友人に倣って昨日の夕飯を鍋にした。
1日中切れ目なく弱くない雨が降り続いたし、気温は11月末並みの低さだったのだ。冷え切ってしまった心と体を温めなければ。
生の野菜をたっぷり用意して豚しゃぶにした。
食卓の上に置いた携帯ガスコンロの炎を眺めるだけで暖かさが伝わって来るが、鍋から立ち上る湯気が加わると肌にもしっとりと暖かい空気が絡んできて、なんだか心底ホッとする。
そうやって体のヘンな緊張がゆるむから、肉片と野菜を箸でつかんで割り下に付けて食べる時の口中に広がるハフハフ感がたまらなく心地よくて、食欲はいやがうえにも増していく。
やっぱり鍋はイイ。
その昔、囲炉裏があった家々では自在鉤に吊るした鍋の中に自家栽培のサトイモや採ってきたばかりのキノコやその他もろもろの食材を放り込んでぐつぐつ煮立たせたものを、お椀によそってやはりハフハフしながら口に運んだことだろう。
山里の暮らしには縁がないから、多分何かの映画か写真で得た知識だろうが、そういう光景に妙に懐かしさを覚え、魅かれるのは、ボクの身体の中に残されたDNAに記されたかすかな記憶が蘇ってくるせいに違いない。
キーワードは柔らかな炎と暖かな水蒸気ってところか…
それに新鮮な食材さえあれば、調理の手間も省けるし、身も心も豊かにしてくれるって寸法だ ♪
そして今朝。4時過ぎにベランダに出て見ると、近づいている台風14号の影響なのだろう、これまでの身体を縮こまらせる冷たい空気とは違って身体の緊張をほどいてくれる生暖かい空気に入れ替わっていた。
そのおかげか室温も20℃あって少しホッとする。
でも身体はまだ急激な寒暖差にはついていけず、相変わらずクシャミと鼻水は収まっていない。
ラフロイグをひっかけ、昨日使い始めたガスストーブに今朝も火を入れた。
午前4時前後、台風は八丈島に最接近しているらしいが、こちらは雨も止んで風もほとんど吹いていない。
ただし暗いながらも南の空は真っ黒な雲に覆われているように見え、不気味な感じが漂う。
今日1日風は強そうだが、日中の気温は24℃位まで上がるらしいから一息付けそうである。
ノロノロと停滞していた台風は今後列島から生まれ故郷の南の海方向へと遠ざかって行くらしいが、台風一過の青空は期待できそうもない。
最後まで煮え切らない台風である。
ここ4、5日の悪天候で太陽光を浴びることができないパンジーの苗が徒長気味になって来ていて、心配している。
双葉の時期を無事に過ぎ、本葉が出そろいつつあるところで日照不足が続くと茎ばかりがヒョロヒョロと伸びてしまい、その後の成長に差し支えてしまう。
苗の成長には今が一番大事な時期だけに、しっかりと太陽の光を浴びて丈夫な茎の上に確かな本葉を広げてほしいのだ。
今日が無理なら明日。明日が無理なら明後日にも3種類200株の苗を苗床からポリポットに移し替える作業に着手しなければ。
やり始めればそれはそれで無心になって手を動かし続けることになる。
坐禅ばかりが無の境地に至る道というわけでもないのだ。
小さな苗のそのまた細くて繊細な根を傷つけないように植え替える作業は神経を使うし、面倒といえば面倒なのだが、嫌いな作業ではない。
例年は終戦記念日辺りに蒔く種を、今年の猛暑にたじろいで9月中旬まで待ったのだ。
そのかいもあって95%以上の発芽率で芽を出してくれた。
上手く育ってくれれば年末には最初のひと花が見られるかもしれない ♪