見出し画像

平方録

除夜の鐘がモミジの見ごろなんて…(鎌倉寺巡り番外編)

獅子舞の谷に紅葉を見に行ったのが1日。
イチョウはとっくに盛りを過ぎていて、一方でモミジはほとんど色づいていないちぐはぐさにがっかりさせられた。
満足感がないまま谷戸を出たのは仕方ないが、やっぱり物足りない。
ならばすぐ隣の谷戸の奥にある瑞泉寺はどうか…

結論から言うと、尾根を一筋違えただけの隣の谷戸なのだから条件も事情もほぼ同じ。
古くから紅葉ガ谷と呼ばれる谷に開山の夢窓国師が寺を開いた時、山号を「錦屏山」としたくらいだから、その錦秋の見事さは想像に難くないわけだし、実際、境内にはモミジの木も多い。
しかし、寺の人の話では「この谷戸の紅葉は例年遅く、今年は年末になるだろう」という。

年忘れ紅葉狩り、あるいは忘年会替わり、もしくは年越し紅葉狩りをご希望ならここ鎌倉の瑞泉寺がお勧めですよ、お立合い。
除夜の鐘を聞きながら明りに照らされた紅葉ってのもオツかもしれませんぜ ♪


拝観料200円ナリを払って境内に足を踏み入れると、梅林越しのはるか高い所に本堂の青い屋根がチラッと覗く

左は旧参道 右手の階段が新しく整備され、なだらかになった参道


長い階段を登って行った先にたどり着いた山門の周囲はモミジで覆われているが…

山門にはいつも俳句が掲げられている
今は飯田蛇笏の「墓参する篤きおもひに寒ゆるぶ」

山門をくぐるとすぐにに本堂(左)が目に入る


チラッと中庭が見える

境内はウメの木に覆われている




地蔵堂

年が明けてしばらくするとウメの便りが届くだろう

開山の夢窓疎石の手による庭園 岩盤を彫刻的手法で庭園となしている
ボクが高校生の時に初めてこの寺を訪れた時にはこの庭はなかったと思う
それもそのはずで、昭和45年に発掘、復元されている
この庭園を含めて境内一帯は国の史跡に指定されている

画面中央に大きく口を開けているのが「天女洞」だそうで 右側は坐禅をするための「坐禅窟」だという

池にも名前があって「貯清池」という

庭園は本堂の裏手にある


本堂裏手、庭園に大きなモミジの木があるが紅葉は今だし

錦屏晩鐘

鐘楼の脇に大宅壮一の碑があった 「男の顔は履歴書である」
そういやぁ大学生の頃この言葉を耳にして顔を撫でまわしたことがあった

境内には句碑が多い これは晩年を鎌倉で過ごした歌人山崎方代の歌
「手のひらに豆腐をのせていそいそと いつもの角を曲がりて帰る」
この漂泊の歌人を物心両面から支え、ねぐらを提供してもいた中華の名店の主は随分前に亡くなり、息子が継いだ店も今行くと別の店に変わってしまっている
歌人が豆腐を手に入れた豆腐屋も主が脳卒中で倒れ、15、6年前に店をたたんでしまった
すべてが昔話のようだ
この寺には山崎方代研究所があって郵便受けに表示されていた
ボクも歌集を1冊持っていて、この歌は好きな歌の一つ


ナンテンの実がこんなにたくさん 鳥も食べるのが追いつかないらしい

こちらはウメの木に寄生したマンリョウ

ズイセン寺はスイセン寺でもある ?! 

忘年紅葉狩りとやらをしゃれこんでみるか…と思案しつつ、山門を出るとする

鎌倉秋の寺巡りは計10回でおしまいにしたが、今回は獅子舞の谷に紅葉狩りに行って空振りし、ついでに立ち寄った臨済宗円覚寺派の瑞泉寺にもフラれた顛末をもって番外編としました。

コメント一覧

heihoroku
コロ健さん こんにちは。
ハイキングコースのうち半僧坊〜天園と浄智寺〜葛原ヶ岡、それに大仏ルートは通れますよ。
半僧坊から登ってきた人は天園で獅子舞の谷に下ろされるので、人が多かったです。
最近、ハッと息を飲むような色づきにお目にかかれません。
温暖化も一つの理由でしょうね。寂しいです。
コロ健
もう歩けるようになったのですか?
https://blog.goo.ne.jp/kentagoo1208/e/861c0e377bee56d943992fde85a2a3ff
こんにちは。
いつも楽しく読ませていただいています。
獅子舞のイチョウはあまりにも有名になってしまい、最近は足が遠のいています。今年はとっくに終わったのですね。ところで、もう、ハイキングコースは歩けるようになっているのでしょうか?
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事