今回の青春18きっぷの旅では彦根駅前のホテルに泊まったが、お城があり繁華街が広がる正面玄関ではなく、裏駅に当たるような東口に下りたのだが、道路ばかりが立派でまだロクに建物もまばらにしか建っていない歩道脇に格安切符を販売する自動販売機がデンと据えられていた。
近づいてどんな内容の切符なのか見てみると、京都だ神戸だ関空だと行き先と料金が書かれたボタンが並んでいる。
お金を投入してボタンを押せばそこから切符が出てくる寸法で、夜中でもこうこうと明かりがついていた。
行き先は大阪方面が圧倒的に多く、東海道線を東に向かう切符は名古屋が目立つくらい。
彦根の住民の興味関心は西の大阪圏に向いているようである。
で、さらに驚いたのが「大阪[昼とく]」と書かれた料金表示で、見ると2枚入り、つまり往復利用できるわけだが、これが何と980円も安い2900円で売られている。
なるほど! これならランチ1食分が丸々浮くわけで、これは買いだなぁと思った。
もちろんJRの窓口でこんな切符は買えない。
ところで「昼とく」って何よ、と思ったら、これは昼間の空いている時間帯しか使えませんって言う切符で、自販機にはご丁寧に「彦根発9:05~15:53まで」と乗車可能時間が書かれていた。
「昼とく」ではない往復切符の場合だと3020円になってしまうが、それだって駅の自販機で買うより860円も安いのだ。
どういう理由で格安の切符が存在し得るのか、仕組みは知らないが、商売として成り立っているところを見ると考えさせられるものがあるというものだ。
年金暮らしのジジイには利用価値がありそうだなぁと思いつつ、関東地方でこういう商売をまるで見かけないのはなぜなのだろうと思った。
ボクなんか上野の森の西洋美術館などの美術館と国立博物館、国立科学博物館などが好きで、興味を魅かれる展覧会が開かれるたびに出かけるのだが、それこそ「昼とく」切符が売られていれば使いたいくらいだ。
帰りに上野駅にほど近いアメ横に立ち寄ってあれこれ物色したり、昼間からやっている立ち飲み屋辺りで焼き鳥とかハムカツなんぞをほおばりながら一杯ひっかけてご機嫌で帰ることも楽しみなのである。
980円も安く切符が手に入ればアメ横の立ち飲みで何杯飲めるというのか!
今回利用した青春18きっぷは5回使用可能で料金は1万1150円だから、1回あたり2370円。
これ2枚で鎌倉から滋賀の守山まで行き、帰りは彦根から京都を経て琵琶湖西岸をぐるっと回って東海道線の米原に出て戻ってきたわけで、鎌倉―京都の運賃が片道7560円だから5150円も安い。しかもこれは片道分。
もっとも期間限定切符だから使い勝手はいまいちだが、いざという時にはとてもありがたい切符なのだ。
格安切符以外にもう一つ、つくづく東と西の違いを感じたことがある。
通勤電車の編成と座席配置についてで、これを書き足すと長くなってしまうので次回に回そうと思う。
夜中でもこうこうと明かりが灯り、ひときわ目立った格安のJR切符を売る自動販売機=彦根駅東口の道路わき
大阪をはじめ、関西の駅名がずらっと並び様々な都市への切符が用意されていることが分かる
最大値引きは「大阪昼とく」の往復切符で980円のお得。こういう自販機、関西の人には当たり前の光景なんだろうけど…
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heihoroku
ひろ
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