わが家から車で30分もかからないところにあるコースだから楽チンである。
これが1時間も2時間もかかるようなところにあるゴルフ場となると一大事で、そこに到着するまでが一仕事だ。
早起きして出かけなければならないから寝不足で不機嫌になるし、それでプレーがうまくゆかずにスコアが思うように伸びなければ踏んだり蹴ったりの気分にさせられる。
近いというのはそれだけでありがたい。
そもそもゴルフは止まったボールをひっぱたく競技だから本来それほど難しいわけでもないはずだが、さに非ず、なところがミソなのだ。
美味くいくはずなのがうまくいかない。まっ直ぐ飛んでくれてもよさそうなのに、それがすぐ曲がってしまう。
ちょっとぐらい曲がるならいいのだが、ギューンと大きく曲がることも珍しくなく、そうなるとボールはヤブの奥へと消えていき、探しても見つからない。
そうなるとペナルティーが科せられるから成績は伸びないし、思うようにいかないことでイライラが募る。
楽しむつもりでやってきたのに何でイライラしなきゃならんのだ、とボヤいてもそれはルールだから仕方ないし、まっすぐに飛ばせるように練習するしかないのだ。
たかが遊びのために貴重な時間を割いて練習するくらいならいっそやめちまえとも思うのだが、世のしがらみというものはそうやすやすとは許してくれない。
かくしてますますイライラが募るという寸法なのだ。
ボクは会社の最高意思決定者とその次にエライ肩書を持つ2人から膝詰めで「立場をわきまえてくれ」と〝恫喝〟され、渋々芝刈り役に引きづり込まれた経緯があるのだ。
それまでは休みの日になればシーカヤックに乗って一人で相模湾に漕ぎ出していたのに。
組織の中にいれば組織にがんじがらめにされる。仲間との距離感もおろそかには出来ず、それなりの気遣いも必要だった。
だからこそ休みの日にはしがらみから離れ、孤独でいたかったのに…
そもそも男は群れてばかりいてはイカンのだ。
渋々付き合っていたゴルフだが、労働市場から撤退した今となっては昔の仕事仲間が誘ってくれる口実に格好なツールになった。
18ホール打ち終えた後は当然19番ホールに出向いて酒を酌み交わすことになるから、どちらかと言えばそっちの方が楽しみでもあるのだが、その前にひと汗かいておけば最初の1杯のビールのノド越しの美味さも格段に違ってくると云うものである。
美味い酒を飲むために汗をかく――そういう側面もある。
乗用カートのないゴルフ場なので最初から最後までテクテクテクテク歩くしかない。それもなかなかヨロシイ。
松林に囲まれたコースなので晴れていれば松と芝草の2色の緑に真っ青な秋の空以外には色のない世界が広がるのだが、残念ながら今日の予報は曇り空で太陽は期待できないらしいのが残念である。
予報なんかどうでもいいから顔を出してくれないかな、太陽。
わが家の庭ではなぜかこの時期になってホトトギスが盛りを迎えている
近所の道端にはノギクが
これは…?
塩害で葉を落としてしまった梢越しの秋の空
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heihoroku
高麗の犬
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