3日3晩降り続いた雨は昨日の日曜日、ようやく上がった。
雨の降り方にもいろいろあるが、高くて明るい空から落ちてくる雨というのがある。
これは暖かい季節に良く出現するような気がするが、雲が高い所にある場合、多分雲の層も厚いものではないように思われ、地上は雨降りにもかかわらず明るいのが特徴である。
さらに雲の層が薄いとなれば降り方も穏やかなのが相場。細い糸のような雨なので短時間なら傘がなくても何とかなってしまう。
これに反して、低く垂れこめた雲から落ちてくる雨というのは、往々にして強くて粒の大きい水滴が落ちてくることが多く、傘が役に立たないような極端なこともしばしば体験させられる。
おまけに、厚い雲は太陽光を執拗に遮るから地上は夕暮れのように暗くなる。
雨だけでも鬱陶しいというのに、日中が暗いというのは人間の正常な生理反応さえ狂わしてしまいそうだ。
3日3晩の雨はそんな低くて暗い空から落ちてくる雨だった。
しかも風は強く、気温は11月下旬並みにまで下がったから、急な気温変化に弱いボクには踏んだり蹴ったりだった。
この寒さと雨をもたらした元凶の台風14号が進路を変えて故郷の南の海に向かったため、昨日は4日ぶりに雨が止んだ。
本来なら台風一過の青空が広がるのだが、Uターンしたこの14号はひねくれているというか、関東地方に恨みでもあるのか、青空どころか今後数日にわたって太陽を隠し続けようという暴挙に出ようとしている。
10月に入って自転車でエクササイズできたのはたったの2日だけ。
それだけでも異常に思えるのに、さらに曇天ばかりの日が続きそうだなんて…
秋晴れやぁ~い。
昨日、青い空は現れるには現れた。
それで、おっ!と期待したのだが、ものの30分と持たずに雲に覆われてしまった。
午後3時過ぎからは少し長い時間青空が広がった。でも東西南北の地平線際には灰色の厚そうな雲がたまっている。つまり頭の上だけが晴れているという不自然さなのだ。
見出し写真はその時のわが家から東の空に見えた虹だが、雨が降って表れた虹ではなく、薄い雲の水蒸気に太陽の光が当たってできた虹のようで、最初から消えるまでこの程度の薄い虹だった。
それでも、おおっ ♪ とシャッターを押したが、中途半端な感じはぬぐえない。
煮え切らない秋といえば、今年は大不漁だというからあきらめかけてはいるが、秋の味覚の代表選手のサンマをまだ食べていない。
丸々と太って脂がたっぷりと乗ったサンマを塩焼きにして大根おろしを添え、スダチを絞って醤油を少々垂らし、まずハラワタから箸を入れると、あの独特の苦みが口中に広がり…
冷えた日本酒や、やはりスダチを絞り入れた焼酎のオンザロックを飲みながら湯気の立ち上る焼き立てのサンマの塩焼きを食べる秋は戻って来るんだろうか。
冷凍があるじゃないかって?
冗談も休み休み言えってんだ。冷凍なら何もこの時期じゃなくたって食べられる。
今、この時期の獲れたてのまさに旬の魚体を味わうからいいんであって、旬とはそういうものだ。べらぼうめ。
今は流通が良くなったから、大都会にいても刺身でも食べられるようになったし、ハラワタだって獲れたてだからなおさら美味しい。それが冷凍では興が覚めてしまう。
値段が高いのもイカン。1本300円とか500円などと根の付けられたサンマなんて口にする気にならない。
サンマは大衆魚なのだ。庶民の味方にツンとすまされてたまるか。
もともとサンマが上流階級向けの高級魚ならこういう感情は持たない。丸々と太って脂が滴るようなサンマ1本が30円とか40円で買えるような魚だからありがたいんだ。
焼く時の煙が目に染みるのさえ嬉しいんだ。
苦いハラワタさえ美味しいのさ。
庶民の味方だから嬉しいんだよ、決まってるじゃないか。
秋晴れのない秋。サンマの獲れない秋。そりゃぁないよ、という気分だ。