何とも無常な〝無観客庭園〟になってしまった横浜イングリッシュガーデンのバラたちの魂だけは開放してやらねばと、在庫写真から主だったものを一挙に掲げて慰めることにした。
五月晴れを期待しているのに2日続きの強い雨が降り続いていちゃぁ気が滅入ってしょうがない。せめて気分だけでも…
このバラの庭の特徴はいくつかあるのだが、バラだけが単体で株ごとにポコポコ咲いている植物園のような植え方見せ方ではなく、ごく自然の景色の中にバラの株が「混ざっている」という雰囲気づくりに注力している点だ。
だから、バラの根元にはほかの草花もたくさん咲いていて、そのコラボを見るのもまた楽しみの一つに挙げられる。
そしてスーパーバイザーの河合伸志さんの好みは樹木につるバラを登らせてしまうこと。
つまり、園内のあちこちで「つるバラの木登り」が見られることだろう。
ややもすれば平面的になりやすい景観に垂直方向の視線を加えることになるわけで、そういう何気ない変化というものがまた景観全体にアクセントを生じさせ、見ていて飽きない。
アーチやオベリスクとは違って「自然が勝手に暴れている」ような雰囲気もまた、見る人を幻惑するというか、楽しませてくれるところといっていいだろう。
ヤマボウシの木に這い上り、ちょうど盛りの真っ白なヤマボウシの花と仲良く咲くつるバラ(品種名は失念)
別の角度から
こちらはかなり背の高い木に登ったつるバラ
つるバラは英語でクライミングローズだから、まさに看板に偽りなし
園芸店の店頭に苗が並ぶとあっという間に売り切れになるくらい人気の「ピエール ド ロンサール」はソメイヨシノに駆け登っている
これは去年の画像だが「ピエール ド ロンサール」の枝替わり品種で河合伸志さんが作出した「ル ポール ロマンティーク」がジュウガツザクラによじ登って咲かせている
見てよこの圧巻ぶり !
(見出し写真の右奥がこのピエール ド ロンサールだが、今年はまだそこまで咲いていなかったもので去年の写真を掲げました。人が写っている方が奥行きや高さや大きさを含めて全体の雰囲気が伝わってきて都合がいいんだけど…)
もう一つの特徴は、これは特に今年顕著なんだけど、入場者を入れていないので今までだって十分狭かった園内の通路は人が通らないものだから両側からバラが伸びてきて一層狭くなり、所によってはむき出しの腕にひっかき傷ができるくらいになってしまっている箇所も
日陰を提供してくれているって考えればいいのサ
狭いね
ここはやや広めだが、すれ違いは互いに譲らないと無理
むせかえるよう
ここは安心して歩ける
ここも
東屋の手前の大きな木はヤナギで枝が伸びてくるとそよ風でも枝がなびいて、この一角に「動き」が加わって、それも一興
赤にもいろいろあるからね
この辺は淡い紫色や青みがかった品種が集められている
さて、以下の2枚はわが家の愛しの「空蝉」
今年の空蝉の出来具合を写した写真を生みの親である河合伸志スーパーバイザーに見せたら目を丸くして「この気難し屋をよくここまで ! 」と感心されちゃったよ ♪
既に一番花が終わり、花をつけた枝を半分ほど切り詰めてせん定した後、「ぼかし肥料」をたっぷりあげておいたから2番花以降の花が咲いてくれるのを楽しみに待つことにする。
そして2番花、3番花が終わる8月にもう一度「ぼかし肥料」を与えて10月以降の秋バラを待つ ♪
秋バラってのは初夏に比べると花数は減るけれど、ひと花ひと花が大きくて、香りも立つのが常識。それもまたお楽しみってところ。