北にある低気圧に向かって南風が吹き込んでいるためで、空は一部で星明りが見えるが大方は曇っているようだ。昼頃からは雨になるらしい。
寒の戻りというものに注意を払わなくてはならず、関東地方ではこれから3月にかけて雪が積もる季節を迎えるが、それも佐保姫を出迎えるための儀式のようなものと思えば腹も立たない。
嬉しいのはこれからの雨や雪は降ったとしても一雨ごとに暖かくなっていく雨だと言うことで、冬眠中の動植物たちも目覚めの準備に入ることだろう。、
バラが眠っている今のうちに済ませてしまおうと松が開けるとともに取り掛かったせん定作業も昨日、一昨日の暖かさで残っていた4本のつるバラの内3本が終了し、あとは東側のフェンスに這わせたつるバラ1本を残すだけとなった。
太陽が顔を出さない日は原則としてお休みにしているから、今日は別のことをしようと思う。
しかし、昨日手掛けた「伽羅奢」のせん定ではドキッとすることがあった。
玄関へのアプローチに設置したアーチに絡めていているつるバラだが、所々の枝に妙なコブが出来ているのを発見したのだ。
うろ覚えだがバラの病気の中に「根頭癌腫病」とか「こぶ病」というものがあったことが脳裏をよぎる。
慌ててパソコンを開いてネットで調べて見ると、見た目が「根頭癌腫病」によく似ているではないか。
このバラはボクの自慢の1本でもあって、毎年旺盛に花を咲かせてくれていて見事なバラのアーチを作ってくれているのだ。
それがまさか…
病名でもわかるように人間でも厄介な「がん」というおぞましい病の可能性大である。
対処法をあれこれ見ていくと、根の1本も残さずすっかり抜き取って廃棄処分にするのがベスト、などと書かれている。
そんな馬鹿な、と目の前が真っ暗になる思いである。ボクは打ちひしがれましたナ。
それで思い出したのだ。この伽羅奢の生みの親を。
生みの親ならひょっとして対処方法を知っているかもしれない。ワラをもつかむ思いとはこのことで、携帯電話に連絡するとすぐに出てくれた。
バラの育種家として名高い横浜イングリッシュガーデンの河合伸之スーパーバイザーである。
「あぁ、あれ病気じゃないですよ。伽羅奢特有の現象で時たま出るんです。イングリッシュガーデンの株にもありますよ。問題ないです」
キツネにつままれたようでもあり、地獄に仏でもあり、こういうのをキンキジャクヤクと言うんでしょうナ。
ったく驚かせやがって。びっくりしたけれど本当に良かった。それからの作業はルンルンと進みましたとさ。
残った最後の1本は妻の親せきのバラ好きが何かと何かを掛け合わせて作り出したオリジナルで、名無しだが濃いピンク色の小花を房状にびっしりと咲かせてくれ、旺盛に咲き誇るさまは見事である。
こいつはわが家のバラの中で一番の寝坊助で5月の下旬にならないと花を開かないから慌てることもないのだ。
連日バラの話ばかりで能のないことだが、目下の目ぼしい動きと言えばせん定作業なのだから致し方ない。
世間が狭くなってきているのだ。何か考えるのも面倒になってきたているのだ。良いかどうかは別として…
ドキッ! 枝の途中にこんなものが
こっちにも
こっちでは連続してコブ状の盛り上がりが
心配かけやがって… アーチのせん定完了
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