつくような感じがする。
実際にはそこまでふらつくわけではないが、直ぐ脇を車がそこそこの速度で走っているので緊張感は否が応でも高くなる。
予定では、さらにその先の湘南海岸自転車道のパトロールもしてこようと思っていたのだが、あそこは"砂嵐"だろうと思い断念し、家に帰る。
風に逆らって走っても、疲れるだけでちっとも楽しくない。
かくして19日ぶりのパトロール距離はたったの17km。
春の海辺は風が強い。しかも突如吹き始める。
佐保姫様の気まぐれな性格は変わっていないようである。
花の寺(長谷の光則寺)は残りウメしか…
頭上からウグイスの鳴き声が降って来た
古木の花もそろそろお終い
カイドウのツボミが膨らんでいる
本気のようだ
ここのカイドウは市の特別天然記念物に指定された古木で、5月に見ごろとなる
ウメのほかに咲いているのはミツマタくらい
青い空にミツマタの黄色が映えていた
梅の木の足元で大切にされているように見えたタンポポ
おっと、フキノトウも花開いて…
アセビも…
目を凝らすと幽かに富士山らしき輪郭の一部が浮かんでいるのが分かった=稲村ケ崎から