1個1000円もしたので1個だけにしておいたが、酒の肴に貝殻ごと焼いて醤油の一滴でもたらして食べようと思ったのだ。
しかし悲しいかな、火に炙れば閉じていた貝殻が自然にパカッと開くと思ったのだが一向に開かず、ならば開くまでやってみようとそのまま火にかけておいたのだが、中の水分がすっかりなくなっても貝殻は開かず、この目論見はあえなくとん挫して1000円札も無駄になってしまった。
何とか食べようと口に運んでみたのだが、水分がすっかり抜けて縮こまってしまったハマグリは硬い上にまずくてとても呑み込めるものではなく、つくづく残念なことをしたものであると今でも悔しい。
当時、ハマグリの大きさにびっくりして朝市の漁協関係者に聞いたら「ハマグリを獲る漁師は1人になってしまって、その人が休むと出回らないから見かけないのも当然ですよ」と言っていたので忘れかけていたのだが、わが愚挙の1年後くらいに意外な展開を見せたのだ。
このハマグリこそ「かながわ名産100選」に登録されることになる「湘南ハマグリ」だったのである。
今やその人気は驚くべきもので、地元の魚屋でもなかなか入手は困難で、まして大人のこぶし大ともなれば特定の魚屋に行かないと手に入らなくなってしまった。
これじゃぁ幻のブランドじゃないのと思っていたら、最近になって相模湾沿岸の漁協の内で江ノ島に近いところが稚貝の放流を盛んに行っているという話が県の水産技術センターのホームページに出ていた。
良い値で売れるし海にバラまいておけば勝手に成長してくれるのだから手間いらずで、漁師にしてみれば美味しいもうけ話のようなのだ。
本家本元の藤沢市漁協がチョウセンハマグリの稚貝を3万6000個放流したのに続いて相模川をはさんだ平塚市漁協もとりあえずの6000個を、さらに腰越と鎌倉湾では県の3セクが6000個放流して増殖に期待を寄せているようなのだ。
ま、何はともあれ、もう少し安い値段で手軽に手に入るようになれば、こちらの酒の肴のレパートリーも増えるというもので、フフフフフ…の思いで期待しているのである。
そしてハマグリに続いて、あまり縁のなかったトラフグがどういう風の吹き回しか東京湾に産卵場所を作ったようで、ここ1、2年で遊漁船などが結構な大物を釣り上げていて期待を抱かせるのである。
知らなかったが半島を隔てた相模湾沿岸でもトラフグの漁獲が増えているそうで、長井地区では14軒の漁師がはえ縄でトラフグを獲っているそうである。
さすがにフグは魚屋の店先でひょいと買ってきて刺身にしたり鍋にしたりってわけにはいかないが、漁獲が増えればわれわれの口にも入りやすくなるだろう。
複雑な流通経路に乗らずに地元の店で供されるようになれば少しは値段も下がるだろうし、一層口に入りやすくなるというものだ。
築地に運ぶだけじゃなくて、地元の住民に向けても恩恵のあるような漁業の展開というものを期待したいなぁ。
ね、フォア・ザ・ジモトでお願いしますよ。
おっ! 梅雨の晴れ間か……2018.6.19 04:06
予報外れの太陽…… 大歓迎! 05:59
梅雨にもめげずわが家のフウロソウは元気一杯
グリーン・ジェルは完全に開花した。後ろはハンゲショウ
近所の公園では一面のハンゲショウが
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